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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

Sexy Zone「夏のハイドレンジア」、リリックビデオのフルバージョンでの公開に注目する

Sexy Zoneが今週リリースした「夏のハイドレンジア」、フィジカルセールスが好調です。いわゆるフラゲ日、そして発売日の2日間の売上は前作を大幅に上回っています。

今週のCDシングル売上レポートから2021年8月2日~8月4日の集計が明らかとなり、Sexy Zone『夏のハイドレンジア』が208,899枚を売り上げ、現在首位に立っている。

本作の表題曲は、Sexy Zone中島健人小芝風花がW主演を務める『彼女はキレイだった』の主題歌。秦 基博による書き下ろしで、2021年3月24日にリリースされた前作『LET'S MUSIC』の初動3日間売上130,203枚を大きく超える売り上げとなっている。

「LET'S MUSIC」が初登場した3月31日公開(4月5日付)から「夏のハイドレンジア」がフィジカル関連指標初加算となる次週までの間にビルボードジャパンはフィジカルセールス指標のウェイト減少措置を行ったため単純比較はできませんが、下半期で20万前後のセールスを獲得した関ジャニ∞「ひとりにしないよ」やNEWS「BURN」、KinKi Kids「アン/ペア」のポイントを上回るだろうと予想されます。*1

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一方で来週8月11日公開(8月16日付)ソングスチャートではBTS「Permission To Dance」がライバルと考えられます。

次週におけるストリーミング前半3日間の再生回数は5,007,764回。しかし11510ポイントを獲得した最新週における前半3日間の再生回数は5,762,077回であり、「Permission To Dance」の勢いは落ち着きつつあります。それを踏まえれば、「夏のハイドレンジア」の総合首位は堅いと言えるかもしれません。

 

 

さて興味深いのは、Sexy Zoneがフィジカルリリースに先立ってリリックビデオを公開したこと。8月1日に公開され次週のチャートで1週間フル加算対象となるこのリリックビデオ、ジャニーズ事務所所属歌手では極めて珍しいフルバージョンでの動画となるのです。

Sexy Zoneの公式Twitterアカウント(といえる公式キャラクター、セクベア)も、動画がフルであることをきちんと伝えています。

リリックビデオを手掛けたのはイラストレーターで絵師の檀上大空(だんじょうそら)さん。ネット音楽関連の作品を多数手掛ける方を起用したこと自体興味深い動きですが、多くのファンがいらっしゃるであろう檀上さんの作品だからこそフルで見せたいという意思が運営側にあったのかもしれませんし、別の理由があるかもしれません。

上記ブログエントリーではSixTONESSnow Manの最新曲がストリーミング指標を獲得していることを紹介していますが、このエントリーを機に「夏のハイドレンジア」のリリックビデオもまたストリーミング指標獲得を狙ったものではと推測される方がいらっしゃいました。ジャニーズ事務所側がサブスク解禁を認めない状況下でリリックビデオはある種の抜け道だった的な見方もされており、興味深く拝読した次第です。

 

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リリックビデオ公開日を集計期間最終日とした最新8月4日公開(8月9日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは、「夏のハイドレンジア」はTwitterおよび動画再生指標の順位が上昇。またラジオと相性の良い秦基博さんが曲提供したことで、ラジオではトップ20目前まで急上昇しています。

秦基博さん提供によるストレートで上質なJ-Pop、人気絵師によるフルバージョンでのリリックビデオの登場により、コアなファンのみならずライト層にもリーチするだろう「夏のハイドレンジア」。次週ラジオでトップ10入りを果たし、そしてジャニーズ事務所所属歌手に多いフィジカル関連指標加算初週での動画再生指標急落がみられないならば、ライト層へのアプローチが他の作品より強いと言えるのではないでしょうか。

 

 

ジャニーズ事務所では珍しいフルバージョンでのリリックビデオは、フィジカル初加算週における総合首位獲得をより確実にするための施策と言えるかもしれませんが、施策とは関係なく純粋に曲の良さを広めたいという思いがあり、それが最終的にチャート制覇につながっていくとも言えるでしょう。そしてこの動画が話題になれば他の所属歌手も追随し、遂には事務所側がデジタルに前向きになる可能性もありそうです。

*1:最新チャートで首位を獲得したジャニーズWEST「でっかい愛」はルックアップ指標が極めて大きいため、「夏のハイドレンジア」はフィジカルセールスが上回ってもルックアップが強くなければ「でっかい愛」を超えることは難しいかもしれません。