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【海外ビルボード】アリアナ・グランデ、アルバム初登場週にソングチャートも制覇

現地時間の3月18日月曜に発表された、最新3月23日付米ビルボードソングチャート(集計期間:3月8~14日)。前週初の首位に立ったイェー(カニエ・ウェスト) & タイ・ダラー・サイン feat. リッチ・ザ・キッド & プレイボーイ・カルティ(”プレイボーイ・カーティ”と表記するメディアも)「Carnival」は4位に後退、アリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」が初登場で首位を獲得しました。

ビルボードソングチャート65年の歴史において1,166曲目、初登場では76曲目の首位を獲得したアリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」は、ストリーミング3260万(同指標1位)、ダウンロード9,000(同指標4位)、ラジオ460万(同指標50位未満)を記録。アルバム『Eternal Sunshine』からは「Yes, And?」に次ぐ2曲目の首位獲得となりますが、その「Yes, And?」は初登場時においてストリーミング2720万を記録しています。

3月8日にリリースされた「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」は、当週の集計期間である3月13日に”String Version”およびアカペラバージョン、インストゥルメンタルバージョンがリリースされています。

 

アリアナ・グランデは9曲目の首位獲得、そして初登場での首位到達は7曲目(ザ・ウィークエンドとの2曲を除く)となり、後者ではテイラー・スウィフトを抜き女性歌手では最多となりました。なお初登場首位獲得の最多歌手はドレイクの9曲となります。

アリアナ・グランデビルボードソングチャート首位獲得曲>

「Thank U Next」(2018年11月17日付以降 7週)

「7 Rings」(2019年2月2日付以降 8週)

「Stuck With U (with ジャスティン・ビーバー)」(2020年5月23日付 1週)

「Rain On Me (with レディー・ガガ)」(2020年6月6日付 1週)

「Positions」(2020年11月7日付 1週)

「Save Your Tears (with ザ・ウィークエンド)」(2021年5月8日付以降 2週)

「Die For You (with ザ・ウィークエンド)」(2023年3月11日付 1週)

「Yes, And?」(2024年1月27日付 1週)

「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」(2024年3月23日付 1週)

またアリアナ・グランデの首位獲得曲数はビヨンセケイティ・ペリーと並び女性ソロ歌手では7番目に多い記録に。最多はマライア・キャリーの19曲であり、リアーナ(14曲)、マドンナ(12曲)、ホイットニー・ヒューストンおよびテイラー・スウィフト(11曲)、ジャネット・ジャクソン(10曲)と続きます。なお男性歌手も含む最多はザ・ビートルズの20曲となります。

 

「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」はアリアナ・グランデがマックス・マーティンおよびイリヤ・サルマンザデー(米ビルボードの記事では"ILYA"と表記)と共同にてプロデュースおよびソングライトを手掛けた作品であり、アリアナは今作にてソングライターとして9曲目、プロデューサーとしては「Yes, And?」に次ぐ首位を獲得。イリヤにとってはソングライター/プロデューサーの双方において、サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」(2022 1週首位)、「Yes, And?」に続く3曲目の首位に。

そしてマックス・マーティンにおいてはプロデューサーとして25曲目の首位を獲得し、プロデューサーとして史上最多を更新しています(マックスは「Yes, And?」が首位を獲得した段階でジョージ・マーティンの23曲を上回っています)。

<プロデューサーによる最多首位獲得曲数>

・25曲 マックス・マーティン

・23曲 ジョージ・マーティン

・18曲 ドクター・ルーク

・16曲 ジミー・ジャム

・16曲 テリー・ルイス

またソングライターとして、マックス・マーティンは首位獲得曲数が27曲となり、ジョン・レノンを抜き単独2位に。ポール・マッカートニーが32曲で最多となります。なおポールおよびジョンはザ・ビートルズによる首位獲得20曲すべてを手掛けています。

<ソングライターによる最多首位獲得曲数>

・32曲 ポール・マッカートニー

・27曲 マックス・マーティン

・26曲 ジョン・レノン

・18曲 マライア・キャリー

・18曲 ドクター・ルーク

マックス・マーティンによる最初の首位獲得曲はブリトニー・スピアーズのデビュー曲「...Baby One More Time」。プロデューサー/ソングライターの双方に関わったこの曲は25年前の1999年1月30日付にてソングチャートを制しています。

 

タイトルに”friends”が付く曲での首位獲得は、アリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」が2曲目。ディオンヌ & フレンズ(エルトン・ジョン、グラディス・ナイト & スティーヴィー・ワンダー)「That's What Friends Are For」(首位獲得は1986年)が曲目のみならず歌手名にも記載されています。

”friend”(単数形)も含めると、首位獲得は5曲に。ジ・エンジェルズ「My Boyfriend's Back」(1963)、ジェイムス・テイラー「You've Got A Friend」(1971)、アヴリル・ラヴィーン「Girlfriend」(2007)が加わります。

(ちなみに”enemy”という単語を含む曲は首位を獲得していません。最高位はイマジン・ドラゴンズ「Enemy」の5位(2022年4月)となります。)

タイトルに”love"が付く曲では、ジョーシュ・シックスエイトファイヴ、ジェイソン・デルーロBTS「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」(2020年10月 1週)以来の首位獲得となります。

 

アリアナ・グランデは最新3月23日付米ビルボードアルバムチャートにおいて『Eternal Sunshine』が初登場で首位を獲得。アリアナは7枚のオリジナルアルバムからの先行曲がすべてトップ10内に初登場を果たしたことになります。

アリアナ・グランデ、各アルバムからのリード曲における初登場および最高位>

・『Yours Truly』「The Way (feat. マック・ミラー)」 初登場10位/9位 (2013)

・『My Everything』「Problem (feat. イギー・アゼリア)」 初登場3位/2位 (2014)

・『Dangerous Woman』「Dangerous Woman」 初登場10位/8位 (2016)

・『Sweetener』「No Tears Left To Cry」 初登場3位/3位 (2018)

・『Thank U, Next』「Thank U, Next」 初登場1位/1位 (2018)

・『Positions』「Positions」 初登場1位/1位 (2020)

・『Eternal Sunshine』「Yes, And?」 初登場1位/1位 (2024)

 

4バッツ(4Batz)「Act II: Date @ 8」が61→7位に上昇。3月8日にドレイクを迎えたリミックスが登場したに伴う上昇であり、リミックスがポイント全体の過半数を占めたことで歌手名にはドレイクも併記されています。ストリーミングは前週比187%アップの1990万、ダウンロードは同590%アップの1,000、ラジオは同37%アップの840万を記録し、トップストリーミングゲイナーを獲得しています。

ダラス出身の4バッツにとっては初のトップ10入り、そしてドレイクは自身の持つ最多記録を77曲に更新しました。

<米ビルボードソングチャート トップ10ヒット曲数>

77曲 ドレイク

49曲 テイラー・スウィフト

38曲 マドンナ

35曲 ザ・ビートルズ

32曲 リアーナ

30曲 マイケル・ジャクソン

29曲 エルトン・ジョン

28曲 マライア・キャリー

28曲 スティーヴィー・ワンダー

27曲 ジャネット・ジャクソン

26曲 ジャスティン・ビーバー

25曲 リル・ウェイン

25曲 エルヴィス・プレスリー

(エルヴィス・プレスリーは1958年8月のチャート開始前よりキャリアがスタート。)

「Act II: Date @ 8」はホットR&Bソングチャート(2012年開始)でも7→1位に。4バッツにとっては初、ドレイクは9曲目となる首位を獲得しています。

(なお、タイトルに"@"を含む曲のトップ10入りは今回が初。2020年5月に35位を記録したプレイボーイ・カルティ「@ Meh」がこれまで唯一のトップ40ヒットでした。)

 

初のトップ10入り以外の作品をみると、テディ・スウィムズ「Lose Control」が2位をキープ。ダウンロードは前週比52%ダウンの12,000となり、同指標通算3週目の首位を獲得しています。

ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」は3→5位に後退。ラジオは前週比2%ダウンの7520万となり、同指標9週目の首位を記録しています。

またアリアナ・グランデ「Yes, And?」は31→10位に上昇しトップ10返り咲き。ストリーミングは前週比110%アップの1730万に達しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) アリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」

2位 (2位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

3位 (4位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

4位 (1位) イェー(カニエ・ウェスト) & タイ・ダラー・サイン feat. リッチ・ザ・キッド & プレイボーイ・カルティ「Carnival」

(※ "プレイボーイ・カーティ"と表記するメディアも)

5位 (3位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

6位 (5位) ビヨンセ「Texas Hold 'Em」

7位 (61位) 4バッツ feat. ドレイク「Act II: Date @ 8」

8位 (6位) テイト・マクレー「Greedy」

9位 (7位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

10位 (31位) アリアナ・グランデ「Yes, And?」

 

なお、アリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」が76曲目となる米ビルボードソングチャート初登場曲については、下記リンク先にてリスト化されています。

またアリアナ・グランデ『Eternal Sunshine』からは、98歳となる祖母のノンナ(マージョリー・グランデ)をフィーチャーした「Ordinary Things」が55位に初登場を果たしています。ノンナは米ビルボードソングチャートが1958年8月4日付で開始して以降、最高齢での100位以内登場歌手となりました。

これまでの記録はグリーン・シュー・スタジオ feat. ジェイコブ・コーガン & フレッド・ストバウ「Oh Sweet Lorraine」(2013年9月14日付 42位)におけるフレッドの96歳が最高齢でした。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。3月23日付ではアリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」がGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方を初登場で制しています。

アリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」はGlobal 200においてストリーミング9750万、ダウンロード14,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング6550万、ダウンロード5,000を記録しています。なおGlobal 200にて「Yes, And?」が初登場した際、同曲はストリーミング9440万を記録していました。

アリアナ・グランデはGlobal 200において、「Positions」(2020年11月 2週)、ザ・ウィークエンドとの「Save Your Tears」(2021年5月 1週)、「Yes, And?」(2024年1月 2週)に続く4曲目の首位を獲得。ソロ歌手ではバッド・バニー、テイラー・スウィフトに並び最多首位獲得歌手となりました(なおグループも含めればBTSの7曲が最多となります)。またGlobal Excl. U.S.では「Positions」(2020年11月 1週)、「Yes, And?」(2024年1月 2週)に続く3曲目の首位に。ソロ歌手ではバッド・バニー、ジョングクと並び最多首位獲得歌手となり、グループも含めればBLACKPINKとも同数となります。なおこちらのチャートにおいても最多はBTSの7曲となります。

 

(元記事には動画はありませんが、今回掲載しています。)

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」がGlobal Excl. U.S.で6→3位に上昇し、トップ3返り咲き。またGlobal 200では13→8位となり初のトップ10入りを果たしています。そのGlobal 200ではストリーミングが前週比72%アップの5390万、ダウンロードが同48%アップの19,000を記録しています。