イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2022年12月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2022年12月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。Spotifyを利用し、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソングス(選出企画)となります。個人的な作品への思い入れについて、音楽チャート紹介時には乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 KEISUKE SAITO「Time Forest」

Shimon Hoshinoさんとのユニット、Osteoleuco(オステオロイコ)としても活動するKEISUKE SAITOさんのインストゥルメンタル曲。オステオロイコが2つの病気の造語であり、いずれも罹患しているということを知ってショックを覚えたのですが、この曲から感じるのは永遠の美しさ。病気を知って尚の事、ずっとこの曲を奏でてくださることを強く願うばかりです。

 

9位 ザ・ミレニアル・クラブ「Pray For Me」

KEISUKE SAITO「Time Forest」にも通じる美しい曲を続けて。南カリフォルニア出身の3人組が昨年夏にリリースした4曲入りEP『When It’s Just You & I』のデラックスエディションに追加したのが「Pray For Me」。後半リズムが変わり、ほんのわずかにレイ・ハラカミさんらしさを加えた音が挿入されるのが肝。あまりに美しすぎてとりこになりました。

 

8位 シザ「Gone Girl」

現在米ビルボードアルバムチャートで3連覇中のシザ『SOS』に収録された、うっすらとゴスペルフィーリィングを添えた作品。プロデュースにはジェフ・バスカーが起用されており、なるほどこの普遍的な美しさと力強さの融合はファン. feat. ジャネル・モネイ「We Are Young」や初期ゴアペレの系譜だなと実感します。

 

7位 リトル・シムズ「Gorilla」

突如リリースされたアルバム『No Thank You』は既に好事家の間で高い評判を集めている模様。リリックを深く追う必要はあるものの、トラックひとつを取っても凝り方が凄まじく、陳腐な表現ですがローリン・ヒルを聴いたときの衝撃に似ているというのが作品に触れた第一印象です。

 

6位 DURDN「年の瀬に」

DURDN(ダーダン)による年末色溢れる作品を選出。サビや大サビの韻を踏むようで母音が全く異なるところが一箇所挿入されていることに個人的には若干の違和感が拭えないものの、メロディや歌詞、アレンジや歌声の一体感は没入度高く、特に上モノのブラス(的シンセ?)がキーを上げ、ボーカルといい意味で乖離した大サビに惹かれます。

 

5位 三浦透子blur and flower」

話題作への出演を続け、昨年秋クールでは『エルピス—希望、あるいは災い—』にも登場した三浦透子さんによるセカンドミニアルバム『点描』収録曲。シンセポップと全編に挿入したサックスという好対照のふたつが絶妙に絡み合い、美しさや浮遊感をまといながらも芯のある音に。プロデュースやソングライトを手掛けた剣持学人さんの名前、覚えておこうと思います。

 

4位 シンリズム「あいつのLIFE」

昨年11月23日にリリースされたサードアルバム『Música Popular Japonesa』収録曲。Monday Spinプレイリストで知ったと記憶しています。使い古された表現ながら、歌声や曲展開、ベースライン等から感じる"キリンジらしさ"が素晴らしいのみならず、1番終了後のラウンジミュージック的なピアノの挿入にも魅了。この手のピアノは自分が好むサウンドだけに、してやられました。

 

3位 KARA「Queens」

KARAの再結成自体が大きなサプライズでしたが、復活作となったEP『Move Again』に日本限定トラックとして収録された「Queens」の格好良さたるや。ネプチューンズを思わせるいい意味で奇怪なトラックに、歌詞のもつ可愛さと自信とが見事にハマっています。それにしてもK-POPアクトの日本限定曲、韓国語や英語詞曲に引けを取らないものが増えたという印象です。

 

2位 ライアン・デスティニー「How Many」

俳優として『STAR 夢の代償』シリーズ等で活躍するライアン・デスティニーの、おそらくは久々となるシングル。アリーヤ以降のクールネスを2020年代サウンドに沿わせています。ファルセットはじまりの曲ながらサビで最も落ち着くというギャップの創出も見事。

 

1位 FLO「Losing You」

イギリス出身のボーカルグループ、FLOのミッドを最高位に。英BBCによる"Sound Of 2023"で1位を獲得したことが報じられたばかりで、来るべきアルバムに注目しないわけにはいきません。

1990年代回帰の動きはここ最近のトレンドながらそれをR&Bグループが行うことは大きな意味があり、そしてただの懐古主義ではないことをブラッシュアップされたサウンドが証明。プロデュースを務めるMNEKの手腕は流石です。個人的にはSWVやブラウンストーンのようなボーカルの力強さが備わるとなお嬉しいところです。

 

 

以下、次点として10曲。

・aimi「You Are」

カワサキケイ「電脳」

・柴田聡子「雑感 (KID FRESINO Remix)」

・和久井沙良 feat. Pecori (ODD Foot Works)「Calming Influence」

・バッドバッドノットグッド feat. ララージ「Unfolding (Momentum 73) (Ron Trent Remix)」

brb. & HYBS(ハイブス)「No One」

・フル・クレート、マリア「Beh Beh」

・ジョイ・アノニマス「JOY (God Only Knows)」

・ラッキー・デイ「Magic」

ノラ・ジョーンズ with ロジック「Fade Away (from "Norah Jones is Playing Along" Podcast)

12月はリミックスを2曲に加えてポッドキャスト収録のセッション曲を選出。面白いのは柴田聡子「雑感」のKID FRESINOさんによるリミックスで、唯一残された歌詞に"そこだけ残したのか"と衝撃を受けつつ、このような歌詞でも柴田聡子さんならば様になるのだと再認識した次第です。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。