イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2020年4月の私的トップ10ソングス+α、選出しました

1月からはじめた【私的トップ10ソングス+α】企画。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くして、今月も選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。過去の私的トップ10ソングスについてはこちらをご参照ください。

 

10位 The 1975「If You're Too Shy (Let Me Know)」

1980年代の音を現代にアップデートするのがムーブメントの中、AメロBメロサビのメロディが高レベルのきらびやかさでアレンジに負けないところが見事。既に日本で大人気になっているバンドですが、なるほどこのようなキャッチーさが愛される所以ですね。

 

9位 ポルカドットスティングレイ「JET」

ノーイントロの曲で重要なのは最初の数秒。歌声と楽器でどれだけ惹き付けるかではないかと思いますが、「JET」における雫さんの可愛らしさと説得力(きちんと一音一音を置くというか)を併せ持った歌声、そしてギターが持ち合わせるファンクネスに魅了されます。全体的に、声そしてひとつひとつの楽器がきちんと立ち上がっていて心地よいですね。

 

8位 Mighty Crown feat. Super Criss「Stay Together」

まさかこの現在の状況を見越してなのかと思うほどキャッチーなタイトル。昨年RHYMESTER「予定は未定で。」を手掛けたMighty Crownによるこれからの季節にぴったりなレゲエチューン。

 

7位 ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「Savage (Remix)」

最新5月9日付米ビルボードソングスチャートで初のトップ10入りを果たしたミーガン・ジー・スタリオンによるナンバー。トラックやミーガンの声の格好良さもさることながら、ビヨンセが加わることでさらなる彩りや攻めの姿勢が生まれ、より逞しくなっているのが見事。ビヨンセの客演はそこまで多くないと思うのですが、その存在感たるや見事。

 

6位 Official髭男dism「パラボラ」

もはや現代日本のポップス職人と言っても過言ではないOfficial髭男dismによる、春の始まりにふさわしい清涼飲料水CMソング。この曲もサブスクでヒットしながら、サブスクヒットの定形とは異なる長尺(5分強)となっており、その点だけを見ても曲の展開やアレンジにこだわる彼らの姿勢が見て取れるようです。

 

5位 常田大希「COMPILE III」

King Gnu、millennium paradeの常田大希さんによるチェロの独奏。昨年冬のイベントで生演奏された曲が配信化。ヒリヒリするチェロの音色、そして常田さんの息遣いが刺さります。

 

4位 トロイ・シヴァン「Take Yourself Home」

質感からチャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」(2018)を想起したのは自分だけでしょうか。新型コロナウイルスが蔓延る世界の状況を受けて前倒しでリリースしたというこの曲、歌い終わった後の40秒程のアウトロ(そしてそれに呼応するリリックビデオ)が今の息苦しさを思わせてくれます。それにしても椎名林檎さんといいこの曲といい、最近印象的なアウトロが増えている気がしますね。

 

3位 トゥエニーワン・サヴェジ feat. サマー・ウォーカー「Secret」

これはズルいです。自分が大好きな、そして昨秋ブログで紹介したエクスケイプ「My Little Secret」(1998)を大胆に使用し、サマー・ウォーカーにメロディをなぞらせているのですから…これには抗えません。ブログについてはこちらに。

 

2位 藤井風「優しさ」

自分がスタッフの一員を務めるラジオ番組、『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)で大学生DJしょうごくんが一押ししていたのが藤井風さん。ソウルを基調とし、艶のある声でしかし変な?タイトルの曲で評判となっていたことは知っていましたが、先月配信されたこの曲の、とりわけアレンジの切迫感にはひれ伏すばかり。アレンジはこれまでに聴いたことないタイプだと思うのですが、3位の元ネタであるエクスケイプとの流れで聴くと自然につながる気がします。

 

1位 millennium parade「Fly with me」

5位で取り上げた常田大希さんのソロプロジェクト曲が先月の1位。ミュージックビデオの完成度の高さも押し上げた一因ですが、サビの10拍子というトリッキーな構成、サビ始まりに鳴るブラスの力強さがとにかく格好良く、さらに最後のサビ後半でブラスの刻み方が溜める形に変化するとそのサビのメロディを4拍子で歌い直すというのが技あり過ぎ。そこからAメロの変形に戻る…これには本当に感動しました。

 

以下、次点として10曲。

クラムボン「夜見人知らず」

・TENDRE「LIFE」

三浦透子「おちつけ」

・アント・サンダース「Miscommunications」

・ブルーノ・メジャー「Old Soul」

・dvsn feat. ブジュ・バントン & タイ・ダラー・サイン「Dangerous City」

・GZティアン「Tokyo Girl」

・オスカー・ジェローム feat. ブラザー・ポートレイト「Your Saint」

・SGルイス「Chemicals」

・イェジ「When I Grow Up」

クラムボンがいい意味でPerfumeを思わせたり、三浦透子さんへの仕事共々TENDREが良かったりと素晴らしい作品が多かった4月。しかしながら新型コロナウイルスの影響で発表を延期した作品も少なくないことから、今後どうなっていくのかが気掛かりです。 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出会えることを願っています。