年末年始の休み期間中にレンタルCDショップを回ってみましたが、CDを巡る環境が悪化している、そして今後さらに悪化するのではと感じずにはいられませんでした。
およそ1年3ヶ月前にアップしたブログエントリーが、今でもアクセス数を獲得しています。
TSUTAYA弘前店ではレンタルに使われたCDの中古販売を、上記エントリーで紹介して以降も続けています。またこのキャンペーンは自分の知る限り、青森市やつがる市、秋田県大館市でも行われており、少なくとも大館市では再度実施されています。レンタルに使われたCDを全国から集めて販売するというTSUTAYAの手法は、閉店やレンタル事業の撤退が影響しているものと思われます。
今年秋にはトップカルチャーが運営する店舗からレンタル事業がなくなることで、レンタルに使われたCDの中古販売がさらに増える(TSUTAYA側が在庫を抱える)ものと思われます。最終的にはTSUTAYA全店でレンタル事業が消える可能性もゼロではなく、この状況は注視しなければなりません。そして以前のエントリーでも書きましたが、売場に集まるのは年配の方が大半という印象は変わりません。
・中古CDの店内販売、GEOで終了か
他方、GEOにおいても動きが。自分が知る限り弘前市、黒石市、五所川原市そして青森市といった青森県津軽地方のGEOでは2月26日日曜をもって中古CD(レンタルに使われたものではない)の取り扱いを終了することが店内張り紙にて掲示され、1月29日までは全品50%オフ、1月30日から2月26日までは全品80%オフで販売されています。なお、CDの買取自体は全店舗で既に終了しています。
ともすればGEOでは、全店舗にて中古CDの安価販売を行っているかもしれません。スマートフォンやパソコン等の中古販売等も行いTSUTAYAと差別化を図っているGEOの動向も、気になるところです。
・紅白の反響がCDセールスに及んでいるとは言い難い
レンタルや中古CDの苦境を踏まえ、ならば中古ではないCDの販売が伸びているかと言われればそうとは言えないでしょう。
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— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年1月5日
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— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年1月5日
上記は1月11日公開分(集計期間:1月2~8日)における前半3日間のフィジカルセールス速報。昨年大晦日の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)で話題となったVaundyさんや藤井風さん等の作品は5位以内に入っておらず、サブスクの動きと大きく異なります。またシングルでは紅白に出場した2組が5位以内に入っていますが、披露曲とは異なります。そしてアルバムチャートに話を戻すと、5位の売上は4千枚強と多くはありません。
2002年の紅白にて「地上の星」を披露した中島みゆきさんが紅白効果に伴い登場から130目にしてオリコン週間シングルランキングを制したことに代表されるように、以前は紅白の影響がフィジカルセールスに反映されていました。しかし、たとえば一昨年の紅白効果(下記ブログエントリー参照)は接触指標に、そして所有指標においてはダウンロードにとりわけ大きく反映されたというのが実情です。
結果は1月11日に明らかになり、また元日までを集計期間とする1月4日公開分は年末年始進行の関係上1月10日に発表されます。その結果如何では、デジタル未解禁歌手が少なくとも過去作品のデジタルアーカイブ化について前向きに考える必要があるでしょう。
最後に。私事ですが、新譜CDを買うことはここ数年で大きく減っています。そもそもR&B好きな身にとってフィジカルをリリースする歌手が減っていること、そしてフィジカルをリリースしても後日デラックスエディションがリリースされる傾向が増え、オリジナル版を買うことに躊躇いを覚えてしまうことがその理由です。
尤も、フィジカルはコスト面でメリットが少ないとしてデジタルのみ展開する歌手も少なくありません。またフィジカルがコアファン向けグッズ的な側面もあると考えれば、デラックスエディションの投入はアナログリリース共々コアファンを惹き付けるものとして有効と言えるでしょう。
レンタルCDの動向等を踏まえ、個人的にはフィジカルとの付き合い方も見直す必要があると感じています。