イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

フラゲ日が前週末になるのは不利? その理由をチャート動向から解く

水曜に発表された、ビルボードジャパン5月13日付各種チャート。アルバムチャートはback number『MAGIC』が4週ぶり、通算3週目の首位の座に就きました。

『MAGIC』を牽引したのはルックアップ指標。

注目は、『PC等によるCD読み取り回数を示すルックアップ指標で初登場以来最多となるポイントを記録』したこと(『』内は上記記事より)。17万枚以上を売り上げたアルバムCDセールス指標初加算時よりも今週のほうがルックアップが多い理由は、おそらくCDレンタルで音源を手に入れた方が多かったため。今週ソングスチャートを制したあいみょんマリーゴールド」(31→21位)や2位の米津玄師「Lemon」(4→2位)、8位のFoorin「パプリカ」(9→7位)等も(回数自体は下回っているかもしれませんが)ルックアップで順位を上げており、連休中にレンタルを利用した方が増えたものと思われます。

さて、アルバムチャートでは注目すべき出来事が。

f:id:face_urbansoul:20190510055929p:image

発売日は集計期間中の4月30日火曜ゆえ、本来ならば今週チャート構成3指標すべてが初登場となるはずですが、連休前に店舗側が販売を開始したことでルックアップだけが前週と今週に分かれたものと考えられます。ゴールデンボンバー「令和」が一般発売に先駆けて一部店舗でシングルCDを先行発売した際、チャート上ではシングルCDセールスが一般販売時に合算された一方でルックアップは2週に分かれたことがありましたが、今回もそのような形式となっています。

アルバムCDセールス指標は首位に立ったものの、デジタルダウンロード20位、そしてルックアップは前週と今週とに分かれたことも影響しているのでしょうが2週続けて100位未満(300位以内)というのはさすがに低すぎるのでは…という印象を抱きます。せめてフラゲ日を発売前日の4月29日月曜(集計期間初日)にしていたならばルックアップが分かれずに済み、順位が変わった可能性があったかもしれません。

 

ちなみに、今後フラゲ日が前週に設けられる可能性がある作品は、椎名林檎さんの4年半ぶりとなるオリジナルアルバム『三毒史』(5月27日月曜発売)。ファーストシングル「幸福論」をリリースしてからちょうど21年後の同日に発売日を設定しているのですが、月曜発売ゆえフラゲ日が設定されるならば週末に。自分は近隣店舗で予約したのですが、後日連絡が。

仮に全店舗でフラゲ日を設けないよう椎名林檎さん側から通達され、全店舗がそれを守れば、チャートにおいてルックアップの分断がなくなり、初週より強力なスタートを切ることは可能です。今回取り上げたEXILE ATSUSHIさんのアルバムのチャートアクションを踏まえれば、実際の発売日を徹底することはチャートで有利になるゆえ必要な措置かもしれません。