イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

星野源「喜劇」、宇多田ヒカル『BADモード』…前週ブログで取り上げた作品の最新チャート動向を確認する

4月11~17日を集計期間とする最新4月20日公開分(4月25日付)のビルボードジャパンソングスチャートは、トップ10内に7曲が初エントリー。うち5曲が100位以内においても初登場という状況。優里「ドライフラワー」が2020年11月18日公開分(11月23日付)の16位以来となるトップ10圏外(14位)となったことからも、入れ替わりの大きさは明らかです。ソングスチャートトップ10のCHART insight(総合および構成指標の順位)を下記に。

無論、トップ10内の新顔が今後ロングヒットに至れるかが注目となりますが、今回は前週のブログエントリーで紹介した曲およびアルバムの動向をチェックしましょう。

 

 

星野源「喜劇」(ソングスチャート11→4位)

テレビアニメ『SPY×FAMILY』エンディング主題歌の星野源「喜劇」は4月8日金曜リリース。前週のソングスチャートでは11位に初登場し、今回1週間フル加算されたことで浮上しました。金曜リリースは日本のチャートでは不利になりますが、それでも解禁日を金曜に設定した理由について、以前仮説を掲載しました。

現に「喜劇」は、4月23日付の米ビルボードによるグローバルチャートではGlobal 200で127位、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では49位に初登場。海外チャートは金曜集計開始であり、またアニメ主題歌が強い状況も功を奏したと言えます。

ビルボードジャパンソングスチャートに話を戻すと、「喜劇」の動画再生指標が57位に入っているのは特筆すべきと考えます。実は「喜劇」、現段階においてもミュージックビデオが公開されていない状況なのですが、おそらくは下記の公式オーディオがチェックされていることが見て取れます。ミュージックビデオがスケジュールの都合上公開が後になるとしても、きちんと聴取(視聴)環境を整えることの重要性がよく解るのです。

 

 

宇多田ヒカル『BADモード』(アルバムチャート13→10位)

4週ぶりにアルバムチャートトップ10返り咲きを果たした宇多田ヒカル『BADモード』。チャートを構成する各指標はフィジカルセールスが25→14位、ダウンロードが10→7位、そしてルックアップが4→1位とすべて上昇し、ルックアップに至ってはフィジカル関連指標加算8週目にして初の首位を獲得しています。

上昇に大きく寄与したのは2点。ひとつは最新4月20日公開分(4月25日付)の集計開始直前に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)で宇多田ヒカルさんが特集されたこと。そしてもうひとつは日本時間で日曜、つまりは集計期間終了日に生配信されたコーチェラ・フェスティバルへの出演ではないでしょうか。

上記ブログエントリーでも紹介していますが、日本のSpotifyデイリーチャートでは4月11日付において「BADモード」が123位および「One Last Kiss」が157位に復帰。コーチェラ・フェスティバルの日本配信日である17日には「君に夢中」が前日の94位から92位に上昇した一方で「BADモード」が173→180位とダウンするも、「One Last Kiss」は195位に再登場を果たしています。

コーチェラ・フェスティバルの影響は次週のチャートにより大きく反映されるかもしれませんが、音楽分析番組での特集が今回強く反映された形です。次週のチャートでは、コーチェラ・フェスティバル登場後に配信された88ライジング(88rising)への客演参加作「T」(ウォーレン・ヒューも参加)のチャートアクションにも注目しましょう。