イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ベストアルバムが大ヒット中のBTS、この1ヶ月強で二度のピークが生まれている

BTSのベストアルバム『BTS, THE BEST』がとんでもないことになっています。

初週80万超えは驚くべき記録です。本日発売されるビルボードジャパンアルバムチャートの動向が気になります。

 

(ちなみに私見と前置きして書くならば、ボーナストラック扱いの「Dynamite」がアルバムプロモーション動画の冒頭に登場することに違和感を覚えます。「Dynamite」がボーナストラックであるという位置付けからは、本来国内盤ではリリースできなかったのではという契約形態が想像できるのです。また、米ビルボードオリコンの記録を記載しながらビルボードジャパンに触れないことへの強い違和感も記しておきます。)

 

 

アルバムの勢いはソングスチャートへも波及するものと考えます。これはベストアルバム収録曲に限らず、BTSの楽曲全体に言えることです。というわけで、ここでは日本におけるSpotifyデイリー再生回数の動向を追いかけてみます。

 

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最新曲「Butter」(ベストアルバム未収録)が登場する1週間前から直近6月21日付まで、1ヶ月強におけるBTS主要曲の動向を上記に。「Butter」の勢いが凄まじく10万再生未満の曲の動向が判りにくいため、「Butter」「Dynamite」および「Film out」を除いたグラフを下記に用意。

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上位3曲とそれ以外では、動きがシンクロしていることが解ります。BTSはこの1ヶ月強で、「Butter」リリースのタイミングおよびベストアルバムリリース後の二度に渡りピークが発生しているのです。この勢いは、たとえば優里「ドライフラワー」と比較すると如実に解ります。

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最初のグラフに「ドライフラワー」を加えたものが上記となりますが、「Dynamite」が「ドライフラワー」をこの土日に逆転しているのです。「ドライフラワー」が緩やかながらダウンしているとはいえ、土曜以降BTSがワンツーフィニッシュを成し遂げているのは見事と言えます。

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直近の日曜における前週比をみると「Butter」「Dynamite」が共に110%前後となっており、優里「ドライフラワー」の101.6%を大きく上回っていますが、BTSは英語詞曲の2曲を除けば「Film out」の133.7%を筆頭に、いずれの曲も10%以上伸びているのです(なお表には未記載ですが「Euphoria」が前週比124.1%、「Telepathy」が同118.6%を記録)。BTS, THE BEST』収録/未収録、歌詞の言語の違いに関係なく、BTSの曲が全体的に盛り上がっていることが見て取れるのです。

 

無論このタイミングでの上昇はメディア露出も大きなプラスとなっていますが、テレビ関連ではさらなる施策が成されており、今後より強い影響を及ぼすでしょう。

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(上記キャプチャは6月23日7時現在のもの。)

BTSおよびTOMORROW X TOGETHERがこれまで『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)で披露したパフォーマンス映像が、2週間限定という括りながらYouTubeで配信されています。この試みは日本では極めて珍しいのですが、個人的には以前から必要と唱えてきただけに非常に嬉しく思っています。

できれば歌手側のYouTubeアカウントから、期間限定という括りを外してアップしてほしいという思いはありつつも、この姿勢は素晴らしいですね。一方で、この試みを日本人歌手がなぜ今まで行ってこなかったのか、そして今後もできないのではないかとすら考えてしまう自分がいます。

 

 

複合指標から成るビルボードジャパンアルバムチャート、本日発表分では『BTS, THE BEST』の首位は間違いないでしょう。そしてソングスチャートにもどう波及するのか、BTSの動向に注目です。