最新のビルボードジャパンソングスチャートで通算8週目の首位を獲得したAimer「残響散歌」については、その要因を内的と外的に分けて紹介しました。
外的要因については主にフィジカルセールスに強い曲が少ないことに注目しましたが、次週以降その環境が一変します。
(ITZYについては、日本でのファーストシングルがこの春リリース。過去の実績はありませんが、4月13日公開分(4月18日付)にて掲載しています。)
上記は昨日掲載した今年度週間フィジカルセールス10万枚を突破した曲に加えて、前作が週間10万枚以上の売上を記録した曲を各曲の登場予定週に記載したもの。薄緑は今後のチャートを示し、掲載曲の売上枚数欄には前作の数値を記載しているのですが、これをみると次週以降9週連続で10万枚超えが期待できる曲が登場することになります。
おそらくは新型コロナウイルス第6波の収束を見越して各歌手が今週以降のリリーススケジュールを組んだと考えられますが、ジャニーズ事務所所属歌手とAKB48、そして坂道グループの発売日は重なっていません。この状況については以前のエントリーでも述べましたが、偶然とはいえ凄いことです。
私見と前置きした上で書くならば、リリースタイミングが1年に52週しかない緻密なパズルと言える中でよくこれだけバッティングしないものだと感心させられます。同じ芸能事務所内では計算できても他のプロダクションとほぼ被らない事自体珍しい上に、それが続くのは奇跡的とすら言えるかもしれず、(INIに遅れてのアナウンスとはなりましたが)BE:FIRSTのデビューが重なり競合することのほうが本来は自然だと思うのです。
以前のブログエントリーで例に挙げたBE:FIRSTについては、この春にセカンドシングルがリリースされる予定です。
Spring 2022
— BE:FIRST (@BEFIRSTofficial) 2022年1月12日
BE:FIRST
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おそらくはセカンドシングルをどのタイミングで用意するか思案しているものと思われますが、今後はどの週にリリースしたとしても競合するため、デジタルも含め総合での勝利を目指す形が理想と言えるでしょう。
2022年度第1四半期初週の段階で更新されたチャートポリシー(集計方法)の下では、週間フィジカルセールス20万前後を獲得した作品は9千ポイント台となっています。フィジカル関連指標の加算初週にデジタルも強いならば1万ポイント突破もみえてきますが、過去の実績を踏まえればフィジカルセールスに頼った形となる曲が大半と思われます。
【先ヨミ】NMB48『恋と愛のその間には』18.4万枚で現在シングル首位 https://t.co/bUnaUhwx4n pic.twitter.com/KJv5sQmtgC
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2022年2月24日
【先ヨミ・デジタル】Aimer「残響散歌」ストリーミング首位走行中 Tani Yuuki「W/X/Y」速報トップ10に初登場 https://t.co/eYvDqh8lya pic.twitter.com/oWXck4J6Q2
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2022年2月25日
次週のビルボードジャパンソングスチャートはNMB48「恋と愛のその間には」とAimer「残響散歌」が首位の座を争います。「恋と愛のその間には」は既に前作の初週セールスを上回っており、9千ポイントは堅いかもしれません。一方で「残響散歌」は今週ほどの勢いを保てないかもしれませんが、次週の集計期間には2月23日の祝日も含まれることから、デジタルの下落幅が抑えられるかもしれません。
フィジカルセールスに強い曲が総合でも首位を射止めるか、デジタルに強い曲がその座をキープするか…その動向次第では、フィジカルセールスに強い曲の運営側が今後の判断を迫られることになりそうです。デジタルに明るくなることを願うばかりです。