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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

次回のビルボードジャパンソングスチャートは混戦必至? 上位を狙う曲の多くが施策を積極的に採り入れている件

次週のビルボードジャパンソングスチャート(11月24日公開(11月29日付))、非常に面白いことになりそうです。大接戦が繰り広げられる予感がします。

週の前半3日間を先ヨミとしてビルボードジャパンは記事化。フィジカルセールスではNEWS「未来へ」が首位に立っています。ダブルAサイドシングルは1曲のみにフィジカルセールスおよびルックアップ指標が加算されることから「未来へ」が首位候補の一角となっていますが、しかし木曜のオリコンデイリーシングルランキングではなにわ男子「初心LOVE」に首位の座を奪われています*1

ダウンロードはLiSAさんがフィジカルリリースしたシングルの表題曲のひとつ、「白銀」が先ヨミでトップに。フィジカルリリースも相俟って、ダブルAサイドのもう一曲でフィジカル関連指標が加算対象となる「明け星」もダウンロード数を伸ばし、さらにはフィジカルセールスでもNEWSとの差をわずかながらも日に日に縮めています。

ストリーミングの先ヨミでは優里「ベテルギウス」が2位以下に大差をつけており同指標連覇の可能性は高いと言えます。またNiziU「Chopstick」が3位につけています。

 

自分はビルボードジャパンソングスチャートの予測は行っていませんが、今回は予測する方にとってもかなりやり甲斐のある内容となっているのではないでしょうか。そして今回、上位を狙える位置にいる曲は様々な施策を行っています。テレビ出演を除き、その施策をチェックしてみます。

 

最新11月17日公開(11月22日付)ビルボードジャパンソングスチャートで首位を獲得したなにわ男子「初心LOVE」はフィジカルセールスで依然好調。その「初心LOVE」が金曜に公開したのはミュージックビデオのダンスバージョン。しかもフルサイズでの公開というところに、動画再生指標を、もっといえばビルボードジャパンソングスチャートを意識している可能性が感じられます。おそらくこの動画も加算対象です。

 

動画施策はBE:FIRSTも実施。11月10日公開(11月15日付)ビルボードジャパンソングスチャートを制し、翌週も2位にとどまった「Gifted.」は木曜にミュージックビデオのリアクション動画を公開。K-Popアクトが積極的に行う施策の採り入れは、あらためてミュージックビデオを観たりストリーミングに移行する流れを生むことが可能です。ストリーミングの先ヨミでは「Gifted.」が5位に入っています。

 

動画再生回数で強さを誇るNiziU「Chopstick」では、リリース日となる11月11日から1週間、LINE MUSIC再生キャンペーン(LINE MUSIC再生回数キャンペーン)が開催。水曜で終了したためストリーミングの先ヨミ記事における順位を保てるかは微妙ですが、Spotifyでは木曜のデイリーチャートで50位の壁を突破し上昇気流に突入し、他のサブスクサービスでの上昇も期待できます*2。火曜にはメイキングも公開されています。

 

LINE MUSIC再生キャンペーンは優里「ベテルギウス」でも火曜まで行われていましたが、他のサブスクサービスでは既に上位に進出しています。また木曜にはミュージックビデオも公開されました。ミュージックビデオ公開効果でLiSA「明け星」が最新ソングスチャートにおいて21→11位に再浮上したことを踏まえれば、「ベテルギウス」における効果も大きいものと考えます。

 

ストリーミング指標の先ヨミで4位に入ったマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」もまた、LINE MUSIC再生キャンペーンを実施済。火曜でキャンペーンは終了していますがこちらもSpotifyでは50位の壁を突破し上昇のフェーズへ突入しています。

 

 

フィジカルセールスが強い歌手が翌週以降急落する可能性が高いとしても週間ソングスチャートを制する傾向にありますが、NEWS「未来へ」においては全種のレンタル解禁日リリースから17日後に設定されているため、レンタルに因るルックアップ指標は見込めません。一方でLiSA「明け星」は土曜からレンタル解禁されており、この差も大きく影響することでしょう。

これら施策の実施がどう出るか…次週のチャートを楽しみにしたいと思います。

 

それにしてもこうやってみると、多くの歌手が施策に積極的だということが解ります。それはチャートのためというよりも認知をさらに広げるため、そしてコアなファンとのつながりをさらに深めるためと言えますが、その結果はきちんとチャートにも反映されるわけです。ゆえにビルボードジャパンソングスチャートは社会的ヒットの鑑と言え、自分がチャートを追いかける理由もそこにあります。

*1:オリコンについてはビルボードジャパンにはないデイリーランキングが存在することから、セールスのみのランキングは参考にしています。

*2:Spotifyにおける50位の壁については、(追記・訂正あり) ワンオク、NiziU、あいみょん、DISH//…Spotifyで相次ぐ再生回数急落、その理由が判明(8月23日付)をご参照ください。