イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

首都圏ラジオ局、10月度聴取率調査の結果を踏まえての私見

遅ればせながら、首都圏ラジオ局の10月度聴取率調査の結果について私見を述べてみます。

 

今期もTBSラジオが圧倒的な強さを見せつけました。

そしてその点も含め、ブログ【近日出荷-キンジツシュッカ-】さんが聴取率情報を網羅し分析しております。まとめ方が素晴らしく、且つ見やすいので是非ご覧ください。

(勝手ながら取り上げさせていただきました。問題があれば削除させていただきます。)

 

 

さて、今回の結果について個人的な見方を2つほど書かせていただくならば。

 

① 数字を落とした『たまむすび』の”通常シフト”は実は成功ではないか

15分毎の最高聴取率ランキングにて、『たまむすび』(TBSラジオ 月-金曜13時)が前回8月より数字を落としています。

この数字の落ち込み幅がどのくらいなのかは解りかねます(し、平均聴取率がいくらかも現在では見えてきません)が、注目すべき点は、今回のスペシャルウィーク用に豪華ゲストを用意しなかったこと。ゲストといえば火曜山里亮太さんの母親、および金曜の漫画家、東陽片岡さんくらいでしょうか。八代亜紀さん等は通常のゲストコーナー枠への出演ですのであくまで通常シフト。これがその前の8月になると、月曜木梨憲武さん、火曜加藤浩次さん、水曜早見優さん(と、当初予定していなかった藤井隆さん)、金曜に交通キャスターの加藤奈央さんと楠葉絵美さんが通常のゲストコーナー枠ではないところに”足される”形で出演。完全にプラスαの体制でした。

個人的には”足される”ことに実は違和感を感じています。特に木梨憲武さん登場時における、進行を平然と壊す姿勢にはいくら大物だとしても感心出来ませんでした。壊されることが予め決まっていたのかもしれませんし、こちらの好き嫌いの問題と言われればそれまでですが、”通常の『たまむすび』が面白いのに!”と思う人は自分だけでしょうか。そんな中で久々の企画、”部活かけ声テレフォン”をゲストなしで実施した8月木曜の爆発力は楽しかったですね。通常コーナーの代わりではありますが、ゲストを足すことに頼らない姿勢が好かったかと。

今回の数字が大幅に下がっていなかったならば、”豪華ゲストに頼る”というところから離れ、”通常シフトに徹してみる”のもいいのではないかと思うのですが。というか、どの局もどの番組も未だ、豪華ゲストに頼りすぎゆえ、一度聴取率対策をしていない週にビデオリサーチが抜き打ち調査を実施するのが個人的な理想。手帳方式というアナログ調査のビデオリサーチが動かずともデジタルであるradikoの数字ならば即座に出せると思うのです。

 

さて、テレビにおいては、視聴率における”タイムシフト測定”という方法がこの秋導入されかなり話題になっているように感じます(詳細は関東地区テレビ視聴率調査の仕様変更 タイムシフト測定の考え方と新指標について | ビデオリサーチ(9月23日付)より)。一方ラジオについては既にradikoタイムシフト聴取機能を開始していますが数値の発表はありません。ただ、今月のニッポン放送の定例社長会見にて『ラジオ全体の聴取率というのは上がっていますから。昨年の12月から相当上がっています』と言及、ワイドFMやradikoの影響があると示唆しています(『』内は星野源のANNも人気、ラジコのタイムフリー・シェア機能がラジオ改革/芸能/デイリースポーツ online(11月13日付)より)。ラジオはテレビよりも早く地域や時間の制約をradikoの各機能によって取り払うことに成功していますが、テレビがタイムシフト測定を開始したことにより、ラジオの聴取率調査に時代遅れ感が生じたと感じる人は増えているのではないでしょうか。従来の手帳方式プラスradikoタイムシフト聴取という複合指標で聴取率を多角的に調査・開示することがラジオ業界の風通しの好さをアピール出来るという意味でも必要ではないかと。その場合はビデオリサーチとradikoの相互協力が必要ではありますが、是非前向きに検討していただきたいものです。

 

 

J-WAVEの回復は本物か

前回8月より0.1ポイント増加し0.7%に。そして今年2月以来久々にTOKYO FMに並びました。今回の結果を持って”回復基調”と捉えるか否かは人それぞれでしょうが、個人的には次回12月の結果を持って判断したいと考えています。

10月は番組改編期であり、今期のJ-WAVEは月-木曜23時30分の帯や、金曜11時30分の大型ワイドなど大幅な改編を断行しました。これら新番組が開始間もない時期、特に10月は試し聴き期間と捉えるリスナーが少なくないでしょう。今後も聴き続けるかどうかの判断を下す時期という意味です。

ラジオ局の大型改編といえば10月および4月ですが、今年4月にJ-WAVEは土曜12時のワイド等を改編、その月の聴取率はそれまで同様0.7%でしたが、翌6月には0.2ポイントも落としてしまったのです。

これは改編の”失敗”が大きく響いている気がします。試し聴きの結果前番組より面白くなくなったとして離れたリスナーが増えたのではないでしょうか。そう考えれば、8月に0.1ポイント改善しているとはいえどこの秋改編で開始半年の番組にテコ入れを施す必要があったと思うのですが...流石に半年でのリニューアルはプライドが許さなかったのかもしれませんね。ならば局として採用した人材をきちんと育てることも責任を負う一種の方法でしょう。何度も引用するようで申し訳ないのですが、どうしても今年春の土曜12時ワイド改編の”改悪”が未だに拭えない自分がいます。

 

話がやや逸れてしまいましたが、今年の春改編後3ヶ月目の聴取率が0.2ポイント減という結果があるわけで、今回も12月の結果を待って、判断してみたいと思います。