イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

King & Prince「ツキヨミ」が「Subtitle」「KICK BACK」に挑む…次週のチャートにおける注目点とは

最新の11月9日公開分(11月14日付)ビルボードジャパンソングスチャートまでは3週続けてOfficial髭男dism「Subtitle」が首位、米津玄師「KICK BACK」が2位をキープ。3週前は「KICK BACK」が1位、「Subtitle」が3位に初登場を果たしており、4週続けてフィジカルシングル未リリース曲がチャートを制しています。最新のソングスチャートや今後の予想については一昨日のブログエントリーにて解説しています。

2強の上位安定により、フィジカルセールスで週間30万枚以上のセールスを獲得した作品が総合で首位に立てないケースが続いています。3週前から順にJO1「SuperCali」(売上602,958枚、総合2位)、AKB48「久しぶりのリップグロス」(429,419枚、総合4位)、日向坂46「月と星が踊るMidnight」(459,613枚、総合3位)、SixTONES「Good Luck!」(398,252枚、総合3位)となっており、翌週には急落するケースも目立つのです。

フィジカルが突出した強さを誇る以上に、デジタルが強い状況の中でフィジカルを上乗せすることが今のビルボードジャパンソングスチャートで人気の曲と言えます(そしてそれにより米津玄師「KICK BACK」が今年度週間最多ポイントを狙えることについて、一昨日のブログエントリーで紹介しています)。ビルボードジャパンソングスチャートと社会的ヒット曲が比例することを踏まえれば、デジタルの強化は必須でしょう。

 

そのビルボードジャパンソングスチャートで次週の動向が注目されるのが、King & Prince「ツキヨミ」。水曜までの3日間におけるフィジカルセールスは543,984枚となり、いわゆるハーフミリオンを突破した形です。

(上記はショートバージョン。)

King & Princeは前作「TraceTrace」が9月21日公開分(9月26日付)ビルボードジャパンソングスチャートで16,029ポイントを獲得し総合首位を記録。最新ソングスチャートにおけるOfficial髭男dism「Subtitle」の16,626ポイントに近い水準となっています。「TraceTrace」は初週フィジカルセールスが513,056枚であり、「ツキヨミ」は前作の売上を速報値で既に上回っていることを踏まえれば、総合首位到達もあり得るでしょう。

 

King & Prince「ツキヨミ」がどの位置に登場するかも気になりますが。以下の2点にも注目しています。

 

ひとつは「ツキヨミ」のフィジカルセールス加算2週目の状況。このブログで幾度となくお伝えしているように、ロングヒットし年間チャートで上位に進出する曲が真の社会的ヒット曲と言えます。逆に週間単位で上位に進出しながら翌週急落する曲はロングヒットが難しく、たとえばOfficial髭男dism「Subtitle」や米津玄師「KICK BACK」の後塵を拝した曲の中でAKB48「久しぶりのリップグロス」は翌週100位圏外となっています。

ロングヒットに欠かせないのが接触指標の充実ですが、King & Princeはサブスクを解禁していないためストリーミング指標での上位進出は難しいと言えます(なお、動画のオーディオストリーミングもストリーミング指標に加算されるため、動画人気でストリーミング300位以内に入る可能性はあります)。ストリーミングが強くなれない環境下でフィジカル関連指標群加算2週目のポイント前週比がどうなるか、気になるところです。

 

(上記はショートバージョン。)

ふたつ目はフィジカルシングルにおいて「ツキヨミ」とのダブルAサイドとなった「彩り」の次週の動向。「ツキヨミ」は平野紫耀さんが、「彩り」は高橋海人さんが主演するドラマの主題歌ですが、フィジカルセールスおよびルックアップ指標は1曲のみに加算されます。加算対象外となると思われる「彩り」はデジタル未解禁でもあるため、総合ソングスチャートで100位以内に登場するかは難しいかもしれません。

ダブルAサイドのうちフィジカル関連指標が加算されない曲が総合ソングスチャートで上位に進出できない例として、直近では最新ソングスチャートで3位に登場したSixTONES「Good Luck!」とのダブルAサイドである「ふたり」が該当します。デジタル未解禁のほか、ラジオ指標の票割れも影響しかねないのです。

(2曲ともミュージックビデオはショートバージョン。)

デジタル解禁済ならばAサイド曲ではなくとも、戦略次第でカップリング曲をビルボードジャパンソングスチャートのトップ10内に送り込むことが可能です。その最たる例がBE:FIRST「Bye-Good-Bye」。下記ブログエントリー掲載後、「Betrayal Game」は5月4日公開分(5月9日付)ビルボードジャパンソングスチャートで3位に初登場を果たしています。

デジタル未解禁/解禁済に関係なく、シングル表題曲やカップリング曲への思い入れはすべての歌手が持ち合わせていることでしょう。ビルボードジャパンソングスチャートの現在のチャートポリシー(集計方法)では、デジタル解禁済ならばAサイド曲以外にもスポットが当たるようになっているため、デジタル未解禁により順位に大差がつくのは勿体ないと考えます。

 

 

昨日はTravis JapanJUST DANCE!」のビルボードジャパンおよびグローバルチャートの動向を踏まえ、中期戦略を踏まえたデジタルの周知徹底、そして何よりジャニーズ事務所の意識や取り組み方の改革が必要だと記しました。

今回記載したふたつの注目点において十分な結果に至れないならば尚の事、デジタルの拡充を唱える必要があると考えます。そしてKing & Princeのこれまでの歴史をきちんと残すという意味でも、デジタル解禁を希望します。

 

 

最後に。King & Princeについては前週金曜、メンバーの脱退が発表されました。広く世間に向けての表立った関係者発言は、一昨日のラジオにおける永瀬廉さんがおそらくはじめてと思われます。個人的には関係者が自らの声で発信すること(そしてなによりそれが許される環境の醸成)を希望すると共に、メディアが憶測ではなくきちんと取材するというジャーナリズムを発揮してほしいと願います。