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トラヴィス・スコット、ドレイク、ビヨンセ、ニッキー・ミナージュ…米ビルボードソングスチャート、この2週間は嵐の予感?

最新チャートでは凪の状態に近かった米ビルボードソングスチャート、この2週で一気に嵐が来そうです。

多くの曲が公開された5月1日金曜における米Spotifyデイリーチャートが判明しましたので、その動向を見てみましょう。

 

まずは多くの曲に先駆けて解禁されたミーガン・ジー・スタリオン「Savage」のリミックス。あのビヨンセをフィーチャーしています。

リミックスの初登場は4月30日木曜ゆえ、日本時間の5月4日に発表される次回5月9日付米ビルボードソングスチャートではストリーミングおよびダウンロードが1日分、ラジオエアプレイが4日分加算となります。上記ツイートにおいて誤りがあったこと、訂正しお詫びいたします。

Spotify、4月30日付デイリーチャートではオリジナルバージョンが14→24位にダウンした一方、リミックスは2位に初登場。両バージョンの再生回数を合算すれば、トラヴィス・スコットとキッド・カディによるザ・スコッツ名義での「The Scotts」を上回ることに。その「The Scotts」はゲーム『フォートナイト』内バーチャルライブで初披露されたインパクトが大きく、米Spotifyでは4月24日金曜の初登場以降1週間首位の座をキープしていました。

5月9日付米ビルボードソングスチャートでは「The Scotts」が初登場首位の座に就くことは確実、また「Savage」は初のトップ10入りを果たすかもしれません。

 

そして先週金曜リリース案件。ドージャ・キャット「Say So」のリミックスにニッキー・ミナージュが参加。5月1日付米Spotifyデイリーチャートではオリジナルバージョンが11→24位に順位を落としながら再生回数が増加、一方でニッキー参加版は26位に初登場。

ビルボードソングスチャートでトップ10入り目前ながら足踏みを続けるカミラ・カベロ feat. ダベイビー「My Oh My」にはガナが新しく参加。しかしこのバージョンは5月1日付米Spotifyデイリーチャートで200位以内に入っていません。オリジナルバージョンは90→98位とダウンしながらも再生回数を上げていますがストリーミングの順位自体が高くないわけで、米ビルボードソングスチャートで上昇するためにはガナ参加版がラジオエアプレイでどこまで貢献するかにかかっていると言えるでしょう。

「Say So」、「My Oh My」は共にオリジナルバージョンの再生回数が上昇したものの順位はダウン。これはドレイクが突如リリースをアナウンスし金曜に送り出したミックステープ『Dark Lane Demo Tapes』の存在が大きいゆえ。

 
 
 
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What y’all think of Dark Lane Demo Tapes⁉️ 😈 #Drake #DarkLaneDemoTapes

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3週前に米ビルボードソングスチャートを初登場で制した「Toosie Slide」を含む『Dark Lane Demo Tapes』収録の14曲すべてが、5月1日付米Spotifyデイリーチャートにおいて20位以内にエントリーを果たしました。

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(5位に入っている「D4L」はフューチャーがメインクレジットとなっていますが、『Dark Lane Demo Tapes』に収録されています。)

ドレイクは前回のアルバム『Scorpion』(2018)において、収録曲のうち7曲を2018年7月14日付米ビルボードソングスチャートのトップ10に送り込んだ実績があります。

『Scorpion』は2枚組25曲入りの大ボリュームゆえチャートをより席巻出来たのかもしれませんが、今回の『Dark Lane Demo Tapes』からも複数曲が米ビルボードソングスチャートトップ10内に送り込まれることは間違いないでしょう。 

 

5月1日リリースの曲は、日本時間の5月12日火曜に発表される5月16日付米ビルボードソングスチャートに初登場予定(尤も、前週はラジオエアプレイ3日分のみが加算対象となるため、ラジオで極端に強い曲が5月9日付にて下位に初登場を果たす可能性があります)。リリース案件の多さゆえ、米ビルボードでは5月1日およびその直前に出た作品でどの曲がお勧めかを投票する企画も実施しています。

 

ドレイク『Dark Lane Demo Tapes』収録曲のソングスチャート席巻にも注目ですが、個人的には相次ぐリミックスバージョンの登場が気になります。オリジナルバージョンがどこまで底上げされるのか? 日本のチャートにはない”合算”という概念はリミックスバージョンがヒットの戦略に欠かせない要素になっていることを示しており、またリミックスという文化や客演参加する歌手(特にラッパー)を知る好い機会だと思うのです。この合算手法で「Toosie Slide」から首位の座を奪還したザ・ウィークエンド「Blinding Lights」は今年を代表するヒットとなっています。合算という概念についてはポッドキャストも是非ご参照ください。

 

「夜に駆ける」等ストリーミングに強い曲が現在のビルボードジャパンソングスチャートで伸びやすい理由は他指標の衰退にあり

一昨日のブログエントリーにて、「夜に駆ける」が最新5月4日付ビルボードジャパンソングスチャートで初のトップ10入りを果たしたYOASOBIのTwitterでの好取組を記載したところ、そのYOASOBIから御礼のツイートをいただき、しかもブログを紹介してくださいました。心より感謝申し上げます。

「夜に駆ける」は昨日放送の『とくダネ!』(フジテレビ 月-金曜8時)でも取り上げられています。自分が昨日紹介した施策がチャートを押し上げたことで、やはりメディアが無視出来なくなったと言えるでしょう。そう考えれば、間違いなく自らチャンスを掴んだと言えますし、放送直後に気になって調べた方にすぐ接触出来る状況を用意するYOASOBIの姿勢は本当に素晴らしいですね。

 

さて、一昨日のブログエントリーには補足があります。

カラオケ指標が集計取り止めになった2週前のチャートにおいて、同指標上位且つ昨年以降リリースの曲の集計取り止めによるポイント減少が数百から千以上と推測しました(下記エントリー参照)。これは何気に大きな痛手である一方で、これから認知されていくであろう新鋭の歌手の作品はカラオケ指標の減少がごく僅かだったことから、カラオケ指標の集計取り止めは新鋭の歌手にとって、より浮上しやすい環境になったと言えるでしょう。

 

さらに、「夜に駆ける」をはじめとするストリーミングに長けた曲が優位になりやすい要因として、他指標の勢いが衰えていることが挙げられます。

一昨日のブログエントリーにて取り上げたストリーミング指標に強い曲についてはそのすべてがシングルCD化されていないため、シングルCDセールスおよびルックアップの2指標が未加算となりますが、CD関連の2指標が緊急事態宣言に伴う多数のCDショップやレンタル店の休業もしくは営業時間縮小により、この数週間で縮小しています。

上記ブログエントリーで示した表の最新動向は下記に。着実にダウンが進行しています。

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ちなみにアルバムを見てみると、より顕著に表れていると言えます。

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シングルCDはアイドルやK-Popアクト等、リリースされやすいジャンルに偏りがあり、その他のジャンルはタイアップの獲得が必須に近い印象があります。アイドル等においてはファンが所有を好む傾向があるため、実店舗が閉鎖してもネット購入(特典が付いている場合は尚の事)に移行する可能性が高く、ゆえにジャンルを問わずCD化の傾向が高いアルバムに比べれば売上減少はまだ食い止められていると言えるかもしれません。実際にアイドルの売上が高いことについては、先月の記事からも明らかです。

他方アルバムは予想以上に減少が進行している印象があります。CDショップに行けなくなり、欲しい作品以外をCDショップで試聴等出来なくなったためにあらかじめ買うことを決めていた作品以外は買う機会が減ったと言えるかもしれません。想起した行動制限が事実ならば下位作品は尚の事売れなくなっているかもしれず、グラフ以上にCD全体の売上が落ちていると捉えることが出来そうです。

 

ダウンしているのはCD関連指標だけではありません。

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ビルボードジャパンではダウンロード指標において毎週10位までの数値を公表しており、1位および10位の売上数をグラフ化したのが上記。1位で突出した売上をマークしたのは嵐「A-RA-SHI : Reborn」および米津玄師「パプリカ」。またここ数週はOfficial髭男dism「I LOVE...」が牽引してきましたが、「I LOVE...」は主題歌となったドラマが終了したことで売上が落ち着いています。リリース延期作品が増えたなったこともあってか、1位はこの2週続けて2万を切り、10位は7千前後となっています。最新週の動向は下記にて。

記事には『前週に引き続き、5位以下の楽曲が1万DLを切る結果に終わった』とあります。この表現がダウンロード指標の減少を如実に示しているものと考えます。

 

他指標についてはどうでしょう。ラジオエアプレイについては集計局数に変更がないためオンエアされた曲の総数が以前より落ちているとは言えないでしょう。一方でリクエストは右肩上がりとのことで、自宅で過ごしラジオを聴く(ようになった)方が増えているとは思われます。最新週と同じ集計期間における、オンエア回数を示したプランテック調べのチャートは下記に。なお、ラジオエアプレイ指標はこのプランテックのオンエア回数に、エリア別の人口と平均聴取率が加味されています。

ちなみに最新週の集計期間は首都圏ラジオ局では聴取率調査週間であり、一部放送局ではその週に豪華ゲスト等を用意するスペシャルウイークを実施。上記記事には『“昨今の人気曲”へのリクエストが多いのも特筆点』とあるのですが、これは聴取率調査週間のオンエア曲が他の週より近年のヒット曲が多くかかる傾向があるゆえと推測しています。その理由は以前記載しました。

 

Twitterや動画再生のポイント数の動向は解りかねますが、Twitterについてはたとえばテレビの音楽番組で歌手がパフォーマンス出来なくなったり、新曲が主題歌に起用されたドラマが延期となる(緊急事態宣言の継続によってはお蔵入りの可能性もあるかもしれません)等によって、新曲が話題になる機会が減っています。星野源「うちで踊ろう」や最新週で2位(総合32位)に入った「ハレ晴レユカイ」等、ネット発のムーブメントが反映されやすい形にはなっていますが、全体では下がっているでしょう。動画再生については通勤や通学で見る機会が減ったと考えられるものの、同じく通勤等で利用されるだろうストリーミングの基となるサブスク再生回数が堅調であることを考えれば、動画再生も同様の動きをしていると言えるかもしれません。ただし、Netflix等動画配信サービスが興隆してきていることから、YouTubeおよびGYAO!の再生回数を基とする動画再生はストリーミングほど伸びてはいないという見方も出来そうです。

 

 

ビルボードジャパンのソングスチャートを構成する、集計取り止め中のカラオケを除く7つの指標の状況をみると、最も影響を受けにくいのがストリーミング、次いで動画再生という結論に達しました。これは一昨日のブログエントリーで述べた、各指標の上位20曲における最新チャート100位以内在籍率の上位2つと合致します。

これを踏まえれば、外出を自粛する方に対し、デジタルで接触出来る環境に曲を制限することなくきちんと用意しておくことこそ、歌手に求められるものではないでしょうか。YOASOBIのTwitterにおける対応が有効に作用するのは、その前提をしっかり行っているからこそなのです。

さくらは満開、電車はもぬけの殻…異様な状況はいつまで続くのか

5月になりました。青森県津軽でもようやく春モードになってきましたが、異様な状況が続いています。

超が付くほどの暖冬で開花が早まると予想されながら、4月の悪天候と寒さ続きで見頃が今週にずれこんだ弘前の桜。このずれこみはいつもの年ならば万々歳であり、さくらまつりが賑わい臨時列車で帰る方が多いはずなのですが。

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降りる方(それもひとり)と入れ違いで乗った電車がこの状況で、あまりにも悲しくなってしまいました。無論、さくらまつり中止はクラスター発生を防ぐために必要な措置だったとはいえども。

 

緊急事態宣言はどうやら解除が延長となります。新型コロナウイルスの収束を願うのは当然のことですが、宣言が出る前から自粛を続けていたところを中心に、地方も都市も関係なく、あらゆる業種が悪影響を受けています。昨日は、日本の音楽等様々なカルチャーの発信源が閉店という事態が生まれてしまいました。

クラスター感染が起きたことでいち早く自粛を決めたライブハウスや、地方自治体の首長に店名を名指しされたパチンコ店などの娯楽施設には厳しい視線が注がれています。その感情を1ミリも理解出来ないわけではありませんが、ならば【休業を促す代わりにきちんとした補償を行う】【起こり得る差別を予測し、首長が”差別は許さない”という断固とした姿勢をとる】ことが大前提であり、それを実行することが政治(家)の責任だと思うのですが、現状のやり方は政治(家)の、あまりに都合良く曲解した自己責任の押し付けではないでしょうか。無論、【】内を理解しようとせず叩くことに乗っかる市井も同様です。

 

弘前市ねぷた祭りも中止が決定しており、ホテルや飲食店、娯楽施設が耐えられるかは全く想像出来ません。来年のこの時期の電車がこうならないことを願うばかりですし、そのためには自分で出来る範囲の行動を起こす必要がありますね。

ストリーミング強者が結果を出した5月4日付ビルボードジャパンソングスチャート、YOASOBIが一歩抜け出した理由は

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

4月20~26日を集計期間とする5月4日付ビルボードジャパンソングスチャート、17万枚を超えるシングルCDセールスを武器に、HKT48「3-2」が初登場で首位に輝きました。

首位は制したものの、次週は急落が予想されます。

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前週は総合300位以内に入らず、今週はダウンロードが100位圏外(300位以内)、そしてサブスク再生回数に基づくストリーミング、および動画再生という接触2指標が300位にも満たないことから、以前乃木坂48と比べて弱いと指摘したAKB48の動きをなぞるものと考えます。

前作「意志」は昨年のこの時期に首位を獲得しながら翌週には82位に急落。今作は次週100位にとどまるのか…非常に気掛かりです。

 

さて、今週はトップ10内にヨルシカ「花に亡霊」が6位、YOASOBI「夜に駆ける」が8位にランクインし、両者にとって初のトップ10入りとなりました。

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「花に亡霊」について『アニメーション映画『泣きたい私は猫をかぶる』の主題歌で、劇中のシーンを使用したミュージックビデオも話題』、また『小説を音楽と映像で具現化するユニット』である「夜に駆ける」は『徐々にストリーミングと動画再生が牽引してファン層を拡げ』たことがヒットの要因とビルボードジャパンは分析しています(『』内は上記ビルボードジャパンの記事より)。「花に亡霊」は集計期間にデジタル解禁されたためにダウンロード指標がチャート構成比の4分の1以上を占めていますが、両曲共に強いのがストリーミング。「花に亡霊」は26位、「夜に駆ける」は8位に入っています。

この2曲の他にも、新鋭の歌手によるストリーミング指標上昇曲が複数登場しており、いずれも総合チャートで好位置につけています。

・Rin音「snow jam」(ストリーミング10位 総合20位)

・瑛人「香水」(ストリーミング18位 総合34位)

緑黄色社会「Mela!」(ストリーミング42位 総合37位)

神はサイコロを振らない「夜永唄」(ストリーミング46位 総合75位)

DISH//「猫」(ストリーミング63位 総合82位)

DISH//「猫」については次週、一発録り動画"THE FIRST TAKE"によるバージョンがオリジナルとは別に、100位以内に登場するかもしれません。こちらについては以前記載しています。

 

ソングスチャートにおいてストリーミング指標が重要であることは、CHART insightを調べればよく解ります。

最新5月4日付の各指標上位20曲における総合ソングスチャート100位以内在籍率をみると、ストリーミングが100%を達成し、総合チャートで最も低いKing Gnu「どろん」(ストリーミング20位)でも36位という状況。他指標ではシングルCDセールスが65%、ダウンロードが80%、ラジオエアプレイが35%、ルックアップが70%、Twitterが75%、動画再生が惜しくも95%となっており、デジタル、そして接触指標が高いと総合順位で優位に働くことが判明します。さらに。

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上記はHey! Say! JUMP「I am」急落はストリーミングの興隆が一因? 行うべき対策は何か(3月13日付)で掲載した表の最新版。10位の再生回数の水準は一時下降したもののまた上昇に転じています。1位に関しては11週連続でOfficial髭男dism「I LOVE…」がその座に就くゆえ同曲の勢いにグラフが大きく左右されるものの、1位そして10位共々この1年ちょっとで急増しているのは事実であり、この点からもストリーミングがチャートにおいて重要な指標と言えるはずです。

 

今回紹介した新鋭歌手の楽曲群においては今週初登場を果たした曲もあり、ともすれば今後勢いをキープ出来ないものもあるかもしれませんが、ストリーミングの強さはロングヒットに欠かせない条件であり今後に期待出来るものと考えます。そうなると次なる目標は"さらなる高みを目指すにはどうするか"ということですが、個人的には「夜に駆ける」を総合8位に押し上げたYOASOBIのTwitterアカウントにそのヒントがあると思うのです。集計期間初日における新曲「ハルジオン」のティーザー公開が押し上げの一因と言えるでしょうが、より重要だと感じたのはたとえばチャートの積極的な紹介。それも言語を問わずにつぶやいています。

ビルボードジャパンのチャート担当者がポッドキャストでYOASOBIを取り上げたことを紹介し、ポッドキャストのリンクを貼ってツイートしています。

再生回数等で大台に乗った際には、フォロワーと共に祝っています。

そして様々なカバーも紹介し、ファンに感謝する姿勢も忘れません。

さらに驚いたのは、自分がYOASOBIについてつぶやいた内容をお気に入り登録してくださったこと。著名な方が気にかけてくれるというのはファンは勿論のこと、気になっているけれどもこれから…というライト層(またその予備軍)をファン化させる効果があると思うのです。上記ツイート群も含め、元Spotifyの松島功さんのnoteにおける【②プロモーション・あなたがファンとエンゲージしてる強みはどこ?】がきちんと出来ている証拠ではないでしょうか。

これら施策が着実に成果を上げていることは、先に掲載した「夜に駆ける」のCHART insightにおける理想的なまでの右肩上がりを見れば一目瞭然。おそらくメディアも無視出来なくなっているはずで、現に昨日の『めざましテレビ』(フジテレビ 月-金曜5時25分)で特集が組まれました。これを機にさらなる上昇が予想されますし、YOASOBIはこの点についてもきちんとフォローアップしています。

誘導も徹底。こういうところが強みなのだと実感するのです。

 

Mrs. GREEN APPLE、Novelbright、ちゃんみなさん、そして今日取り上げた方々はストリーミングで常連になりつつありますし現にそうなっている方もいらっしゃいますが、そこに安住せずさらなる高みを目指し、YOASOBIを参考にして自身の素晴らしい音楽をより拡げてほしいと思うのです。

 

 

最後に、今週の米ビルボード、そしてビルボードジャパンのソングスチャートについての解説ポッドキャストをアップしました。最新チャートの解説は毎週木曜午前に更新予定ですので、是非ともよろしくお願いいたします。

2日連続で放送事故が発生した青森テレビへの願いを書き記す

偶然にも、2日続けて放送事故に遭遇。それも同じ放送局で。

Twitterで検索すると、一昨日発生した事故については青森テレビが発生後に差し替える静止画が出てきます。昔はモノクロのこけしの画にBPMの速いオルゴール音が乗っていたので余計に怖かった記憶があるんですよね。月曜の事故はおよそ2分30秒ほど続いていました。

 

放送事故の発生自体は問題ですが、それでも再発防止策を組めば好いというのが私見(とはいえ発生当初はあり得ないなどと書いてしまいましたが)。ただ、立て続けに発生するとなると気掛かりです。しかしそれ以上に、放送事故後に青森テレビが誠実な対応をしようとしていないのではないかという強い疑問が浮かんできます。

ATV青森テレビTwitterアカウント(→こちら)における最新投稿は4月24日午後であり、4日以上止まっています。新型コロナウイルス対策で担当者がテレワークとなったために即座に応答出来ないのかもしれませんが、公式ホームページ(→こちら)にもお詫びの文言がみられないのは残念です。また、仮にワイド番組の『わっち!!』(月-金曜16時50分)で放送事故を訂正や謝罪したとして、SNSやホームページにも掲載されなければその対応は多くの方に届かないとも考えます。

 

この連日の放送事故を、青森テレビは厳しく受け止める必要があるはずです。そして個人的に付け加えるならば、青森テレビのアナウンサーによるポッドキャスト、podATVについては1年2ヶ月更新されていない状況ですので(しかも最新回とその前の回もおよそ1年2ヶ月のブランクが)、更新希望の旨をこのタイミングで記載しておきたいと思います。

ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が4週目の首位、ポスト・マローンが新記録樹立、次週はトラヴィス・スコットが初登場首位?…5月2日付米ビルボードソングスチャートをチェック

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の4月27日月曜に発表された5月2日付最新ソングスチャート。前週ドレイク「Toosie Slide」から首位の座を奪ったザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が2週連続、通算4週目の首位を達成しました。

ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」はストリーミングが前週比2%ダウンの2490万(同指標4位)、ダウンロードが同11%ダウンの19000(同指標1位)、ラジオエアプレイが同2%アップの1億1030万(同指標1位)をマーク。前週の集計期間中にこの曲のメジャー・レイザーによるリミックスが登場し今週は集計期間フルでカウントされたことで、デジタル2指標が微減にとどまったと言えるでしょう。

一方、初登場で首位を獲得したドレイク「Toosie Slide」は今週も2位をキープ。しかし勢いは徐々に低下し、ストリーミング指標は制したものの前週比15%ダウンの3150万、ダウンロードは同23%ダウンの12000(同指標5位)とデジタル2指標が二桁ダウンとなり、ラジオエアプレイは同22%アップの5830万(同12位)と伸びているものの「Blinding Lights」にまたも敗れる結果となっています。

 

ポスト・マローン「Circles」がトップ10在籍週数で単独トップとなる34週を記録、しかも順位を1ランク上げ6位に入っています。

ポスト・マローン自身がスウェイ・リーと組んだ「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」(2018-2019)、マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」(2018-2019)およびエド・シーラン「Shape Of You」(2017)の33週を抜いて新記録を樹立した「Circles」は、昨年9月14日付で7位に初登場して以来一度もトップ10落ちすることなく今回記録を達成。ソングスチャートでトップ10内に初登場した曲の連続トップ10入りにおいても、エド・シーラン「Shape Of You」を抜いて単独トップとなりました。

 

9位にはダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」が初登場。

ストリーミングは2810万を獲得して同指標2位、ダウンロードは10000となり同指標7位発進。今週アルバムチャートで初登場首位を獲得した『Blame It On Baby』を果たしています。ダベイビーにとっては昨年7位を獲得した「Suge」に次いで、客演参加のロディ・リッチにとってはチャートを制し最新週では3位に入っている「The Box」以来、それぞれ2曲目のトップ10入りとなりました。が、このダベイビーは客演参加した2曲がトップ10入りを果たしており、リゾ「Truth Hurts」に至っては首位を獲得しているのです。

リル・ナズ・X「Panini」が昨年9月28日付で初のトップ10入り且つ最高位となる5位を獲得したのは、ダベイビー参加版が加算されたゆえ。

2曲とも客演参加版がオリジナルバージョンを超える再生回数等に至っていないためにチャート上ではノンクレジットのままですが、アメリカで合算がヒットの戦略に欠かせなくなった現在、ダベイビーはその意味でも欠かせないラッパーと言えるかもしれません。なお合算については配信中のポッドキャストBillboard Top Hits】最新回にて、先述した「Blinding Lights」のメジャー・レイザーによるリミックスを軸に紹介しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

2位 (2位) ドレイク「Toosie Slide」

3位 (3位) ロディ・リッチ「The Box」

4位 (4位) デュア・リパ「Don't Start Now」

5位 (5位) ドージャ・キャット「Say So」

6位 (7位) ポスト・マローン「Circles」

7位 (6位) ハリー・スタイルズ「Adore You」

8位 (9位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」

9位 (初登場) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」

10位 (8位) フューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」

 

さて次週は、トラヴィス・スコットとキッド・カディによるユニット、ザ・スコッツによる「The Scotts」が初登場で首位を獲得するかに注目。前週開催された『フォートナイト』のバーチャルライブにた初披露した効果は絶大なのです。

Spotifyではアメリカにおけるデイリーチャートでも首位発進。

執筆段階では4月26日日曜までの米Spotifyの数値が判明していますが、3日間ともドレイク「Toosie Slide」を超えていることから、初登場首位の可能性は高いかもしれません。

新型コロナウイルスはラジオ局の聴取率調査週間にも影響、しかし危機以上にラジオの重要性が高まっていることを実感する

自分がスタッフの一員として参加するラジオ番組、FMアップルウェーブ『わがままWAVE It's Cool!』(日曜17時)。普段使用するサテライトスタジオが緊急事態宣言に伴う弘前市の施設の休館措置に伴い、昨日放送分からしばらくの間は下土手町にあるFMアップルウェーブのストリートビュースタジオよりお送りすることになりました。番組のInstagramアカウントはこちらに(フォローもよろしくお願いいたします)。

自分は昨日メインDJを担当し、放送中に街の様子を眺めたのですが、いつもならば目と鼻の先にある弘前公園に向けて人や車が絶えないはずが、自粛のためにバスすらガラガラという状況。さくらまつり中止ゆえやむなしと言えどもこれはたしかに異様な光景で、新型コロナウイルスの収束をあらためて強く願った次弟です。

(スタジオや弘前公園の様子を紹介したいのですが、放送局の許可をとっていないこと、さくらまつり中止に伴う写真アップの自粛要請を踏まえ、公開を控えることをご了承ください。しばらくはイレギュラーな状況を前向きに受け入れ、心が和らぐ放送を心がけていきます。

 

そのストリートビュースタジオも万全な対策が講じられており、CM中のスタジオとサブ(機械のある副調整室)のドアオープンによる換気、そしてDJ間にアクリル板を設置し飛沫感染を防いでいます。下記はFMアップルウェーブの公式Instagramより。

東京のラジオ局でいち早く用意されたアクリル板対策は、出演者からはあたかも刑務所の接見であると例えられていましたが、なるほどこういうことだったのかと放送中の目の前の板を見て実感。

TBSラジオ『たまむすび』(TBSラジオ 月-金曜13時)のInstagramよりリンクを貼らせていただいたのですが、やはり面会(コント)と形容してみたくなるものです。

 

 

さて、TBSラジオを含む首都圏放送局では昨日まで聴取率調査週間でした。ニッポン放送TOKYO FM等はスペシャルウイークと銘打って豪華ゲストに豪華プレゼント、レギュラー番組を休止しスペシャル番組に差し替える等の措置を行うのですが、今回は大々的に訴求されていませんでした。

如何せん新型コロナウイルスの影響は大きく、出演者が罹患しお休みするという措置がいくつかみられました。先述した『たまむすび』では月-木曜担当の赤江珠緒さんがお休みにつき、金曜担当の外山惠理TBSアナウンサーが終日出演。同局では『ACTION』(TBSラジオ 月-金曜15時30分)の月曜担当、宮藤官九郎さんの代打で伊勢志摩さんが登場。またTOKYO FMでは『Blue Ocean』(月-金曜9時)の住吉美紀さんに代わって先週は同局の『THE TRAD』(月-木曜15時)のアシスタントを務める吉田明世さんが担当し、今週は以前この番組を担当した望月理恵さんが務める等、異例のシフトとなっています。

 

実は以前、このようなエントリーを記載し、平日帯番組で出演者が統一されないとラジオ界のスターが生まれにくいのではという疑問を呈したことがあります。

しかしながら今回の新型コロナウイルス蔓延という状況は、自分が望む"平日帯番組での出演者統一"が叶えば叶うほど、その方が万一罹患したならば番組自体が大変なことになるのか…ということを痛感しています。

 

とはいえ、罹患した方を絶対に責めてはいけません。万一の際は放送局がきちんと第2第3の策を講じることに努め、罹患した方は十分な静養をとっていただき心身共に回復したらまた元気な声を聴かせてくださることを願います。赤江珠緒さんが、ご家族の方の罹患に伴う一時休業を『たまむすび』に報告した際の手紙における【事前にできる準備】、特にその⑥は、今の日本全体に響かせないといけないものだと考えます。

 

緊急事態宣言に伴う在宅勤務や自粛要請に伴い自宅で過ごすようになった方が増え、彼らの中にはテレビやネットでの情報、さらにはそこに紛れ込む感情の偏りが心に悪影響を及ぼすとしてラジオに回ってくる方が少なくないと聞きます。ラジオ局は出演者やスタッフの万一の際の対応や感染予防目的でのリモート放送等イレギュラーな事態がしばらく続きますが、新型コロナウイルスの情報は報じながらも偏ったり煽ったりと余計な色を付けることなく、そして何より普段どおりの放送を心がけてくださることを願うばかり。それがリスナーの心の平穏につながるはずです。仮に出演者が罹患されたならば、その方の復帰後に彼らが体験したことを伝え、罹患しないための対策以上に"万一罹患しても責めない社会"を築き上げる一助となるようお願いしたいところです。先述した赤江珠緒さんの手紙に込められた思いに触れ、赤江さんがラジオ人の鑑であると強く感じるゆえ尚の事、なのです。

 

そしてその姿勢は大都市圏のみならず地方の放送局、コミュニティFMでも同じことですよね。昨日のFMアップルウェーブの対応に触れ、伝え手としての安堵と共に、万一の際にラジオが正確な情報と安心感を伝える担い手になるんだという責任感を抱いています。