イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米津玄師やDISH//の記録報道、そのタイムラグに違和感…音楽メディアの迅速な対応を求める

今週月曜夜、米津玄師「KICK BACK」がSpotifyのグローバルデイリーチャートでトップ50入りを果たしたことが音楽メディアから発信されました。当初はこの発信を歓迎したものの、同種の記事が登場する度に違和感を覚え、高まっていった自分がいます。

同種の記事は他のメディアからも登場(「米津玄師 KICK BACK Spotify グローバル」の検索結果 - Yahoo!ニュースから判ります)。米津玄師さんのスタッフはビルボードジャパンのツイートを引用する形で御礼を述べています。

無論これは素晴らしい記録です。しかしながら、10月13日付のSoftlyグローバルチャートでトップ50入りを果たしたことは、翌日夜の段階で既に判明していたことでした。

ゆえに今回の記録達成は10月14日夜、遅くとも翌15日に報じられていたならばよかったはずです。上記ツイート内記事の内容は似通っておりその点にも違和感を覚えたのですが(たとえばビルボードジャパンにはオリコンのダウンロード記録が未記載となる等、メディアによって表記は少しずつ異なります)、ビルボードジャパンの表記に今回の記事発信遅延や類似のヒントがあるものと捉えています。

つまりは、レーベル(レコード会社)側のプレスリリースが届いたことで、メディアがそれに基づき一斉に記載したという体制が見えてくるのです。

 

同種の現象が、昨日のDISH//「猫」における10億回再生という報道にも表れています(「DISH// 猫 10億」の検索結果 - Yahoo!ニュースにて、複数のメディアが発信していることが判ります。なおYahoo! JAPANのニュースに登場しない音楽メディアもあります)。記事にある10億回はビルボードジャパン等との基準と異なっており、その点からも10億のインパクトを際立たせる姿勢が見て取れると感じます。

このタイミングでの報道や記事の内容からは、新曲訴求の姿勢も感じられます。それが問題だとは思いませんが、10月14日時点で10億4千万回を超えていたならばその数日前には既に10億回に達していたと思われるため、10億回達成直後に偉業達成を発信すればよかったのではないでしょうか。尤もこの数字を把握できるところは限られているとして、しかしもっと迅速に伝えることはできたはずです。

 

 

DISH//「猫」の累計10億回再生についても、プレスリリースが記事掲載のきっかけになったことでしょう。しかし厳しい見方をするならば、”プレスリリースがなければ掲載しないのでは”、そして”そもそも気付かないのでは”という疑問が浮かぶのです。素晴らしい記録を打ち立てたならば尚の事、迅速といえない今回の発表に疑問を抱くと共に、音楽メディアのアンテナや嗅覚についても強い違和感を覚えるのです。

実際、藤井風さんが先週末に行ったスタジアムライブについてもメディアでは記事になっていないようです(「藤井 風」の検索結果 - Yahoo!ニュース参照)。ともすれば音楽関連報道にはプレスリリースが欠かせず、レコード会社によって取組に差があるのではと感じています。これ自体はレコード会社の課題となりますが、やはり音楽メディアがプレスリリースに頼らず音楽チャートへの関心を持ち続けて発信する姿勢が問われます。