イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) 【ビルボードジャパン最新動向】SEKAI NO OWARI「Habit」が99ポイント差で首位に…「ミックスナッツ」を上回った理由は

(※追記(12月12日5時25分):はてなブログにてビルボードジャパンのホームページを貼付すると、きちんと表示されない現象が続いています。そのため、表示できなかった記事についてはそのURLを掲載したビルボードジャパンによるツイートを貼付する形に切り替えました。)

 

 

 

毎週木曜以降は、最新のビルボードジャパン各種チャートについてお伝えします。

6月20~26日を集計期間とする6月29日公開(7月4日付)ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。SEKAI NO OWARI「Habit」がOfficial髭男dism「ミックスナッツ」との頂上決戦を制しました。

「Habit」と「ミックスナッツ」は共に1万1千ポイントを突破。そしてポイント差はわずか99という、稀に見る接戦となりました。

SEKAI NO OWARI「Habit」、Official髭男dism「ミックスナッツ」共に最新ソングスチャートにおいてフィジカル関連指標が初加算。「ミックスナッツ」はフィジカルセールス、ダウンロード、ストリーミング、ルックアップで勝り、カラオケは大差に。またTwitterでは「Habit」に敗れるものの、ほぼ互角と言えます。「Habit」は動画再生およびラジオ指標で「ミックスナッツ」に差をつけ、総合で競り勝ったという状況です。

前週総合2位にランクアップしていた「Habit」は、5週連続で動画再生1位を獲得し、同6位の「ミックスナッツ」に動画ポイントで大差をつけた。一方の「ミックスナッツ」は、ダウンロードとストリーミングの両指標で返り咲き1位を獲得するなど、この大差を跳ね返すべく急追したが、わずかに及ばなかった。

動画再生についてはTikTokでのバズや、HIKAKIN(ヒカキン)さんとのコラボ動画が功を奏したことは以前からブログでお伝えしていました。

2曲のCHART insightにおけるチャート構成比(ポイントにおける各指標の比率)をみれば、赤で示される動画再生指標においてSEKAI NO OWARI「Habit」がOfficial髭男dism「ミックスナッツ」に倍以上の差をつけていることが解ります。これが「Habit」首位獲得の決定打となったと言っていいでしょう。

また、CHART insightでは黄緑で表示されるラジオでも差がついています。この指標はプランテックによる全国31局のOAデータに基づき、聴取可能人口等を踏まえてビルボードジャパンが指標化していますが、プランテックによるOAチャートから「Habit」の好調の理由がみえてきます。

2位はSEKAI NO OWARI「Habit」が前週13位から浮上した。映画『ホリック xxxHOLiC』主題歌の同曲は、4月28日の先行配信から更に先行して同16日放送の自身の番組「SEKAI NO OWARI “The House”」(JFN系列)にて解禁され、同週4月18日〜4/24チャートで46位に初登場。その後、広がったオンエアは常に大量数をキープし続け、今週で10週目のチャートインとなる。シングルリリースを迎えた今週さらに伸長し、3位以下を大きく突き放すオンエア数を獲得した。

そんな長期スパンでの大量オンエアが奏功し、リクエスト数は今週ダントツの最多。楽曲が広く訴求しセールスにもしっかり反映されたようだ。「Eve」(159位)、「陽炎」(176位)とシングル収録全曲がチャートインしたことも加えておきたい。

(※記事における順位はOAチャートのそれであり、ビルボードジャパンソングスチャートにおけるラジオ指標の順位とは異なります。)

OAチャート(ラジオ指標共に)首位曲とOA回数に大きな開きがあることについては明日以降触れますが、最多となったリクエスト数が「Habit」のOAチャートおよびラジオ指標2位に反映された形です。ともすればコアファンのみならず様々な動画に刺激を受けたライト層からのOA回数も増えたものと考えられます。仮にリクエストが多くなかったならば、総合首位を「ミックスナッツ」に明け渡した可能性もあったと言えるでしょう。

 

 

さて注目は次週以降の動向です。SEKAI NO OWARI「Habit」、Official髭男dism「ミックスナッツ」は共に次週、9000近いポイントを獲得し首位争いを繰り広げるでしょう。

ビルボードジャパンは本日フィジカルセールスの速報値を発表しますが、つばきファクトリー「アドレナリン・ダメ」が同指標を制し、その週間売上枚数は10万弱と推測されます。最新のビルボードジャパンソングスチャートで16万枚以上を売り上げたHKT48ビーサンはなぜなくなるのか?」が6500ポイントに届かず総合3位となったことから、「アドレナリン・ダメ」も同程度かそれを下回るポイント数と思われます。

今年度上半期のビルボードジャパンソングスチャートでトップ10入りした曲のうち、フィジカルセールスが加算されたのはAimer「残響散歌」(上半期1位)とKing Gnu「一途」(上半期3位)のみ。フィジカルセールス加算2週目のポイント前週比は「残響散歌」が74.6%、「一途」が76.5%となっており、おそらく「Habit」「ミックスナッツ」も次週のポイントが今回の4分の3程度になるものと思われます。これは加算2週目となるフィジカルセールスの急落に伴うもので、同じ所有指標であるダウンロードもダウンする可能性が考えられます。

それゆえ次週以降はサブスク等に基づくストリーミング、ならびに動画再生といった接触指標群の充実が鍵を握りますが、今後は各地上波テレビ局で放送される夏の音楽特番がダウンロードを主体に所有/接触指標を刺激します。今夏の「Habit」「ミックスナッツ」の動向に注目し、年間チャートでどこまで進出するかを楽しみにしましょう。