イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

聴取率調査結果の報道姿勢は変わらず…日本のラジオ業界に対する違和感を再掲し、私見を記す

4月はラジオの改編期に当たりますが、その改編に影響を及ぼすと思しき聴取率調査について、2月の結果を踏まえて私見を今一度記します。

 

2月の聴取率調査週間においては、通常番組を差し替え55時間特番を放送したニッポン放送が成功した形です。

大型特番のradikoでのシェア率が4割を超えたこと、企画内の番組すべてが聴取率首位となったことで、ニッポン放送は首都圏ラジオ局聴取率4期連続首位を達成し、2022年度としても首位を獲得しました。

2月の聴取率調査に話を戻すと、Yahoo! JAPAN聴取率関連報道はオリコン発のものに限られています(検索結果はこちら)。そしていずれの記事も放送局側の発表を記したものであり、調査を実施したビデオリサーチのものではありません。ビデオリサーチのホームページ(→こちら)内ニュース一覧では、聴取率の結果について記されていませんでした。

 

今回の聴取率結果発表の経緯を先週チェックして抱いたのは、ビデオリサーチやラジオ業界がその調査や結果公表について、果たして自問自答を行っているかという疑問です。この問題については以前からブログで紹介し、2月の聴取率調査開始前日に再度改善提案を記しましたが、変わる気配は現状においてみられないというのが率直な感想です。

<ラジオ局の聴取率調査に対するビデオリサーチへの改善提案>

聴取率調査はビデオリサーチが結果を広くアナウンスすること

radikoの数字も用意し、現行聴取率調査との複合指標から成る調査を公表すること

③ 奇数月等に抜き打ちで聴取率調査を実施すること

また2月のブログエントリーではビデオリサーチ側への改善提案をメインとし、放送局が『数字を追いかけるのは自然なことではあります』と記しましたが、2月のニッポン放送による企画が聴取率を過度に追いかけているのではという疑念は拭えません。大型特番が聴取率調査週に行われたことはまさにその一環でしょう。

(なおニッポン放送は4月22~23日にイベントを開催しますが(ニッポン放送のリスナー感謝イベント 4年ぶりに日比谷公園で開催! 「ニッポン放送 ラジオパーク in 日比谷2023」4月22日(土)・23日(日)開催決定! – ニッポン放送 NEWS ONLINE参照)、ともすればこの開催日が聴取率調査週間にあたるかもしれません。)

 

聴取率が全くもって信憑性に欠けるというわけではありません。しかし聴取率を調査する側、調査される側それぞれに自問自答が生まれているかは不明です。

 

 

さて、極々私見であると前置きして記すならば、自分はラジオ好きの人間でしたがこの1年以上はラジオ聴取に充てる時間が週に2時間未満となっています。また特定のラジオ局を推すことも今はありません。

このブログにて音楽チャート、特に海外の動向を追いかけるうちに、海外における考え方の急速な変化を感じるようになりました。多様な価値観を認めると共に、汚い言葉や無礼に対してはきちんと指摘し反省させる姿勢が目立つようになり、その方針に強く賛同します。

翻って日本では、多様な価値観を持つようになった方もいらっしゃるものの、一方でとても綺麗とはいえない言葉遣いのDJが少なくない印象です。ハラスメント的行為も散見され、それがラジオ聴取から遠ざかった大きな理由です。尤も自分も以前の考え方や価値観の下ではそれを楽しんでいたことは否定できず過去の自分を反省していますが、誰かを傷つけたりからかうことを面白がるのはやはり違うと考えます。

この数年において、人気番組の終了アナウンスの度にリスナー側が(辞めさせる)放送局が悪いと決めつける姿勢にも違和感を覚えます。問題発言等の記事化の際にはリアルタイムで聴かないのに書くな等の声も耳にしたことがありますが、本来はそのDJや番組のファンこそまず問題を指摘し改善を願うこと、自身の価値観を自問自答することこそ最善と考えます。

ラジオ業界の価値観は聴取率(対応)においても、また面白いラジオとは何かという考え方においても変わっていないのではと感じています。ただ自分のような考えが少数派であるだろうと考え、聴取やこのブログでのラジオに対する言及を控えてきたというのが現状です。

 

聴取率調査における改善提案、特に複合指標での調査の重要性を唱えたことは、ラジオ業界に価値観の多様化を呼び込めるという点でもプラスだと考え、先月以降あらためて提示した次第です。ラジオという媒体は可能性があるものと考えるゆえ、自分のような価値観を持つ者でもいられる場所があれば嬉しいと感じています。