イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2021年2月の私的トップ10ソングス、選びました

昨年1月からはじめている【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2021年2月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス、および2020年上・下半期の邦楽ベストソングスについてはこちらに。ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinとなっています。

10位 ヴォイセズ・オブ・ファイア「Hit The Refresh」 

 

9位 SIRUP「Overnight」

 

8位 ヴィクトリア・モネイ「F.U.C.K.」

 

7位 Salyu「Taxi」

 

6位 シェリー(FKA DRAM)「Exposure」

 

5位 緑黄色社会LADYBUG

(上記は"THE FIRST TAKE FES vol.2"映像)

 

4位 ドーン・リチャード「Bussifame」

 

3位 星野源「創造」

 

2位 冨田ラボ「MIXTAPE」

 

1位 Awesome City Club「勿忘」

大ヒット映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソング。映画の素晴らしさは様々なところで語られているので省略しますが、映像作品から生まれた"インスパイアソング"がヒットしたことは今後の音楽業界にとって新たな鉱脈になるものと考えます。

またこのライブ映像を見る限り、ボーカルのふたりは決して目線を合わせることはなく、その姿が相手を思いやりながらもそれぞれの未来を進むという曲の世界観、そして映画の余韻をもより立体的に魅せることに成功していると思うのです。別れの場面を切り取ったデュエットソングもありますがここまで目線を合わせないのは珍しく、デュエットの体をなしていながら新しいスタイルをもたらした点においても見事です。

また、特に弦楽の音が際立って聴こえ、主人公の感情がこれでもかというほど押し寄せてきます。しかもサブスクで他の曲と続けて聴くと、「勿忘」のボリュームの大きさが際立って感じられるのです。これは以前『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ)で特集された今の時代ならではのミックスではないでしょうか。

チャート面ではラジオ指標が高いことが、近年のブレイク曲と異なる点であることは以前記載しました。ラジオという唯一の受動態接触指標がこの曲により大きな出会いをもたらしたものと捉えています。

インスパイアソングという新定番、デュエットソングの新たなスタイル、新時代のミックス、ラジオ発ヒットと映画の口コミとの関係…ラジオにおいては以前からあった形の復刻と言えるでしょうが、「勿忘」は様々な"新しさ"をもたらしてくれたと思うのです。

 

 

以下、次点として10曲。

・ØMI「ANSWER...SHADOW」

・DURDN「捨てたらいい」

・どんぐりず「E-jan」

・向井太一「BABY CAKES」

・D・スモーク & E-40「Dreams」

ジョイス・ライス feat. フレディ・ギブス「On One」

・リオン・ブリッジズ & キート・ヤング「Like A Ship」

・ミシェル「FYO」

・ロシェル・ジョーダン「All Along」

・SGルイス「Fall」

ジョイス・ライスもヴィクトリア・モネイ「F.U.C.K.」と同じDマイルによる仕事。ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるユニット、シルク・ソニックによる「Leave The Door Open」の素晴らしさはリリース日に様々な方が呟かれていましたが、Dマイルについてはもっともっと取り上げられないといけないと強く思います。

また、登坂広臣さんことØMI「ANSWER...SHADOW」は、LDHグループのアグレッシブな姿勢を感じるに十分。1月のランキングでBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「Animal」を8位に選んだこともあり、今のLDHにはきちんと注目していかなければと思った次第です(1月のランキングはこちら)。

 

 

実は1曲、2月のトップ10クラスと捉えている作品があったのですが、サブスク未解禁であり下記プレイリストに掲載できないため、紹介を控えさせていただきます。サブスクをメインで利用するユーザーには、サブスク未解禁の歌手は半ば存在しないことになるわけで、それは激しく機会損失ではないかと思うのです。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。