イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】ザ・ウィークエンドとアリアナ・グランデ、米で共に6曲目の首位

ビルボードソングスチャート、現地時間の5月3日月曜に発表された最新5月8日付ソングスチャート(Hot 100)。ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」が初の首位を獲得しました。アリアナ参加版のリミックスバージョンが4月23日金曜にリリースされたことが大きな原動力となりました。

最新チャートの集計期間はストリーミングおよびダウンロードが4月23日金曜から、ラジオが26日月曜からとなり、今回はリミックスバージョンがフル加算されて首位に到達。また「Save Your Tears」の獲得ポイント全体においてアリアナ・グランデ参加版が多数派となったことから、クレジットも両名併記となっています。

「Save Your Tears」はストリーミングが前週比111%アップの3040万(同指標2位)、ダウンロードが同265%アップの18000(同指標1位)、ラジオが同5%アップの6730万(同指標2位)となり、3指標2位以内となっています。

 

ザ・ウィークエンドは6曲目の首位を獲得。昨年リリースのアルバム『After Hours』から3曲以上の首位獲得曲が登場した作品は「God's Plan」「Nice For What」および「In My Feelings」を輩出したドレイク『Scorpion』(2018)以来となります。

『After Hours』は2020年代で初となる3曲以上首位獲得曲を収録したアルバムとなりましたが、2010年代はケイティ・ペリーTeenage Dream』(2010 5曲)を皮切りに、リアーナ『Loud』、アデル『21』、テイラー・スウィフト『1989』、ジャスティン・ビーバー『Purpose』が獲得しています。

『After Hours』の偉業は他にも。「Heartless」「Blinding Lights」そして「Save Your Tears」はそれぞれ2019、2020、2021年に首位を獲得。アルバム収録曲が3年に渡って首位を獲得したのはジャネット・ジャクソンJanet Jackson's Rhythm Nation 1814』(1989)以来となります(「Miss You Much」が1989年、「Escapade」「Black Cat」が1990年、「Love Will Never Do (Without You)」が1991年に首位を獲得)。

またカナダ出身のザ・ウィークエンドは今回の6曲目の首位獲得により、ドレイク(8曲)、ジャスティン・ビーバー(7曲)にあと一歩に迫っています。

 

アリアナ・グランデにとっても「Save Your Tears」が6曲目の首位獲得。面白いのは「Save Your Tears」が初登場以外での首位獲得曲となり、アリアナにとって初となりました。

アリアナ・グランデの首位獲得曲のうち、3曲がデュエットによるもの。「Save Your Tears」はジャスティン・ビーバーとの「Stuck With U」、レディー・ガガとの「Rain On Me」(共に2020)に次ぐ記録となりましたが、これはリンダ・マッカートニーとの「Uncle Albert/Admiral Halsey」(1971)、スティーヴィー・ワンダーとの「Ebony And Ivory」(1982)そしてマイケル・ジャクソンとの「Say Say Say」(1983-1984)を首位に送り込んだポール・マッカトニー以来となります。

 

「Save Your Tears」はプロデュースおよびソングライティングを担当したマックス・マーティンにとっても大記録に。プロデューサーとして22曲目、ソングライターとして24曲目の首位に輝きました。プロデューサーとしてはジョージ・マーティンの23曲にあとひとつと迫り、ソングライターとしてはポール・マッカトニー(32曲)、ジョン・レノン(26曲)に次ぐ記録となっています。初のキャリア1位がブリトニー・スピアーズ「…Baby One More Time」(1999年1月30日付)だったマックス・マーティンにとって、今回の首位獲得は「Blinding Lights」以来となります。以下はマックス・マーティン関連の首位獲得曲。

 

リミックスバージョン加算の結果ゆえと言えますが、「Save Your Tears」はソングスチャート登場20週目で首位を獲得したことに。これはハリー・スタイルズ「Watermelon Sugar」が昨年8月に20週目でトップを獲得した以来の記録となります。「Save Your Tears」は『After Hours』が初登場で首位を獲得した2020年4月4日付で41位に初登場。その後100位圏外となるものの、ミュージックビデオが今年1月5日に公開されたことで1月9日付にてカムバックを果たし、今回の首位獲得に至っています。

 

2位はブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるシルク・ソニック「Leave The Door Open」がキープ。ラジオは前週比8%アップの7700万を獲得し同指標3週目の首位を獲得しています。この指標ではジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」(総合3位)が5週連続でトップエアプレイゲイナーに輝き、今週は前週比21%アップとなる6150万を獲得しています。

ストリーミングのトップは前週まで総合2連覇を成し遂げたポロG「Rapstar」(総合4位)が獲得しています(前週比14%ダウンの3450万)。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (6位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」

2位 (2位) シルク・ソニック(ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク)「Leave The Door Open」

3位 (3位) ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」

4位 (1位) ポロG「Rapstar」

5位 (5位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」

6位 (8位) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」

7位 (4位) リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」

8位 (7位) マスクド・ウルフ「Astronaut In The Ocean」

9位 (9位) カーディ・B「Up」

10位 (10位) オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」

今週アルバムチャートを制したのはマネーバッグ・ヨー『A Gangsta's Pain』。同作からは9曲が今週のソングスチャートに登場しています。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート、その速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。5月8日付ではザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」がGlobal 200で、リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」がGlobal Excl. U.S.でそれぞれ首位を獲得しています。

ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」はGlobal 200で8ランクアップし首位に到達。グローバルチャートはストリーミング、ダウンロードが共に金曜集計開始となり、金曜にリリースされたリミックスバージョンが大きく反映。ストリーミングは前週比118%アップの9450万、ダウンロードは同205%アップの29600を獲得しています。ザ・ウィークエンドはGlobal 200初制覇、アリアにとっては「Positions」以来2曲目の首位獲得となり、また男女デュエット曲では初の首位曲となりました。「Save Your Tears」はGlobal Excl. U.S.では4ランクアップし2位に。ストリーミングは前週比112%アップの6640万、ダウンロードは同143%アップの11600を獲得しています。

Global Excl. U.S.を制したのはリル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」。初登場から4週連続で2位だったこの曲が遂に制した形です。ストリーミングは前週比3%アップの7170万、ダウンロードは同15%ダウンの3300となっています。この曲はGlobal 200では前週まで3週首位を獲得していましたが、「Save Your Tears」に追い抜かれ2位に後退しています。

ゲラMX(ジェラと表記する可能性もあります) & クリスチャン・ノーダル「Botella Tras Botella」がGlobal 200で9位、Global Excl. U.S.で4位に初登場。Global 200ではストリーミング7950万、ダウンロード3600、Global Excl. U.S.ではストリーミング6960万、ダウンロード1200を獲得しています。メキシコの2組にとって、双方のグローバルチャートで初めてトップ10入りしたことになります。