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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

本人が楽しんでみたらリバイバルヒット…広瀬香美「ロマンスの神様」バズ発生の理由と、一方で引っかかる点とは

最新の日本におけるSpotifyデイリーチャート、面白い現象が起きています。

この曲のSpotifyチャートインの動向はこちらからも確認可能。実はこの盛り上がり、予想できたと言えそうです。

ビルボードジャパンによる最新2月23日公開分(2月28日付)TikTok Weekly Top 20において、広瀬香美ロマンスの神様」は4位に登場しています。

当週は七草くりむ「だいあるのーと」と広瀬香美の「ロマンスの神様」が急上昇。

(中略)

ロマンスの神様」は“タイガの振り付け”による振り付け動画が拡散し、そのダンス投稿が急増。ソロやペア、グループで参加するユーザーが多く、広瀬本人もそのダンスに挑戦するという流れがより多くの反響を呼んだ。

TikTok Weekly Top 20の内容はこちらより確認可能です。このチャートへの「ロマンスの神様」の登場、そしてTikTokのバズ発生の経緯についてはJ-CASTニュースが詳しく採り上げています。

ロマンスの神様」のバズはタイガの振り付けさん(アカウントはこちら)による独自の振り付けがきっかけとなりましたが、注目は広瀬香美さん本人の参加にあります。動画コメント欄に感謝の思いを記し、自身が踊ってみた動画を投稿、また振り付けを覚えるための譜面もアップという"楽しんでみた"結果のバズであり、これがサブスク聴取の流れに至ったと言えます。

@taiga_no_furitsuke @kohmihirose_official への返信 そんなの嘘だと思いませんか…⁉️めちゃくちゃ嬉しい😭#ロマンスの神様 #広瀬香美#タイガの振り付け ♬ Romance no Kamisama - 広瀬 香美

 
 
 
 
 
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@kohmihirose_official また踊ってみました🕺💃✨ @haramipiano #踊ってみた #ロマンスの神様 ♬ Romance no Kamisama - 広瀬 香美

 

これで思い出したのが、1977年に米ビルボードの週間ソングスチャートを制したフリートウッド・マック「Dreams」。

実はこちらもTikTokインフルエンサーによる投稿を、メンバーのミック・フリートウッドが真似したことでバズが発生。一昨年秋に米ビルボードソングスチャートで12位まで再浮上し、実に43年の時を経てリバイバルヒットとなったのです。

@420doggface208                 ♬ Dreams (2004 Remaster) - Fleetwood Mac

@mickfleetwood @420doggface208 had it right. Dreams and Cranberry just hits different. #Dreams #CranberryDreams #FleetwoodMac ♬ Dreams (2004 Remaster) - Fleetwood Mac

上記ライブ動画の概要欄には曲のクレジットがあることから公式動画と捉えることが可能、さらにサブスクも解禁されており、バズ発生時の受け皿(TikTokの次の遷移先)の整備がリバイバルヒット加速の要因と言えるでしょう。実際、フリートウッド・マック「Dreams」は米ビルボードソングスチャートのストリーミング指標(動画再生を含む)でトップ10入りを果たしています。

 

流行や訃報等に触れた際に生まれる”聴きたくなった”という衝動は、デジタルの興隆により即座に叶うようになりました。そして先のミック・フリートウッドによる動画投稿は、その衝動を加速させることに一役買っていると言えます。

フリートウッド・マック「Dreams」のリバイバルヒットについて背景をまとめた際、翻って日本ではバズ発生時の受け皿が整っていない印象があるということ上記ブログエントリーで記載しました。サブスク解禁歌手は増えている印象ですが、一方でミュージックビデオについてはサブスク並かそれ以上に整備されていないかもしれません。

広瀬香美ロマンスの神様」オリジナルバージョンの公式動画はこの短尺版しか存在しない模様。上記とは別に2019年のライブ映像もあるのですが(→こちら)、概要欄のクレジットをみるとオリジナルバージョンには合算されないだろうと考えられます。そしてショートバージョンにおいてはビルボードジャパンの動画再生指標で伸びにくいということについて、以前からここで紹介しています。

(ただしback numberは現在、ミュージックビデオをフルバージョンでアップし直しています。)

広瀬香美さんのフレキシブルな動き、楽しもうとする姿勢に拍手を送る一方で、過去音源の未整備はバズの加速につながりにくく、ビルボードジャパンソングスチャートで上がりにくいだろう点において勿体ないと感じずにいられません。このようなショートバージョン問題は他にも散見され、歌手側とレコード会社側どちらがネックなのかは解りかねるものの、環境未整備はバズを潰えさせかねないものだと危惧しています。