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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボード最新動向】ジャニーズ・JO1・BE:FIRST…男性アイドル/ダンスボーカルグループの動向をチェックする

毎週木曜は、最新のビルボードジャパンソングスチャートから注目点を紹介します。

8月23~29日を集計期間とする9月1日公開(9月6日付)ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。フィジカル関連指標初加算に伴い、Hey! Say! JUMP「群青ランナウェイ」が初登場で首位を獲得しました。

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ジャニーズ事務所所属歌手においてはフィジカルセールス初加算週に動画再生指標(上記CHART insightでは赤で表示)が、おそらくはフィジカルに同梱された映像盤に視聴先を移すことでダウンする傾向がみられていましたが「群青ランナウェイ」では上昇。そして注目すべきはラジオ(黄緑)の高値安定。前週既に10位だった「群青ランナウェイ」は、今週ラジオ指標で3位に上昇しています。

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ラジオ指標の高さは、今週17位にダウンしたSixTONES「マスカラ」においても当てはまります。同指標2位につけた「マスカラ」はラジオ指標3週連続のトップ3入り、4週連続でのトップ5入りを果たしているのです。前作「僕が僕じゃないみたいだ」のフィジカル関連指標加算3週目におけるラジオ指標は100位を下回っており、今作における同指標の強さは特筆すべきと言えます。

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ラジオ指標では100位を下回ってしまったSexy Zone「夏のハイドレンジア」ですが、フィジカル関連指標加算4週目に100位以内をキープしている状況は前作「LET'S MUSIC」ではみられませんでした。前作ではフィジカル関連指標加算後に100位以内に入らなかった動画再生指標が「夏のハイドレンジア」では大きく伸び、当週は上昇に転じています。これが総合でもキープに至れたと考えることは想像に難くありません。

個人的にはこの要因が、上記リリックビデオの存在にあると捉えています。フルバージョンで公開されたこの動画が、ストリーミング的な役割を果たしたと考えるのは決して大げさではないでしょう。

 

ジャニーズ事務所所属歌手の直近の楽曲におけるラジオそして動画再生指標の動向、実に興味深いですね。これら指標が好調な動きを示すことで、ポイントや順位において前作を上回る成績を記録する傾向がみられます。特にデジタルが寄与しているならば、デジタルに明るくないジャニーズ事務所側がきちんと検証の上、解禁してほしいと切に願います。

 

 

さて、前週のソングスチャートではアイドルもしくはその側面を持つ男性ダンスボーカルグループが3位までを占めていましたが、SixTONES「マスカラ」以外の2曲の動向はどうだったでしょうか。前週紹介した2曲について、最新週の動向を取り上げます。

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「REAL」はフィジカル関連指標が初加算となった前週、カラオケを除く7つの指標が100位以内に到達していました。しかしながら当週はTwitter(上記CHART insightでは水色で表示)を除く6つ指標がダウンし、特にダウンロード(紫)は300位を割り込み加点対象から外れています。

ダウンロードはメディア露出、とりわけ地上波テレビ番組でのパフォーマンスにより大きく伸びる指標。JO1は集計期間中に『ラフアンドミュージック』(フジテレビ)にて同曲を披露していますが、ダウンロードが伸びることはほぼなかったと言えるかもしれません。この動きは気掛かりです。

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前週2位のBE:FIRST「Shining One」は9位にダウンするも2週連続でトップ10入り。フィジカル未発売の同曲はカラオケ以外の5指標がしっかり残っています。ポイント半減の要因は前週比21%となったダウンロードが大きいですが、所有指標加算2週目の特徴と考えればJO1「REAL」のフィジカルセールス同様に自然なことと言えるかもしれません。

一方で気になるのが、上記CHART insightでは青で表示されるストリーミングのダウン。8,875,584→4,666,872回再生となり前週比52.6%。この数値は接触指標においては非常に低いと言わざるを得ません。

最新チャートにおける集計期間前半3日間のストリーミング速報値では6位を記録していたBE:FIRST「Shining One」は後半で失速し、最終的には15位という結果に。「Shining One」を除く9曲が前半3日間の勢いをキープし週間でもトップ10入りしていたことを踏まえるに、8月24日火曜に終了したLINE MUSIC再生回数キャンペーンの終了が大きく響いたことは間違いありません。起爆剤は急失速と表裏一体なのです。

BE:FIRST「Shining One」においては接触指標、とりわけストリーミングをどう保つかがロングヒットへの鍵と言えます。また、浮上の大きな要素となり得るのが地上波テレビ局、とりわけゴールデンタイムの番組への登場なのですが、『ミュージックステーション』(テレビ朝日)や『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)への出演が叶うのか、やはり気になるところです。