イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2024年1月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2024年1月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲も含め、エントリーの最後に掲載したSpotifyプレイリストでチェックしてください。

これまでの私的トップ10ソングス等についてはこちらに。Spotifyを利用し、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。

 

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート等紹介の際、個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 01sail feat. ZIN「Leave Me In The Dust」

英語主体ながら、日本人歌手の曲でここまで1990年代のR&B、それも当時目立っていたボーカルグループによる作品における熱量を継承できている作品はないのでは。今後もこの流れの作品が続くとのことで、楽しみです。

 

9位 フェイ・ウェブスター feat. リル・ヨッティ「Lego Ring」

異色の組み合わせながら、長年の友人同士ということで実現したコラボレーション。ヒップホップの枠を越えジャンルレスなサウンドで存在感を放つリル・ヨッティが終盤までフェイ・ウェブスターを引き立たせるサポート的な立ち回りに徹していることにも注目。曲展開の変化も有効に作用しています。

 

8位 Sweet William feat. 中山うり「スイカ

日本の夏祭りを思わせるサウンドR&B(特に1990年代後半以降人気を博したネオクラシックソウル)が絶妙に融合。淡い恋模様が、中山うりさんのボーカルによって説得力を一層高めています。

 

7位 デスティン・コンラッド feat. アレックス・アイズレー「Same Mistake」

こちらもネオクラシックソウル的なサウンドで、美しいメロディと両者によるハーモニーが圧巻。アレックス・アイズレーはアイズレー・ブラザーズのアーニーの娘であり、この曲からはアイズレー・ブラザーズの、そしてボーカルを務めるロナルド・アイズレーのソウルネスを継承していると感じずにはいられません。

 

6位 ノラ・ジョーンズ「Running」

3月にリリースされるアルバム『Visions』からの先行曲で、日本のラジオでもヒット中。歌声、特にコーラス部分の音がわずかながら外れているのではと思う点は否めないのですが、それをそのまま収録したのは疾走感等(それこそ”ランニング”という感覚)を優先したゆえではと考えた次第です。

 

5位 乃紫「全方向美少女」

どこを切り取ってもキャッチーであり、TikTokの話題曲になるのも頷ける作品。自信に満ちた歌詞に惹かれるのですが、例えばメロディにおける反復しているようでしていない展開などには工夫が見られ、さりげなくも確実な技術を備えています。

 

4位 NMIXX「DASH」

K-POPのダンスミュージックが多様化する中、従来のサウンドっぽさもありつつホーンセクションを取り入れ音楽フェス映えするアレンジを施したり、効果的なハーモニーを挿入したりと、その工夫がすべて格好良さにつながった逸品。個人的に大サビの展開は不要かもと思う点は否めないものの、しかし2024年のK-POPの流れを占うという意味でも重要な作品だと感じています。

 

3位 薬師丸ひろ子「水色星座」

”薬師丸”つながりで、やくしまるえつこさんがティカ・α名義でメロディを提供した作品。ドラマチックの展開ながら過度に感じられないのは、薬師丸ひろ子さんならではの軽やかながら説得力を有する歌声ゆえ。わずかながらフラット気味に聴こえる歌声(それがむしろ聴き手を引き寄せるところ)、曲における演技力の素晴らしさから、ともすれば薬師丸さんはメアリー・J. ブライジ的な立ち位置かもしれないと思い至っています。

 

2位 Mrs. GREEN APPLE「ナハトムジーク」

映画『サイレントラブ』主題歌。ドラマチックな展開、そして例えば2番サビにおける”呼吸”の表現の仕方などに様々な技巧や工夫が散見されますが、それがわざとらしく感じられないのはミセス、特に大森元貴さんの手腕によるものであることは間違いありません。

 

1位 アリアナ・グランデ「Yes, And?」

3年半ぶりのニューアルバムからの先行曲は、1990年頃のダンスミュージックへの愛に溢れた作品。マドンナやポーラ・アブドゥルという引用元は明らかながら、抗えない魅力を放っています。サビの転調、そして3分半強の曲ながらイントロに46秒を要しているところも、今の時代ならではのブラッシュアップではないでしょうか。

 

 

以下、次点として10曲。

・雨のパレード「Yellow Gold」

・角銅真実「Carta de Obon」

・ザ・ブラック・キーズ「Beautiful People (Stay High)」

・ブリタニー・ハワード「Prove It To You」

・ゴールデン・ヴェッセル & ヘッドエイクス「I Inhabit My Life (And It Feels So Good)」

・ハイエイタス・カイヨーテ「Everythings's Beautiful」

・ジョーダン・ラカイ「Freedom」

・カイル・ディオン「Hang Me Out To Dry」

・オッピダン「Mr. Sandman」

・サーペントウィズフィート「Safe Word」

オッピダンによる「Mr. Sandman」は、おそらくザ・コーデッツによるバージョン(1954)を大胆に再構築したもので、UKガラージとの極々自然な融合が見事な作品に仕上がっています。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。