ビルボードジャパンは昨日、CHART insightのリニューアルに関する紹介ページを公開しました。
アーティストの動向を知る、ビルボードジャパンのチャート分析サービス<Chart insight>がリニューアル https://t.co/Y4osn7YScd
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年4月12日
CHART insightは3月最終週にリニューアルされながら、そのリニューアルに関するアナウンスが遅れていました。その点に関する違和感等は、このブログにて記載しています。
Top User Generated Songsチャートの対象となるUGC(”歌ってみた”や”踊ってみた”に代表されるユーザー生成コンテンツ)はソングチャートの加算対象外ながら円グラフに織り込まれていること、総合チャートの順位は棒グラフであり見づらいこと、円グラフが当週ではなく累積ポイントに変わったこと(そして実際に変わったかの判断が付きにくいこと)の3点において、そのリニューアルは好かったかを疑問に思う部分は拭えません。
しかしながら、アーティストページの充実は興味深いところです。
ビルボードジャパンによるアーティストページは米ビルボードの内容を踏襲しているといえるのみならず、米ビルボードでは日本の歌手を(米ビルボード各種チャートにランクインしている方であっても)網羅しているわけではないため、仮にビルボードジャパンがランクイン全歌手の情報を発信するならば米ビルボード以上の内容に成るといえるでしょう。
米ビルボードではAdoさんのアーティストページが見当たらないため、宇多田ヒカルさんのページを上記に。ここでは米ビルボードが有料会員のみに公開しているチャートについても把握できるようになっており、Global Excl. U.S.の結果についても掲載されています。ちなみにこのデータは文筆家のつやちゃんさんが、宇多田ヒカル『SCIENCE FICTION』リリース時にビルボードジャパンに寄稿したコラムにも掲載されています。
<コラム>なぜ、宇多田ヒカルの作品はあらゆる“境界”を超越するのか? 初のベストアルバム『SCIENCE FICTION』から読み解く https://t.co/JajMEr5lsT
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年4月10日
情報の充実は素晴らしい一方で、ビルボードジャパンのアーティストページには辿り難いというのが正直な私見です。
アーティストページへの遷移方法としては(現時点で把握している手段となります)、まずCHART insightにおいて調べたい歌手の曲名をタップ/クリックします。宇多田ヒカルさんは「Automatic」が最新4月10日公開分ソングチャートのラジオ指標を制しており、同指標の上位順を表示した上で同曲のウインドウを開きます。
(なお、ビルボードジャパンではすべて小文字表記となっていますが、最初のアルファベットが大文字なのが正式表記です。)
その新たなウインドウにて、曲名の下にある歌手名をタップ/クリックするとアーティストページへ遷移できます。
ただし、最初の画面にて曲名ではなく歌手名をタップ/クリックすると、総合チャートもしくは各指標の20位まで(CHART insight有料会員は100位まで)に入っているその歌手の全曲が登場する形となります。ゆえに、アーティストページを即座に見つけることはできにくいかもしれません。
またアーティストページのURLは米ビルボードのように歌手名が含まれておらず、その点でも探しにくいのではと感じています。
ビルボードジャパンのアーティストページへの遷移方法は他にもあるかもしれません(そしてそのほうが探しやすいかもしれません)が、このアプローチの仕方についてCHART insightリニューアルを紹介したページに載せていただきたかったと思っています。
<Chart insight>はチャートを通じて、新しい音楽と出会う楽しさに気付かせてくれるツールとしてこれからも進化していく。
アーティストの動向を知る、ビルボードジャパンのチャート分析サービス<Chart insight>がリニューアル https://t.co/Y4osn7YScd
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年4月12日
このブログエントリーでは評価以上に批判が多くなった点は否めませんが、直感的に操作でき、ふと触れてみた方が音楽チャートへの興味を深める入口として、ビルボードジャパンのCHART insightは素晴らしいサービスであると感じています。その入口に、多くの方がより自発的に向かうためのきっかけ(たとえばポッドキャストや公式YouTubeチャンネル)を、ビルボードジャパン側が充実させていくことを願っています。