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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米でモーガン・ウォレン返り咲き、グローバルはメキシコ曲が席巻し「アイドル」も上昇

現地時間の5月1日月曜に発表された、最新5月6日付米ビルボードソングチャート(集計期間:4月21~27日)。モーガン・ウォレン「Last Night」が2週ぶり、通算4週目の首位を獲得しました。

モーガン・ウォレン「Last Night」はストリーミングが前週比4%ダウンの3370万(同指標7週目の首位)、ダウンロードが同9%ダウンの10,000(同指標4位)およびラジオが同20%アップの4770万(同指標7位)を記録。ラジオ指標のトップ10入りは昨年10月の「You Proof」(10位)に次ぐ2曲目。そのラジオでは4週連続でトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

「Last Night」は、米ビルボードソングチャートと同様の計算方法を採るホットカントリーソングチャートでも通算12週目の首位を獲得。ソングチャート(Hot 100)とホットカントリーソングの双方で首位、さらにソングチャートの構成3指標のいずれも同時にトップ10入りを果たしたのはモーガン・ウォレン「Last Night」が初となります。

ビルボードソングチャートとホットカントリーソングチャートの双方を制したのは「Last Night」が20曲目ですが、「Last Night」はふたつのチャートにおいて首位獲得週数が16となり、ジョニー・ホートン「The Battle Of New Orleans」(1959 ソングチャート6週首位/ホットカントリーソングチャート10週首位)に並ぶ最長タイとなりました。

<米ビルボードソングチャートおよびホットカントリーソングチャート双方を制した曲>

モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)(ソングチャート4週首位/ホットカントリーソングチャート12週首位)

テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」(2021)(1週/3週)

テイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」(2012)(3週/10週)

ローンスター「Amazed」(1999-2000)(2週/8週)

ケニー・ロジャース duet with ドリー・パートン「Islands In The Stream」(1983)(2週/2週)

・エディ・ラビット「I Love A Rainy Night」(1981)(2週/1週)

ドリー・パートン「9 To 5」(1981)(2週/1週)

ケニー・ロジャース「Lady」(1980)(6週/1週)

グレン・キャンベル「Southern Nights」(1977)(1週/2週)

・C.W.マッコール「Convoy」(1975-1976)(1週/6週)

ジョン・デンバー「I'm Sorry」(1975)(1週/1週)

グレン・キャンベル「Rhinestone Cowboy」(1975)(2週/3週)

ジョン・デンバー「Thank God I'm A Country Boy」(1975)(1週/1週)

・フレディ・フェンダー「Before The Next Teardrop Falls」(1975)(1週/2週)

・B.J.トーマス「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(1975)(1週/1週)

・チャーリー・リッチ「The Most Beautiful Girl」(1973)(2週/3週)

・ボビー・ゴールズボロ「Honey」(1968)(5週/3週)

・ジミー・ディーン「Big Bad John」(1961)(5週/2週)

マーティ・ロビンス「El Paso」(1959-1960)(2週/7週)

・ジョニー・ホートン「The Battle Of New Orleans」(1959)(6週/10週)

 

前週初の首位を獲得したシザ「Kill Bill」は2位に後退しましたが、同曲はホットR&B/ヒップホップソングチャートで18週目、ホットR&Bソングチャートで19週目の首位を獲得。前者においては1958年以降、女性主演曲においてメアリー・J. ブライジ「Be Without You」(2006 15週)を上回り最高記録を更新していますが、全体においても歴代2位タイとなりました。

<ホットR&B/ヒップホップソングチャート 15週以上首位獲得曲>

20週 リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019)

18週 シザ「Kill Bill」(2022-2023)

18週 リル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」(2021-2022)

18週 ドレイク feat. ウィズキッド & カイラ「One Dance」(2016)

16週 ロビン・シック feat. T.I. & ファレル「Blurred Lines」(2013)

15週 メアリー・J. ブライジ「Be Without You」(2006)

 

マイリー・サイラス「Flowers」は3位をキープ。ラジオは前週比1%ダウンの9160万となり、同指標11週目の首位に。またポップエアプレイチャート、アダルトポップエアプレイチャートおよびアダルトコンテンポラリーチャートにて同時に、4週目の首位を獲得しています。これら3つの部門別チャートで同時に、複数週首位を獲得したのはセリーヌ・ディオン「Because You Loved Me」(1996 5週)、アデル「Hello」(2015 4週)に続き「Flowers」が3曲目となります。

 

エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」が5→4位となり、メキシコの曲として米ビルボードソングチャート65年近い歴史において最高位を更新しました。

こちらもメキシコの曲である、グルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」が15→5位に上昇し、同曲初のトップ10入り。ストリーミングは前週比44%アップの2860万となりトップストリーミングゲイナーを獲得したほか、ダウンロード3,000、ラジオ630万をそれぞれ記録しています。メキシコの6人組であるグルーポ・フロンテラ(テキサス出身)は昨年10月以降ソングチャートに6曲を送り込んでいますが、今回が初のトップ10入り。バッド・バニーにおいては9曲目のトップ10入りとなります。

ビルボードソングチャートではこれまで5,000以上の曲がトップ10入りを果たしていますが、曲名もしくは歌手名にタイトルに”100 (Hundred)”が入った作品のトップ10入りはジーン・マクダニエルズ「A Hundred Pounds Of Clay」(1961 3位)および100プルーフ・エイジド・イン・ソウル「Somebody's Been Seeping」(1970 8位)に続き、「Un x100to」が3曲目となります。

(なお米ビルボードや、後述するグローバルチャートの記事では記載されていませんが、グルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」は4月17日にリリースされており、当週は初の1週間フル加算となります。)

 

テイラー・スウィフトAnti-Hero」が11→10位となりトップ10返り咲き。昨年11月から今年1月にかけて通算8週首位を獲得したこの曲は「Blank Space」(2014-2015 7週)を上回り自身最長の首位獲得週数を記録しましたが、「Anti-Hero」はトップ10入り週数においても「Shake It Off」(2014-2015 24週)を上回る25週となり、自身の記録を更新しました。なおトップ10入り週数記録においては「Blank Space」(2014-2015 17週)、「You Belong With Me」(2009 16週)、「I Knew You Were Trouble」(2012-2013 16週)と続きます。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) モーガン・ウォレン「Last Night」

2位 (1位) シザ「Kill Bill

3位 (3位) マイリー・サイラス「Flowers」

4位 (5位) エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola

5位 (15位) グルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」

6位 (7位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

7位 (6位) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」

8位 (8位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」

9位 (10位) ピンクパンサレス & アイス・スパイス「Boy's A Liar Pt.2」

10位 (11位) テイラー・スウィフトAnti-Hero

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート、5月6日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方でグルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」が初の首位を獲得しました。

2020年9月のチャート新設以降、グローバルチャートでメキシコの曲が首位を獲得するのはGlobal Excl. U.S.では初、Global 200では前週初の首位を獲得したエスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」に次ぐ2曲目となります。そして「Un x100to」、「Ella Baila Sola」およびヤング・ルキャス & ペソ・プルマ「La Bebe」が双方のチャートでそれぞれ1位、2位および3位となり、メキシコの曲(およびスペイン語曲)が双方のチャートでトップ3を占めたのはチャート新設以降初となります。

グルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」はGlobal 200においてストリーミングが前週比64%アップの1億1020万、ダウンロードが同13%ダウンの4,000を、Global Excl. U.S.においてはストリーミングが前週比73%アップの8230万、ダウンロードが同17%アップの1,000を、それぞれ記録しています。

双方のグローバルチャートにおいてグルーポ・フロンテラは初制覇を果たし、プエルトリコ出身のバッド・バニーにおいてはジェイ・コルテスとの「Dákiti」(2020年11-12月 Global 200で3週、Global Excl. U.S.で5週首位)に次ぐ2曲目の首位となります。

スペイン語のみによる曲でGlobal 200を制したのはバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」(2020 3週)、ビザラップ & ケベード「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(2022 4週)およびカロルG & シャキーラ「TQG」(2023年3月 1週)、エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」(2023年4月 1週)に続き、グルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」が5曲目となります。またGlobal Excl. U.S.におけるオールスペイン語作品の首位獲得はマルーマ & ザ・ウィークエンド「Hawái」(2020 1週)、バッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」(2020 5週)、アニッタ「Envolver」(2022 1週)、ビザラップ & ケベード「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(2022 6週)およびカロルG & シャキーラ「TQG」(2023年3月 1週)に続き「Un x100to」が6曲となります。

 

エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」はGlobal 200で2位に後退しましたが、ストリーミングは前週比9%アップの1億420万、ダウンロードは同5%アップの3,000を記録しています。

 

YOASOBI「アイドル」が前週Global Excl. U.S.でトップ10入りしたのに続きGlobal 200でも14→10位に登場。ストリーミングは前週比20%アップの4570万、ダウンロードは同4%ダウンの25,000を記録しています。YOASOBIのGlobal 200におけるトップ10入りは初、日本語曲自体においてもLiSA「炎」(2020年10月 8位)に続く2曲目のトップ10ヒットとなります。なお「アイドル」はGlobal Excl. U.S.で5位をキープしています。

 

デイヴィッド・クシュナー「Daylight」がGlobal Excl. U.S.で14→9位に。ストリーミングは前週比17%アップの3330万を記録し、シカゴ出身のデイヴィッドにとって同チャート初のトップ10入りを果たしています。