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【海外ビルボード】米は「Paint The Town Red」が連覇、グローバルは「3D」が初登場で首位を獲得

現地時間の10月9日月曜に発表された、最新10月14日付米ビルボードソングチャート(集計期間:9月29日~10月5日)。ドージャ・キャット「Paint The Town Red」が2週連続、、通算3週目の首位を獲得しました。

ドージャ・キャット「Paint The Town Red」はストリーミングが前週比15%ダウンの2330万(同指標2位)、ダウンロードが同9%ダウンの6,000(同指標4位)、ラジオが同18%アップの6180万(同指標5位)を記録。ラジオにおいては3週連続でトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

シザ「Snooze」が2位をキープ。ストリーミングは前週比5%ダウンの1650万、ダウンロードは同5%ダウンの2,000、ラジオは同4%アップの7580万を記録し、ラジオ指標では3→1位に上昇。これによりシザはラジオ指標4曲目のトップ10入りにして同指標初制覇を果たしました(これまでのラジオ指標におけるトップ10ヒットはマルーン5に客演参加した「What Lovers Do」(2017 5位)、ドージャ・キャットにフィーチャーされた「Kiss Me More」(2021 2位)および自身の「Kill Bill」(2023年4月 2位))。

「Paint The Town Red」および「Snooze」は共にRCAレコード発の作品であり、2週続けてトップ2を占めています。RCAは2010年代初頭からソニーミュージックの傘下となっていますが、前週が初のトップ2独占となります。

 

テイラー・スウィフト「Cruel Summer」が4→3位となり同曲最高位に返り咲いたことで、「Paint The Town Red」「Snooze」と共にトップ3すべてが女性歌手による作品に。これは今年3月4日付(マイリー・サイラス「Flowers」、シザ「Kill Bill」およびピンクパンサレス & アイス・スパイス「Boy's A Liar Pt. 2」)以来、またソロの女性歌手による作品だけでトップ3を占めたのは今年2月4日付(「Flowers」「Kill Bill」およびテイラーによる「Anti-Hero」)以来となります。

 

ジョングク(JUNG KOOK) feat. ジャック・ハーロウ「3D」が5位に初登場。ストリーミング1360万、ダウンロード87,000およびラジオ310万を記録しており、ダウンロードにおいてはフィジカルセールスも含まれます。9月29日にオリジナルバージョン、”Alternate”版およびインストゥルメンタル版が、10月2日にはA・G・クック(A.G.クックと表記するメディアも有り)によるリミックスやクリーンバージョン、スピードアップ(Sped Up)ならびにスローダウン(Slowed Down)のリミックスもリリースされています(米や後述するグローバルチャートではいずれのバージョンも合算されます)。なお「3D」はダウンロード指標で首位を獲得しており、この指標の制覇はジョングク、ジャック・ハーロウ共に3曲目となります。

ジョングクはBTSメンバーの中で初めてソロとして複数曲がトップ10入り、またジャック・ハーロウは4曲目のトップ10ヒットとなりました。BTSメンバーによるソロ曲でのトップ40ヒットを以下に掲載。なおBTSは15曲をトップ40内に送り込み、うち10曲がトップ10入り、6曲が首位に達しています。

BTSメンバーのソロ活動における米ビルボードソングチャートトップ40ヒット>

・1位 (1週) ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月29日付)

・1位 (1週) JIMIN「Like Crazy」(2023年4月8日付)

・5位 ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」(2023年10月14日付)

・22位 チャーリー・プース feat. ジョングク「Left And Right」(2022年7月9日付)

・29位 ジュース・ワールド & SUGA「Girl Of My Dreams」(2021年12月25日付)

・30位 JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月1日付)

 

ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」は総合で5→6位に後退。ストリーミングは前週比5%ダウンの2520万となり、同指標4週目の首位を獲得しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ドージャ・キャット「Paint The Town Red」

2位 (2位) シザ「Snooze」

3位 (4位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

4位 (3位) ルーク・コムズ「Fast Car」

5位 (初登場) ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」

6位 (5位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

7位 (6位) モーガン・ウォレン「Last Night」

8位 (8位) ガンナ「Fukumean」

9位 (7位) オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」

10位 (9位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月14日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.共にジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」が初登場で首位を獲得しています。

ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」はGlobal 200においてストリーミング1億430万、ダウンロード119,000を記録。ジョングクにとってはラトーを迎えた「Seven」に次ぐソロ2曲目の首位獲得となり、2曲とも来月3日リリース予定のアルバム『Golden』に収録予定です。そして今回の首位獲得により、BTSメンバーによるソロ曲のトップ10ヒットは9曲となりました。なおBTSとしては11曲がトップ10入り、うち7曲が首位を獲得しています。

BTSメンバーのソロ曲 Global 200におけるトップ10ヒット>

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 5位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 5位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 10位)

・ジョングク「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 8位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・V「Slow Dancing」(2023年9月 4位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 7週1位)

・ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」(2023年10月 1位)

Global Excl. U.S.では「3D」がストリーミング9100万、ダウンロード70,000を記録し、同じく初登場で首位に。ジョングクはソロとして2曲目の首位を獲得しています。これによりこのチャートでのBTSメンバーによるソロ曲のトップ10ヒットは13曲に。BTSとしては11曲がトップ10入り、うち7曲が首位に至っています。

BTSメンバーのソロ曲 Global Excl. U.S.におけるトップ10ヒット>

・ジョングク「Stay Alive」(2022年2月 8位)

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 2位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 2位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 6位)

・ジョングク「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 4位)

・TAEYANG feat. JIMIN「Vibe」(2023年1月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 5位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 9週1位)

・V「Love Me Again」(2023年8月 6位)

・V「Rainy Days」(2023年8月 8位)

・V「Slow Dancing」(2023年9月 4位)

・ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」(2023年10月 1位)

「3D」に客演参加したジャック・ハーロウは、双方のチャート共に初の首位を獲得。Global 200においてはトップ10ヒットが3曲となりました。

Global Excl. U.S.にて、ジョングクはラトーを迎えた「Seven」が2位をキープしており、このチャートにおいてソロ歌手として初めて、トップ2に同時ランクインを果たしています。グループとしてはBTS(2020年12月5日付にて「Life Goes On」および「Dynamite」が)、ならびにBLACKPINK(2022年10月1日付にて「Shut Down」および「Pink Venom」が)の2組が達成しています。

 

Global 200ではテイト・マクレー「Greedy」が4位をキープし、ストリーミングは前週比34%アップの5190万、ダウンロードは同63%アップの4,000を記録しています。またGlobal Excl. U.S.では7→4位に上昇し、キャリア初のトップ5ヒットに至っています。

 

イニゴ・クインテロ(Iñigo Quintero)「Si No Estás」がGlobal Excl. U.S.にて129→9位に上昇。ストリーミングは前週比190%アップの3280万を記録しています。スペイン出身のシンガーソングライターにとって初のトップ10ヒットとなったこの曲はTikTokやインスタグラムで話題となり、前週米ビルボード関連チャートにてキャリア初のエントリーを果たしています。また同曲は最新の米ビルボードによるスペインソングチャートにて初の首位に至っています。