イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米津玄師「LADY」本日解禁…リリース前の話題の確立およびリリースタイミングに歌手側の施策を強く感じる

米津玄師「LADY」が本日リリースされました。

この曲のリリースに、またも米津玄師さん側による施策への意識の強さを感じています。

 

米津玄師「LADY」はジョージアCMソングとして書き下ろされています。

新CMの発表は3月15日。曲名と共に上記動画も公開されたことで、この動画が「LADY」のティザー(ティーザー)的な意味も兼ねていると感じます(なおテレビCMは本日よりOA)。

そしてこの日は新しいアーティスト写真をアップし、「LADY」が”近々”リリースされることを訴求しています。ネット上ではこのアー写自体にも注目が集まりました。

そして音源リリースの前日にはタイアップを意識したような缶の画像がアップされましたが、このバーコードが”03210000”を示しており、公開の翌日午前0時に何かが起こるという話題が拡がっていきました。この謎解き的なアプローチは以前にも行われていました。

米津玄師さんは「LADY」の音源リリースこそサプライズと言えるかもしれませんが、CMの形でティザーが用意されたこと、新たなアー写公開で話題を集めたこと、そして解禁直前の謎解き要素の投入により解明した方(やそれを共有した方)がリリース日時を強く認識するに至ったことにおいて、リリースまでに話題を確立していくためのスケジュール設定等施策の巧さを感じることができます。

 

加えて、米津玄師「LADY」のリリースタイミングは、ビルボードジャパンソングチャートの最上位を狙うのに絶好の機会といえます。

以下は2022年度以降のビルボードジャパンソングチャート首位曲リスト。昨秋以降は米津玄師「KICK BACK」そしてOfficial髭男dism「Subtitle」が強い状況が続いていましたが、それでもフィジカルセールスが強い作品の首位獲得は少なくありません。

一方、次週3月29日公開分(集計期間:3月20~26日)においてはフィジカルセールスが10万枚を超える作品はおそらく登場しないものと思われます。

昨年度は米津玄師「M八七」および「KICK BACK」が週間獲得ポイントでワンツーを達成。いずれもフィジカルセールス初加算時の記録ですが、一方でデジタル初加算週には「M八七」が6,921ポイント(2022年5月18日公開分、金曜リリースにつき3日分が加算対象)、「KICK BACK」が15,526ポイント(2022年10月19日公開分、水曜リリースにつき5日分が加算対象)を獲得しています。「LADY」はミュージックビデオが未公開ながら、6日分が加算対象となる3月29日公開分では1万ポイント超えも期待できるかもしれません。

 

米津玄師さんは、たとえば「Lemon」においてダウンロード解禁→ミュージックビデオ公開→フィジカルリリース→レンタル(に伴うルックアップ加算)というスケジュールを策定し、ポイント面で複数回のピークを作りました。これは話題性の維持にもつながり、主題歌に起用されたドラマの評判も相俟ってロングヒットに。「Lemon」は2018年度、そして2019年度と2年続けてビルボードジャパン年間ソングチャートを制しています。

そして「KICK BACK」においてはデジタルおよびフィジカルの初加算時にビルボードジャパンソングチャートを制していますが、後者はルックアップ指標廃止前の最終週。これまでのレンタル遅らせ措置を続ければレンタルに伴うルックアップは加点されないままでしたが、ビルボードジャパンのチャートポリシー(集計方法)変更を踏まえてか「KICK BACK」はレコード会社移籍後初めてレンタルをリリース週に解禁しています。

これらのスケジュール策定等における対応から、米津玄師さん側の音楽チャート上位進出へのこだわりが強く感じられるのです。そしてその施策が活きたビルボードジャパンソングチャートが米津さんサイドにとって信頼に足るものであるということもまた、みえてくるのではないでしょうか。