イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ジェシー・ハリスが紡ぐいくつかの「Don't Know Why」

J-WAVEのカウントダウンプログラム、『Olympic TOKIO HOT 100』。3月8日発表の最新チャートで88位に初登場したのが、原田知世 feat. ジェシー・ハリス「Don't Know Why」。ノラ・ジョーンズによる歌唱があまりに有名なこの曲、原田知世さんがVerveレーベルよりリリースするカバー集『恋愛小説』(3月18日発売)からの先行曲として、既に配信されています。

原田知世、演じるように歌う洋楽カバー集「恋愛小説」 - 音楽ナタリー

iTunes - ミュージック - 原田知世「恋愛小説」

 

「Don't Know Why」の作者であるジェシー・ハリス。実は1999年にジェシー・ハリス&ザ・ フェルディナンドス名義でファーストアルバム『Jesse Harris and The Ferdinandos』(→iTunes Store)に収録したのが初出。後にノラ・ジョーンズが歌った同曲および収録アルバム『Come Away With Me』(→iTunes Store)でグラミー賞計8部門を制覇。主要4部門(最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀アルバム賞、最優秀新人賞)を全て制覇した形となるのですが、楽曲部門は作者に送られるためジェシーが受賞しています。

 

この美しい曲をカバーしたいと思う人は多く、特に「Don't Know Why」が広く親しまれた日本では自然なこと。いくつものカバーがリリースされているのですが、その中には今回の原田知世版と同様、ジェシー本人が登場している作品がありました。

 

平井堅「Don't Know Why」(2003 アルバム『Ken's Bar』収録 → 試聴)

ノラ版の翌年にリリースされた平井堅さんによる初のカバー集。ジェシー・ハリスアコースティックギターで参加しています(Wikipediaより)。そして。

 

・A.S.Band feat. ジェシー・ハリス「Don't Know Why」(2013 オムニバス『森のアコースティック』収録 → iTunes Store)

厳密に言えば、邦楽かどうか、それ以前にA.S.Bandがどのような形態なのかも検索して出てこなかったのですが、しかしながらジェシー・ハリスが客演という名義となっています。

リリース元はSCM MUSIC。レーベル名は仮に知らなくとも、レンタルCDチェーンのオムニバスコーナーで見かけるようないわゆるカバー曲のミックスCDを多くリリースしているところといえばピンと来る方も多いはずです(個人的な考えですが、CDジャケット等での”Original by ●●”という原曲の歌手名の表記が小さすぎて誤解を招きやすいことは問題だと思います。取り扱う側のレンタルCDチェーンの配慮の低さも問題です)。そのレーベルのコンピレーションに突如ジェシー・ハリスが参加というのには驚かされますね。ジェシーの柔軟性を実感します。

 

 

ジェシー・ハリスは他にも、おおはた雄一さん、畠山美由紀さんなどのプロデュースを担当。そのうち畠山美由紀さんについては、ジェシーがプロデュースした『Summer Clouds, Summer Rain』(2007 → iTunes Store)以前に、カバー集『Fragile』(2002 → iTunes Store)で「Don't Know Why」(青柳拓次さんによる編曲、ギター等)を取り上げています。畠山さんとジェシーは後にライヴで共演しているので、もしかしたらその際に「Don't Know Why」を披露しているのかもしれませんね。