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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードコラム】ビルボードジャパンの相次ぐミス発生を踏まえ、改善案と希望を再掲する

自分がブログを毎日更新する理由は様々ありますが、日本にビルボードジャパンという音楽チャートが浸透し、日本において2000年代に入ってから説得力を帯びなくなったフィジカルセールスのみのランキングに替わるソングスチャートの存在が行き渡る、その(勝手ながらの)手助けになりたいと思うゆえです。

ならば、音楽チャートでは後発となるビルボードジャパンは正確無比なチャート制作に徹し、信頼を積み重ねることでメディア等に採り上げられ、認知度を高めて先発を抜かないといけないはずです。しかし、そのビルボードジャパンはチャート発表においてミスが少なくありません。

今回はそのミスの内容を記し、そしてあらためてビルボードジャパンへの提案を行います。

 

最新2月2日公開分(2月7日付)ビルボードジャパンソングスチャートは、その発表直後に一度取り下げています。

今回のミスの原因は、ソングスチャートの構成指標のひとつであるTwitterが誤った状態のまま加算されたため。チャート分析に長けた紅蓮・疾風さんのツイートで判明したものです。

 

実はこのようなミスが2ヶ月前にも発生していました。

2021年12月1日公開分においては発表当初、ラジオ指標が前週公開分と一致。自分はソングスチャート構成指標の一部を定点観測するため問題点に気づけたのですが、ビルボードジャパンがCHART insightというサービスをリリースしているゆえに見つけられたとも言えます。チャート構成指標の順位を示すCHART insightがもし開示されていなかったならば、このまま発表されたのでは…そう考えると怖いものがあります。

また最新2月2日公開分(2月7日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは夕方の記事公開前に訂正が完了していたのですが、ミス発覚時には【チャートに関するお知らせ】としてTwitterでアナウンスされた一方、訂正完了の報告はTwitterでアナウンスされていません。また総合ソングスチャートの記事(→こちら)にて、発表当初の段階でミスがあったことへの言及やお詫びもみられません。これでは、一度取り下げられた理由が(特にTwitterをチェックしていない方には)不鮮明のままであり、不信感につながるでしょう。

 

 

ビルボードジャパンでは昨年度下半期に連続でミスが発生しており、このブログでは再発防止を願い改善策を示すブログエントリーを掲載しました。それでも減らないと言われておかしくない状況を踏まえるに、ミスが無くなり且つ対応に誠実さがみられるようになるまでは幾度となく伝えないといけないと考える自分がいます。それゆえ、昨年秋に記した内容を再掲します。

 

⑤ 訂正アナウンスを徹底し、チャート発表時の環境を強化する

チャートを後になって訂正せずに済むよう、事前のチェック体制を強化することが必要です。

(中略)

また現在はリモートで行っている業務(ポッドキャストの収録手法や出演者の収録音声の違いから想像可能)を、チャート発表の水曜だけでも顔を突き合わせて行ったり、また人員(チェック要員)を増やすことで環境を改善しては如何でしょうか。

同じブログエントリーではこちらも記載しています。

②チャート発表を定時に、且つイベント化する

ビルボードジャパンソングスチャートの発表は、まずはCHART insightの更新が毎週水曜の12~13時台前半に行われ、ほぼすべてのチャートが14時を目処にアップされます。しかしながら定時ではなく、また発表後に修正が行われることも少なからず存在します。

(中略)

一案として、水曜17時にCHART insightも各種チャートも同時に更新、且つチャート記事をアップするよう時間を固定化し、またポッドキャスト担当者が生配信を実施してカウントダウンを行う等イベント化するのは如何でしょう。そうすれば修正がないかを見直す時間の余裕も生まれます。また生配信の模様をポッドキャスト化すれば収録の負担も抑えることも可能でしょう。

水曜17時の発表に徹することで、現在のチャート解説記事のアップに30分以上のゆとりが生まれるのみならず、定時アナウンスを徹底すればチャートチェックの習慣が生まれ(強化され)ます。フィジカルのみの先発ランキングは火曜早朝の発表が徹底されており、複合指標に基づくビルボードジャパンは先発ランキングより遅れるのは仕方ないこと。ならば、もう少し遅らせてでも迅速さより正確性を優先させるべきです。

またチャートチェック時には人員を増やすことも希望します。たとえばリリースタイミング(フィジカルのみならずデジタル解禁や、関連動画の解禁等)に詳しい方を招き入れ、各指標に誤りがないか等をくまなくチェックすることが必要です。普段はリモート業務であっても水曜だけ顔を突き合わせるべきと提案しましたが、人員増強等によって自分たちのチャートを内側から監視する目を増やすことが重要です。

 

その上で、プラスアルファ的な意味合いでこちらも提案しました。

③ チャート解説番組を用意する

たとえばチャート公開前後のタイミングでラジオ番組を持つのはどうでしょう。特番に流されることなく毎週きちんと放送できるとすれば、個人的にはNHK-FM水曜16-18時枠が最善と考えます。生配信(→ポッドキャスト化)とは別に、既存メディアの枠を確保することもまた必要です。これは②で述べたイベント化をさらに加速させるものでもあります。

NHK-FMの枠を提案したのは全国放送であること、特番編成が少ないこと、ビルボードジャパンソングスチャートが『NHK紅白歌合戦』の選出基準になっていると考えるゆえです。NHKでは特定のブランド名の表記を認めない可能性もありますが、ビルボードジャパンが日本の音楽業界における社会的ヒットの鑑であることを踏まえれば、ビルボードジャパンの名を用いたチャート番組を用意することは可能だと考えます。

 

 

これら提案は物理的に可能なものもあれば、難しいものもあるでしょう。それ以前に、外部からの提案や批判を受け入れたくないという思いもあるかもしれません。しかしながらミスの連続発生という状況を、何よりまず改善させなければなりません。ミスを起こさないチャートづくりに徹してミスを万一と言える状況にまで抑え、またミス発生時にはきちんと誠心誠意対応することによって、信頼を勝ち得てほしいと強く願います。

 

最後に。チャートをチェックする方、特に歌手のコアなファンの方々においては、チャート上で不可解な点が発覚した際には問い合わせを行うことをお勧めします。遅ればせながらでもビルボードジャパンは基本的に返答しておりその点に好感を抱くと共に、ビルボードジャパンへの声がきちんと届いていることが解ります。不信を抱いたとしても冷静に、丁寧な言葉で問い合わせることで、同社の改善につながっていくはずです。