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リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」が米制覇&グローバル2位発進…4月10日付米ビルボードソングスチャートおよびグローバルチャートをチェック

ビルボードソングスチャート、現地時間の4月5日月曜に発表された最新4月10日付ソングスチャート(Hot 100)。前週初登場で首位を獲得したジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」は2位へ後退、リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」が初登場で首位の座に就きました。

リル・ナズ・Xにとっての首位獲得は、一昨年に史上最長となる19週首位を獲得したビリー・レイ・サイラスとの「Old Town Road」以来2曲目。今回の曲については同時期に発売したシューズの問題、および同性愛への言及に対し批判や非難が寄せられていることは4日前にこのブログで記した通りです。

諸問題(ただし曲における同性愛表現は問題ではないというのが個人的な見解ですが)が「Montero (Call Me By Your Name)」への注目度を高めさせたと言ってよいでしょう、ストリーミングは4690万を獲得し同指標首位、ダウンロードは21000で同指標2位とデジタルに強い結果に。一方でラジオは110万となり同指標50位未満となっています。今回の曲にはオリジナルバージョンのほか、"Satan's Extended"バージョン、そして"But Lil Nas X Is Silent the Entire Time"と称したインストゥルメンタルバージョンの3つが用意され、いずれも69セントで販売されていたこともダウンロード上昇の要因と言えます。「Montero (Call Me By Your Name)」はリル・ナズ・Xにとって5曲目の100位以内エントリー、トップ10ヒットには「Old Town Road」のほか、「Panini」(2019 5位)があります。

"Montero"はリル・ナズ・Xの本名、モンテロ・ラマー・ヒルから採ったもの。歌手の名前を用いたナンバーワンヒットは昨年5月9日付でトラヴィス・スコットとキッド・カディによるユニット、ザ・スコッツによる「The Scotts」が首位を獲得して以来。このザ・スコッツもふたりの本名から来ているものです(キッド・カディの本名はスコット・ラモーン・セグロ・メスカディ)。

4月2日付のブログエントリーで、リル・ナズ・Xを一発屋と決めつけるのは早計と書きましたが、今回の首位獲得後、リル・ナズ・Xは一発屋と決めつけられていたことを語っています。

 

前週首位を獲得したジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」は2位へ後退。ストリーミングは前週比12%ダウンの2710万(同指標2位)、ダウンロードは同31%ダウンの11000(同指標7位)、ラジオは同92%アップの2320万(同指標35位)。登場2週目はダウンロードが前週から5割以上下がることが通例であり、3割ちょっとのダウンにとどめた「Peaches」の人気がよく解ります。 

前週から2ランクダウンし8位となったザ・ウィークエンド「Blinding Lights」は今週トップ10入りが56週目、そしてソングスチャート100位以内のエントリーが69週目となり、後者ではリアン・ライムス「How Do I Live」(1997)と並び歴代4位タイとなりました。ジェイソン・ムラーズ「I'm Yours」(2008)の76週、エイウォルネイション「Sail」(2010)の79週、そしてイマジン・ドラゴンズ「Radioactive」(2012)の87週が立ちはだかっています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」

2位 (1位) ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」

3位 (3位) シルク・ソニック(ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク)「Leave The Door Open」

4位 (2位) カーディ・B「Up」

5位 (4位) オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」

6位 (5位) ザ・ウィークエンド「Save Your Tears」

7位 (7位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」

8位 (6位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

9位 (10位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

10位 (9位) ポップ・スモーク「What You Know Bout Love」

ラジオの首位は引き続きオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」(総合5位)がキープするも、前週比3%ダウンの6820万となっています。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート、その速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月10日付では、ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」が双方のチャートで2連覇を達成。リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」は両チャートで2位に初登場を果たしています。

ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」はGlobal 200においてストリーミングが前週とほぼ変わらず8310万、ダウンロードが同19%ダウンの17000を獲得し、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比8%アップの5690万、ダウンロードが同7%アップの6000となっています。また両方のチャートでリル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」が2位に初登場を果たしました。

 

 

今週はグローバルチャートにおいて特に大きな動きがなかった今週。さて来週はリル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」の米ビルボードソングスチャートでの2連覇なるかが焦点。オリヴィア・ロドリゴの新曲が初登場予定であり、またシルク・ソニック「Leave The Door Open」がライブバージョン加算でどこまで伸びるか注目しましょう。