米ビルボードソングスチャート、現地時間の4月12日月曜に発表された最新4月17日付ソングスチャート(Hot 100)。前週初登場で首位を獲得したリル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」は2位へ後退、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるユニット、シルク・ソニック「Leave The Door Open」が初の首位を獲得しました。
.@silksonic's "Leave The Door Open" rises to No. 1 on this week's #Hot100 💯https://t.co/K7K83y9rBt
— billboard (@billboard) 2021年4月12日
シルク・ソニック「Leave The Door Open」はストリーミングが前週比13%アップの2150万(同指標3位)、ダウンロードが同138%アップの28600(同指標2位)、ラジオが同9%アップの5910万(同指標2位)となり構成3指標すべて3位以内としました。特にダウンロードの伸びが顕著なのはライブバージョンの登場、およびCDでのリリースに伴うものであり、今週の総合首位押し上げの要因と言えます。
Last day to purchase the limited edition Leave the Door Open CD ✨ https://t.co/Vt0xOE8SEY pic.twitter.com/LZLZJeWXVU
— Silk Sonic (@silksonic) 2021年4月5日
Also the last day to purchase the limited edition Leave the Door Open Live CD: https://t.co/qOGnDn5b9m pic.twitter.com/OCyhCahBk7
— Silk Sonic (@silksonic) 2021年4月5日
CDは既に購入できなくなっていますが、このフィジカルの発売日が4月2日金曜でありダウンロードやストリーミング指標の集計期間初日であることから、間違いなくチャートを刺激したと言えるでしょう(またフィジカルの期間限定発売という策もまた、ニーズを高めるに十分です)。ライブバージョンも収録した作品が2.50ドル、オリジナルバージョンのみでも1.29ドルで発売されており、これが功を奏し同曲初の首位獲得となりました。
シルク・ソニックとしては初となった今回の首位獲得ですが、ブルーノ・マーズにとっては2010年5月1日付でB.o.Bへの客演として「Nothin' On You」が首位を獲得して以来、通算8曲目のナンバーワンに。11年弱で8曲ものナンバーワン獲得はドレイク、ケイティ・ペリー、リアーナと並び最多となっています。また「Leave The Door Open」は登場5週目での頂点となり、マーク・ロンソンとの「Uptown Funk!」(2015年1月17日付以降、通算14週首位獲得)の8週目での首位到達という記録を上回っています。一方でアンダーソン・パークにとっては100位以内登場2曲目にして初の頂点に。これまではエミネムに客演参加した「Lock It Up」が昨年2月に89位を記録したのが最高となっています。
ブルーノ・マーズはアトランティック・レコード所属であり、マーク・ロンソンとの「Uptown Funk!」を除く7曲が同レーベル発(マーク・ロンソンはRCA所属)。アトランティック・レコードではフィル・コリンズが1984-1990年にソロで7曲の首位を記録しており、ブルーノ・マーズは肩を並べたことになります。なおフィル・コリンズは同じアトランティック・レコードよりジェネシスの一員として1986年に「Invisible Touch」を首位に送り込んでおり、これを含めればフィル・コリンズのアトランティック・レコードでの首位獲得数は8曲となります。
”Door”がタイトルに入った曲での首位獲得は「Leave The Door Open」が初。これまではクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)「Lookin' Out My Back Door」が1970年に2位を獲得したのが最高でした。その他にはニール・セダカ「Next Door To An Angel」(1962 5位)、ディーン・マーティン「The Door Is Still Open To My Heart」(1964 6位)、ピート・タウンゼント「Let My Love Open The Door」(1980 9位)がトップ10入りを果たしています。一方歌手名となると、ザ・ドアーズが「Light My Fire」(1967)、「Hello, I Love You」(1968)の2曲で首位を獲得。また”Silk”が歌手名に入った場合、R&Bグループのシルク(Silk)が「Freak Me」で1993年に首位の座に就いています。
リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」は2位に後退。ストリーミングは前週比19%ダウンの3810万となり同指標首位をキープ、ダウンロードは同31%ダウンの14500(同指標3位)、ラジオは同189%アップの320万(同指標50位未満)。デジタル2指標は急落を免れたと言えるもののラジオが伸びないことが大きなネックとなっています。また2週前に初登場で首位を獲得したジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」は1ランクダウンし今週3位に。ラジオが好調で前週比37%アップの3160万を獲得しています。
そのラジオでは今週もオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が首位をキープしています(前週比6%ダウンの6280万)。そしてその彼女による新曲がトップ10に初登場。
「Deja Vu」がストリーミング2030万(同指標4位)、ダウンロード7400(同指標7位)、ラジオ930万(同指標50位未満)を獲得し総合8位に初登場。デジタル2指標の集計期間直前となる4月1日木曜リリースゆえ発売日の数値が2指標に反映されないながらもトップ10に送り込んだ形です。ディズニープラスのドラマシリーズ発となるサウンドトラック『High School Musical: The Musical: The Series』から「All I Want」が最高90位を獲得した彼女ですが、正式な歌手デビュー後にデビュー曲および2曲目の作品が共に初登場でトップ10入りを果たしたのはオリヴィア・ロドリゴが初となります。
グローバルチャートではGlobal 200、Global Excl. U.S.共に3月13日付でトップ10入りを果たしていたマスクド・ウルフ「Astronaut In The Ocean」がアメリカでも遂に10位に到達しました。ストリーミングは前週比9%アップの1800万(同指標8位)、ダウンロードは同1%ダウンの12000(同指標4位)、ラジオは同26%アップの1550万(同指標50位)となっており、ラジオが低くないことからこの先ロングヒットすることも考えられます。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated April 17, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年4月12日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (3位) シルク・ソニック(ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク)「Leave The Door Open」
2位 (1位) リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」
3位 (2位) ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」
4位 (4位) カーディ・B「Up」
5位 (5位) オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」
6位 (6位) ザ・ウィークエンド「Save Your Tears」
7位 (7位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」
9位 (8位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」
10位 (12位) マスクド・ウルフ「Astronaut In The Ocean」
ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(9位)は、100位以内エントリーが今週遂に70週に到達しました。
昨年秋に新設されたグローバルチャート、その速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月17日付では、ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」がGlobal Excl. U.S.で首位をキープ、リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」がGlobal 200で初の首位を獲得しています。
.@LilNasX's "Montero" logs its first week atop the Billboard Global 200, while @justinbieber's "Peaches" spends a third week atop the Global Excl. U.S. chart.https://t.co/kW6TJEUYp2
— billboard (@billboard) 2021年4月12日
The Global 200 top 10 (chart dated April 17, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年4月12日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated April 17, 2021)
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年4月12日
2つのグローバルチャートで前週共に2位初登場だったリル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」がGlobal 200を制しました。ストリーミングは前週比12%アップの1億930万、ダウンロードは同24%ダウンの20000となっています。ストリーミングの1億超えはオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が今年1-2月に3週に渡って記録して以来となり、男性ソロ歌手ではバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」に次ぐ記録となりますが、男性ソロ且つ客演なし(完全ソロ)となると「Montero (Call Me By Your Name)」が初となります(なお、BTS「Life Goes On」が昨年12月5日付でマークした1億5250万がストリーミング最高記録となります)。また「Montero (Call Me By Your Name)」はGlobal Excl. U.S.で2位をキープしています。
ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」はGlobal 200で2位に後退した一方、Global Excl. U.S.では初登場から3週連続で首位をキープ。ストリーミングは前週比16%アップの6590万、ダウンロードは同26%アップの7500を獲得しています。
シルク・ソニック「Leave The Door Open」はGlobal 200で1ランクアップし3位、Global Excl. U.S.では5位をキープしています。グローバルチャートはラジオ指標を含まないためラジオに強い「Leave The Door Open」が不利に、ラジオに弱い「Montero (Call Me By Your Name)」が有利となります。
オリヴィア・ロドリゴ「Deja Vu」がGlobal 200で8位に初登場。ストリーミング4090万、ダウンロード9600を獲得しました。
BTSの日本語曲「Film out」がGlobal 200で5位、Global Excl. U.S.で3位に登場しました。日本時間の4月2日金曜にリリースされたものの、解禁時間の関係もあってか4月1日までを集計期間とする4月10日付グローバルチャートでカウントされ、Global 200ではストリーミング1630万およびダウンロード2400を、Global Excl. U.S.ではストリーミング1500万およびダウンロード2400を獲得し、後者においては185位に初登場を果たしていました。なお、米ビルボードの記事ではリリースが4月1日と記されています。
ゆえに初の1週間フルカウントとなった今週、「Film out」はGlobal 200でストリーミング4720万およびダウンロード66000を獲得し5位に初登場、Global Excl. U.S.ではストリーミング4430万およびダウンロード47000を獲得し3位にジャンプアップを果たしました。Global Excl. U.S.における182ランクものジャンプアップは、IU「Celebrity」の2月13日付における146ランク(190→44位)を上回り最高記録を更新しています。
Global 200におけるBTSのトップ10入りは5曲目となり、うち3曲が首位を獲得。また全編日本語でのGlobal 200におけるトップ10入りはLiSA「炎」(2020年10月 最高8位)以来2曲目となり、トップ5入りは初となります。なお「Film out」は米ビルボードソングスチャートでもダウンロード指標を制し、総合81位に初登場を果たしています。
.@BTS_twt's "Film Out" debuts at No. 81 on this week's #Hot100.
— billboard charts (@billboardcharts) 2021年4月12日