イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【グローバルチャート】アデル「Easy On Me」が4連覇、そしてあのクリスマスソングが上昇

(※追記(7時20分):ポスト・マローン & ザ・ウィークエンド「One Right Now」のミュージックビデオが公開されたことから、動画の差替を実施しました。)

 

 

 

毎週水曜は、米ビルボードが昨年新設したグローバルチャートをお伝えします。

200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。11月20日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にアデル「Easy On Me」が4連覇を達成しました。

アデル「Easy On Me」はGlobal 200においてストリーミングが前週比10%ダウンの7560万およびダウンロードが同11%ダウンの26000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比9%ダウンの5480万およびダウンロードが同12%ダウンの12000を記録しています。

Global 200においては、トップ5にアメリカ出身の歌手が不在となりました(アデル、エド・シーラン、エルトン・ジョンおよびデュア・リパはイギリス、ザ・キッド・ラロイはオーストラリア、ジャスティン・ビーバーはカナダ、Cケイはナイジェリア)。これは前週に続く2回目の記録となります。

(※追記(7時20分):ポスト・マローン & ザ・ウィークエンド「One Right Now」のミュージックビデオが公開されたことから、動画の差替を実施しました。)

9位にはポスト・マローン & ザ・ウィークエンド「One Right Now」が初登場。ストリーミングは3780万、ダウンロードは16700を記録。ザ・ウィークエンドにとっては6曲目となるGlobal 200でのトップ10入りとなり、ポスト・マローンは昨年秋にグローバルチャートが誕生して以降で初となるトップ10入りを果たしました。

また10位にはトラヴィス・スコット「Escape Plan」が初登場。ストリーミングは3920万、ダウンロードは9400を記録し、トラヴィスにとって3曲目のトップ10入りとなりました。一方で米ビルボードの上記記事では、関連動画が未掲載となっています。おそらくはリリース日となる11月5日に開催されたトラヴィス主宰の音楽フェスで多数の死傷者が出たことを考慮してのものと思われます。

 

 

さて前週はハロウィン関連曲の上昇について紹介しましたが(→こちら)、11月5~11日を集計期間とする最新のグローバルチャートではクリスマスソングが100位以内に上昇を果たしています。

マライア・キャリーが1994年に発表した「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」がGlobal 200で105→52位へ上昇し、Global Excl. U.S.では99位に再登場。米ビルボードでは今週100位以内復帰には至っていませんが、しかしながらクリスマスシーズンの到来、季節を彩る曲の強さ、そしてクリスマスにおいては何よりマライア・キャリーが如何に強いかを実感した次第です。

マライア・キャリーは今シーズン、カリードそしてカーク・フランクリンと共演した「Fall In Love At Christmas」をリリース。ゴスペルアプローチの作品群も魅力的であると考える自分は、カーク・フランクリンとの共演に嬉しさを覚えたものです。また、以前のブログエントリーも思い出しました。

「Fall In Love At Christmas」自体はグローバルチャート、そして米ビルボードソングスチャートには100位以内に登場していませんが、新たなクリスマスソングの登場がマライア・キャリー不変の名曲を加速させる効果につながったものと考えます。

なお、日本時間の今日6時前に米ビルボードが上記ツイートを発信しています。米ビルボードにはチャートの新陳代謝を目的としたリカレントルールがありますが*1、このツイートを踏まえればクリスマスソングには当該ルールが適用されないと言えそうです。となると次週以降、定番のクリスマスソングソングが上昇することはほぼ間違いないでしょう。

 

 

最後にJ-Popの動向を紹介。毎週火曜夕方に更新されるグローバルチャート詳報で100位以内に入ったJ-Popをツイートしており、そちらを転載します*2

グローバルチャートにランクインするJ-Popは残念ながら減っていますが、優里「ベテルギウス」が初の1週間フル加算となった最新チャートにおいて、Global Excl. U.S.では50位に初登場。今日発表のビルボードジャパンソングスチャートにも注目です。なお「ベテルギウス」はApple Music、そして今週月曜にはSpotifyも制しており、次週のグローバルチャートやビルボードジャパンソングスチャートでも上昇が期待できます。

J-Popがグローバルチャートで100位以内に残るのか、次週に注目です。

*1:リカレントルールとは一定週数以上ランクインした曲が一定順位を下回ればチャートから消えるというもの。

*2:グローバルチャートは無料会員が100位まで、有料会員が200位まで閲覧可能。ただし有料会員のみが知り得る情報を流すことはできないという観点から、100位以内の動向のみ紹介しています。