イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンがCHART insightリニューアルの詳細を発表したことについて

ビルボードジャパンは昨日、CHART insightのリニューアルに関する紹介ページを公開しました。

CHART insightは3月最終週にリニューアルされながら、そのリニューアルに関するアナウンスが遅れていました。その点に関する違和感等は、このブログにて記載しています。

Top User Generated Songsチャートの対象となるUGC(”歌ってみた”や”踊ってみた”に代表されるユーザー生成コンテンツ)はソングチャートの加算対象外ながら円グラフに織り込まれていること、総合チャートの順位は棒グラフであり見づらいこと、円グラフが当週ではなく累積ポイントに変わったこと(そして実際に変わったかの判断が付きにくいこと)の3点において、そのリニューアルは好かったかを疑問に思う部分は拭えません。

 

しかしながら、アーティストページの充実は興味深いところです。

ビルボードジャパンによるアーティストページは米ビルボードの内容を踏襲しているといえるのみならず、米ビルボードでは日本の歌手を(米ビルボード各種チャートにランクインしている方であっても)網羅しているわけではないため、仮にビルボードジャパンがランクイン全歌手の情報を発信するならば米ビルボード以上の内容に成るといえるでしょう。

Hikaru Utada | Biography, Music & News | Billboardより

ビルボードではAdoさんのアーティストページが見当たらないため、宇多田ヒカルさんのページを上記に。ここでは米ビルボードが有料会員のみに公開しているチャートについても把握できるようになっており、Global Excl. U.S.の結果についても掲載されています。ちなみにこのデータは文筆家のつやちゃんさんが、宇多田ヒカル『SCIENCE FICTION』リリース時にビルボードジャパンに寄稿したコラムにも掲載されています。

 

情報の充実は素晴らしい一方で、ビルボードジャパンのアーティストページには辿り難いというのが正直な私見です。

アーティストページへの遷移方法としては(現時点で把握している手段となります)、まずCHART insightにおいて調べたい歌手の曲名をタップ/クリックします。宇多田ヒカルさんは「Automatic」が最新4月10日公開分ソングチャートのラジオ指標を制しており、同指標の上位順を表示した上で同曲のウインドウを開きます。

(なお、ビルボードジャパンではすべて小文字表記となっていますが、最初のアルファベットが大文字なのが正式表記です。)

その新たなウインドウにて、曲名の下にある歌手名をタップ/クリックするとアーティストページへ遷移できます。

ただし、最初の画面にて曲名ではなく歌手名をタップ/クリックすると、総合チャートもしくは各指標の20位まで(CHART insight有料会員は100位まで)に入っているその歌手の全曲が登場する形となります。ゆえに、アーティストページを即座に見つけることはできにくいかもしれません。

またアーティストページのURLは米ビルボードのように歌手名が含まれておらず、その点でも探しにくいのではと感じています。

ビルボードジャパンのアーティストページへの遷移方法は他にもあるかもしれません(そしてそのほうが探しやすいかもしれません)が、このアプローチの仕方についてCHART insightリニューアルを紹介したページに載せていただきたかったと思っています。

 

 

<Chart insight>はチャートを通じて、新しい音楽と出会う楽しさに気付かせてくれるツールとしてこれからも進化していく。

このブログエントリーでは評価以上に批判が多くなった点は否めませんが、直感的に操作でき、ふと触れてみた方が音楽チャートへの興味を深める入口として、ビルボードジャパンのCHART insightは素晴らしいサービスであると感じています。その入口に、多くの方がより自発的に向かうためのきっかけ(たとえばポッドキャストや公式YouTubeチャンネル)を、ビルボードジャパン側が充実させていくことを願っています。