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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】年間ソングチャート発表がポイント増加に反映、特筆すべき指標を挙げる

毎週木曜以降は最新のビルボードジャパン各種チャートについてお伝えします。

12月5~11日を集計期間とする最新12月14日公開分(12月19日付)ビルボードジャパンソングチャートはOfficial髭男dism「Subtitle」が2週連続、通算6週目の首位を獲得しました。

Official髭男dism「Subtitle」のポイント前週比は102.8%。ツイート内記事で掲載された各指標の前週比はストリーミング再生回数(指標に落とし込む前の数値)が100.4%、動画再生が102.0%、そしてダウンロードが122.8%となっています。

「Subtitle」においては主題歌となったドラマ『silent』(フジテレビ)が放送を再開したこともポイント増加の要因と言えますが、今回の集計期間中に放送された『FNS歌謡祭』(フジテレビ 12月7日放送)にてこの曲がテレビ初披露されたことが大きいでしょう。テレビパフォーマンスはデジタル所有指標を大きく刺激する傾向があり、「Subtitle」においても示された形です。

 

 

さて今回は前週よりポイントを伸ばした曲が複数みられましたが、集計期間中の12月9日金曜に発表された2022年度ビルボードジャパン年間ソングチャートでトップ10入りを果たした作品が伸びていることが判ります。年間チャートトップ10はこちら。

年間チャートはこのブログでも解説しています。

それでは、年間ソングチャートでトップ10入りした作品の最新週における動向を、最新週の上位から順にチェックしてみます。

 

・5位 Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」 ポイント前週比108.6%

 

・8位 Tani Yuuki「W / X / Y」 ポイント前週比101.1%

 

・10位 Official髭男dism「ミックスナッツ」 ポイント前週比104.4%

 

・15位 Saucy Dog「シンデレラボーイ」 ポイント前週比101.2%

 

・22位 優里「ドライフラワー」 ポイント前週比103.9%

 

・30位 back number「水平線」 ポイント前週比106.2%

 

・31位 優里「ベテルギウス」 ポイント前週比105.0%

 

32位 マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」 ポイント前週比107.0%

 

・34位 Aimer「残響散歌」 ポイント前週比110.4%

 

2022年度ビルボードジャパン年間ソングチャート10位の「一途」は最新週において99位。ポイントが可視化されるのは週間50位までのため同曲のポイント前週比は不明ですが、その他9曲のポイントはいずれも前週より伸びています。

CHART insightで個人的に注目したのがラジオ。黄緑で表示されるこの指標は多くの曲で順位を伸ばしています。「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」は100位未満300位圏内から30位、「ミックスナッツ」は100位未満300位圏内から62位、「W / X / Y」や「ドライフラワー」、「なんでもないよ、」そして「残響散歌」では300位圏外から100位未満300位圏内に上昇。ポイントの増加の要因と言えるでしょう。

ラジオ指標のポイント全体に占める割合は高くないとして、しかし確実に影響を与えています。ラジオは接触指標の中でもリスナーが選曲権を持たない点において受動的接触であり、放送局や番組スタッフがその権限を持ちますが、今回の上昇からは放送局サイドがビルボードジャパンのチャートを意識し、紹介する姿勢が感じられます。この点からは、ビルボードジャパンへの信頼度の高さもうかがえるのではないでしょうか。

 

 

ならばそのラジオ局で、ビルボードジャパンの音楽チャートを毎週紹介する番組を用意する必要があるのではという考えもまた、自分の中で再燃しています。OA曲をサブスクプレイリストやツイート等で共有することで、チャートの存在感や意義をより多くの方に伝え、高めることができるはずです。ビルボードジャパンがラジオ局側に働きかけることも必要だと考えます。