イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

オリコン年間ランキングから見える、ビルボードジャパンとの大きな差 (2020年度版)

オリコンの年間ランキングが本日発表されました。

それぞれの記事は以下に。

 

さて、このブログでは昨年このようなエントリーを記載しました。

ここで取り上げたオリコンビルボードジャパンとの差が、今年はさらに明確になっている印象があります。

 

基軸となるのは【オリコンは売上重視】という姿勢。冒頭に紹介した記事(こちらでも確認可能)でのサムネイル(表紙)画像は、シングルおよびアルバムランキングよりもアーティスト別セールスランキングを最上位に掲載。この姿勢は昨年、一昨年も変わっていません。またこの記事では、オリコンが2019年度からはじめた合算ランキング(シングルおよびアルバム)がフィジカルセールス、ダウンロード、ストリーミングの次に記載されています。オリコン合算シングルランキングはフィジカルセールスに強い曲が上位を占める計算方法となっており、その点でも複合指標に基づくビルボードジャパンソングスチャートと大きく異なります。オリコン合算シングルランキングが始まってから間もなく、下記ののような厳しい私見を申し上げましたが、オリコンの姿勢は未だに変わりません。

 

オリコンビルボードジャパンの大きな差は、【SixTONESSnow Manのファーストシングルを合算】する姿勢にはっきり表れています。もう一組のシングル表題曲をカップリング曲として収録したことによりオリコンは二組のデビュー曲を合算、一方でビルボードジャパンは別々としました。これは売上重視か楽曲重視かというスタンスの確たる証拠であり、日本レコード協会が「Imitation Rain」「D.D.」を収めた二組のシングルを1月のリリース直後にミリオンセールスと認定していることからも(こちらより確認可能)、オリコンはやはり売上重視側と言えます。この件について、自分は様々な面からビルボードジャパンの見方を強く支持していますし、今もそのスタンスは変わりません。

このような件もあるゆえ、尚の事です。

合算シングル部門では「Imitation Rain」「D.D.」がダブルAサイド的な形で年間ランキングを制していますが、仮にデジタルリリースされていたならば2曲分のポイントが合算されるという奇妙な事態が発生したわけです。デジタルリリースがなかったためそのような指摘を免れていますが、明らかにおかしいということをオリコンが自問自答していないのならばあまりに問題です。

 

この合算シングルランキングにおける矛盾を、仮にオリコン側が気付いていながら敢えてスルーしていたならば尚の事問題です。その場合、ともすれば合算の前提にオリコンの【特定芸能事務所を厚遇する姿勢】があるのかもしれません。その姿勢は今朝のツイートからも浮かび上がります。

様々なランキングで年間1位を獲得した歌手をハッシュタグ化するならば、(#ジャニーズ ではなく)#ジャニーズJr.がないのはおかしいはずです。しかも #ジャニーズ の記載場所が歌手名の並びではなく #オリコン の次になっていることから、オリコンジャニーズ事務所が自身のランキングを総括するのに重要な歌手の集団であるという認識を抱いていると思うのです。これはさすがに想像が過ぎるかもしれませんが、以前雑誌『オリ★スタ』(現在は休刊)におけるオリコンジャニーズ事務所との親密さを指摘したことがあり、根幹となる考えは今も変わっていないのではと感じています。

 

5年前のブログエントリーは今以上にブログでの表現がきつかったため、”公式チャートではないと断言”してしまいましたが、しかし、オリコンビルボードジャパンのどちらが社会的なヒットの鑑となっているかは、双方の今年の年間チャートを見れば明らかです。

サンプルデータは不明ながら、先月放送の『ミュージックステーション』で発表された今年の1曲ランキングをみれば、尚の事実感できるでしょう。