ジャネ本、リリースへ。
10ヶ月ほど前に決心した #ジャネ本 「ジャネット・ジャクソンと80'sディーバたち」星海社新書。マイケルの誕生日にあとがきを書き、最終ゲラを編集者に渡すことになるとは。何かに導かれている気がしてしまう…。9月21日発売。 pic.twitter.com/o0HlRci5Dm
— 西寺郷太 (@Gota_NonaReeves) 2016年8月28日
マイケル・ジャクソンやプリンス、「We Are The World」等についての新書が好評な、NONA REEVES西寺郷太氏の新たな書きおろしがジャネットと知ってなんだか納得。楽しみです。
ジャネットについては昨年の今頃、突如リリースされた「No Sleeep」に興奮を隠し切れない自分がいました。
「No Sleeep」が先行シングルとなった昨年のアルバム『Unbreakable』で、プロデューサーチームのジャム&ルイスと久々にタッグを組んだジャネット。作品を聴いて、”そうそうこれこそジャネットの音!”と思わずにはいられませんでした。1986年の『Control』以降しばらく、このジャネット×ジャム&ルイスの作品群が世界中を席巻したことは御存じの方も多いことでしょうし、その影響力の強さは今年春のR&B本でも確認出来ます。
上記書籍は、マイケルおよびジャネットの影響を受けた海外R&Bの作品群を紹介していますが、邦楽でもジャネットの影響を受けた作品は少なくない気がしており、今日はいくつか紹介していきたいと思います。
●渡辺美里「POSITIVE DANCE」(from『tokyo』(1990))
←「Rhythm Nation」(from『Rhythm Nation 1814』(1989))
ジャネットより先に「POSITIVE DANCE」を知ったのですが、そのサイバーな音に格好良さを感じたものです。出だしの”Dance”の掛け声からしてリズムネイションの掛け声を彷彿。そしてライブ映像...衣装もダンスも!という感じですね。
(このコンサート映像、おそらく1991年のLuckyツアーのものではないかと。青森公演を観に行ったことを思い出し、感慨に浸りまくりです。)
それにしても「Rhythm Nation」の 影響力の強さは今思えば凄かったなと。バラエティ番組においても『新春かくし芸大会』では和田アキ子さんが再現、またとんねるずは『みなさんのおかげです』(共にフジテレビ系)でネタとしてトレースしていたくらい。それだけミュージックビデオの衝撃が強かったといっていいでしょう。
●ANRI「Sweet Emotion (Remix Version)」(from『NEUTRAL』(1991))
←「Miss You Much」(from『Rhythm Nation 1814』(1989))
1991年春の化粧品CMソングに用いられた同曲がアルバム収録にあたって出だしからジャネット的シンセ全開にリミックス。
そういえば今もそうなのですが、先行シングルがアルバム収録されるときにシングルのまま収録されないのってどうなんでしょう。アルバム用に変えたという音楽家の思いも解りますが、どちらかといえばむしろ、シングルも買ってもらうための施策だと考えてしまうのは自分がひねくれているのでしょうか。
●宇多田ヒカル「Movin' on without you」(from『First Love』(1999))
←「if」(from『janet.』(1993))
ギターが印象的なアップですが「if」ほどではなく、ここで踏襲しているのはAメロの、低音ではじまり後半で駆け上がっていく音階。
●BENNIE K「Dreamland」(from『Japana-rhythm』(2005))
←「Just A Little While」(from『Damita Jo』(2004))
イントロからしてモロだったりするのですが、ここで踏襲されている「Just...」を含むアルバム『Damita Jo』は”半”ジャム&ルイス体制であり、先行シングルとなった同曲はダラス・オースティンによるプロデュース。この曲のチャートアクションが振るわなかった(全米)ことを踏まえるに、『Damita Jo』および「Just A Little While」がチャート的にも転換点だったと言えるかもしれません。一方「Just...」は日本のラジオで非常に多く流れていた記憶もありますし、「Dreamland」はBENNIE Kの代表曲といるというのはなんだか不思議です。
●DOUBLE & 安室奈美恵「BLACK DIAMOND」(from『THE BEST COLLABORATIONS』(2008))
←「Feedback」(from『Discipline』(2008))
以前も書いたのですが、女怪盗がテーマとなったビデオもクールな「BLACK...」がサビ等で踏襲するのは、ジャム&ルイスが一切関わらなくなった『Discipline』(2008)からの先行曲(プロデュースはロドニー・ジャーキンス)。一切関わっていないながら、特にコーラスの重ね方に往年のジャム&ルイスらしさがにじみ出ており、個人的にも気に入っているアルバムです。
その他、カバーではあるものの、やはり島谷ひとみ「パピヨン~papillon~」(from『PAPILLON』(2001))は紹介しないといけませんね。全米1位曲「Doesn't Really Matter」(2000 翌年のアルバム『All For You』収録)をなぜあんな歌詞に出来るんだ...と思った方はきっと多いはずですが、訳した(?)のが康珍化氏...郷ひろみ「GOLDFINGER '99」という前例があるのですから納得せざるを得ません。カバーだけどオリジナルと結構異なっているという点でこの曲も入れさせていただきます。
他にもあれば紹介していきますが、まだまだありそうな気がしてなりません。