イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2021年12月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2021年12月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinです。

 

 

10位 Da-iCE「Promise」

歌詞にはややトゥーマッチな言葉が用いられていますが、仮面ライダーシリーズの主題歌ゆえ。そしてそのような言葉に説得力をもたらす花村想太大野雄大両氏の歌ヂカラたるや(特に花村想太さんの開放的な声は、壮大な物語にぴったりです)。またサビ後半における英語詞以降の展開が、いい意味でJ-Popらしくないのも好印象。

 

9位 Kaoru Tominaga「Innocent Prisoner」

オランダを拠点に活動するKaoru Tominagaさんによる6年ぶりのソロシングル。いわばオーガニックソウル(この言葉は今あまり用いられていませんが)やネオソウルの系譜で、そのスムース&メロウなメロディ歌声に惚れ込むこと必至。

 

8位 イサイア・ヒューロン「One In A Million

R&B界のエポックメイキング作となったアリーヤのセカンドアルバムから、タイトル曲をカバー。オリジナルからティンバランド独特のビートを排した一方でメロディをよりふくよかにさせた演出が、この曲にさらなる美しさをもたらしています。イサイア・ヒューロンはこのミックステープでフロエトリー「Say Yes」もカバーしており、その選球眼もまた素敵なのです。

 

7位 ショーン・メンデス「It'll Be Okay」

プライベートで大きな変化があった(ことを発表した)直後では、リリースされた曲にその変化を綴っているのではと勘繰ってしまうのは必然かもしれませんが、ショーン・メンデスはそれを敢えて解って投入したのではないでしょうか。話題づくりと言われたとしても、この曲の美しさには抗えないだろうという彼の自信を感じます(事実、自分はその美しさに虜になったわけです)。

 

6位 showmore「cookie monster」

歌い出しからサビの"愛して"連呼まで、その熱量の持続と上昇が見事。根津まなみさんのボーカルに宿る艶やかさと、ふとみせる憂いのような表情が、大人の恋や駆け引きをさらに美しく魅せてくれます。

 

5位 ガブリエル・アプリン「Skylight」

この「Skylight」のアレンジからもアリーヤらしさが感じられます(尤もそれはアリーヤのファーストアルバムにおけるアイズレー・ブラザーズのカバーから思うことですが)。アリーヤは昨年ようやくサブスクサービスが解禁され、今月には"新譜"も登場するとのことですが、彼女の音世界がサブスク解禁によって尚の事、新たな音になっていることを実感しています。

 

4位 TWICE「Doughnut」

イントロのJ-PopらしさはあたかもK-Popの日本オリジナル曲特有のそれだと思いつつ、メロディには歌謡曲的J-Pop感は見当たりません。不思議な浮遊感が終始漂い、心地よい聴後感(という言葉はないかもしれませんが)が生まれています。歌い終わりに挿入されたシンセがその感覚をさらに増幅させるという効果も。英語詞曲に比べてチャートアクションは芳しくないものの、もっと評価されていいはずです。

 

3位 ムーンチャイルド feat. アレックス・アイズレー「You Got One」

ムーンチャイルドが迎えたボーカルが、アイズレー・ブラザーズのギタリスト、アーニー・アイズレーの娘と聴いて驚きつつ、アレックスのボーカルがムーンチャイルドのシンプルなサウンドに大きな華を添えています。ムーンチャイルドがこのようなネオソウル系の歌手と組んでくれると面白いなと考えていたところ、今年登場した作品にはレイラ・ハサウェイを迎えたものが…この流れでアルバムを期待したいところです。

 

2位 Ms.OOJA「Who Are You」

1970年代後半から80年代前半にかけての日本におけるシティポップというより歌謡曲の系譜にある作品で、個人的には渡辺真知子さんや庄野真代さん等を想起。ただひたすらに格好良いですね。歌が非常に上手い方に、歌い上げてもトゥーマッチにならない歌謡曲テイストの作品は本当にしっくりきます。

 

1位 BIALYSTOCKS「All Too Soon」

1位に選出した後になってミュージックビデオをはじめて拝見したのですが、息を呑むことの連続で…あのかかしの下にはもしやと思うとぞっとするのですが(ゆえに視聴には注意が要ると言えます)、ふくよかな想像を可能とするのがこの曲の不思議なところ。J-Popらしさを極限まで排し、また同じメロディながらリズムを変えるところ(上記動画の0:30と1:49の部分を参照)もまた、この曲の面白いところです。

 

以下、次点として10曲。

・Ayatake Ezaki「常夜燈」

DE DE MOUSE & ぷにぷに電機「Mignight Dew」

土岐麻子「A Night In New York」

・NOUGAT「あいはなけなし」

・Nezumi Coo feat. 稲泉りん & Hajime Teshima「IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING」

・HIMI「Deep in my head」

ボノボ feat. ジョーダン・ラカイ「Shadows」

・ブレン・ジョイ feat. キアナ・レデ「Friends」

・ジャングル・ボビー feat. レントラ「Philadelphia

・サンダーキャット feat. ルイス・コール & ジェネヴィーヴ・アルターディ「Satellite」

普段はロックを積極的に聴かない自分ですが、NOUGAT「あいはなけなし」には強く惹かれました。ボーカルが引っ込むミックスの仕方も新鮮で、またリズムが朴訥ながらも音を荒々しくすることで格好良く感じられるところも気に入っています。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。