イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2021年7月の私的トップ10ソングス、選びました

昨年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2021年7月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス、および2020年上・下半期の邦楽ベストソングスについてはこちらに。ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinとなっています。

 

 

10位 C子あまね「鉄道橋」

6分という長尺ながら集中力が途切れる瞬間が一切ないのは、楽曲の持つ神秘度と推進力の高さゆえ。水に浮いているかようでいてしっかりと地に足がついたボーカルもまた、曲の大きな力となっています。

 

9位 Vaundy「花占い」

ドラマ主題歌として完璧ではないでしょうか。サビから間奏に至るまでの部分があまりにもキャッチーで頭から離れず。またサビ前に配置された"恋路の果てには何が(ある)"の等間隔のリズムの刻み方がサビとは全く異質ながら、こちらもまたあまりにキャッチー過ぎます。

 

8位 PUSHIM「深呼吸」

「花占い」とはメロディの起伏が真逆といえるかもしれない「深呼吸」。J-Popとは大きく異なるたゆたうメロディながらもレゲエ独特のアレンジで聴かせてくれます。J-Popにおけるレゲエの浸透において、PUSHIMさんの存在は唯一無二だとあらためて実感します。

 

7位 ビリー・アイリッシュ「Happier Than Ever」

レトロチックな前半から一転する構成、そしてその後半における音割れを辞さないミックスにニヤリ。「Bad Guy」にてミックスの概念を変えた(と以前ラジオ番組等で特集された)ビリー・アイリッシュらしいですね。

 

6位 ダウントゥアース feat. タイ・ダラー・サイン「Don't Play With Me」

2000年前後のR&Bを踏襲しているのがここ最近のR&B界。この曲ではサビで繰り返すメロディにてR.ケリーをなぞっています。R氏自身は私的な問題により表に出ることは今後ないでしょうが、たとえばカーディ・Bとの「Please Me」におけるブルーノ・マーズの歌唱等、R氏の音楽面での影響は今後もみられていくのでは。

 

5位 エス・ティ・ワイ「涼感ノスタルジア

5月に「接吻マイハート」を選んで以来のトップ10入り。プロデュース業は勿論のこと、R&Bマナーをがっつり敷いた歌手活動に惹かれます。独特な歌い方も味わい深く、アルバムを強く切望します。

 

4位 Lucky Kilimanjaro「踊りの合図」

今年上半期の私的邦楽ベストに「KIDS」を選んだLucky Kilimanjaro。気持ちよく踊ることにこだわる曲作りが今作でも。2番の導入部でヒップホップのビートを取り込んだり、Bメロのはじまりに用いられる"ござんす"というフレーズ等、一瞬違和感ではと思わせるものがすべてプラスになっている印象があります。

 

3位 シルク・ソニック「Skate」

ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるユニット、シルク・ソニックの2曲目のナンバーにしてまたも私的トップ10入り。1970年代マナーをアップデートしたのみならず、題材にローラースケートを選んだのは巧いですね。同じタイトルでは四半世紀前のモニカによる曲も素晴らしく、"Skate"は外れのない題材かもしれません。

 

2位 millennium parade × Belle「U」

映画のテーマソングということもあれど、ここまで壮大な作品がJ-Popから登場するとはいい意味で意外であり、Belle役を担当した中村佳穂さんの歌声とこのアレンジがここまで合うこともまた予想外でした。この強さとしなやかさ、歌唱法こそ異なるものの個人的にはビヨンセを思い出した次第です。

 

1位 ノーマニ feat. カーディ・B「Wild Side」

ブログで取り上げたのは3回目。それだけ気に入っている曲です。

あくまで邪推と前置きしますが「Wild Side」が世に出た理由は、サンプリングで用いたアリーヤOne In A Million」がサブスク解禁されていなかったために"アリーヤは再評価されるべき、だからデジタル化を"とアリーヤ等の音源を管理するバリー・ハンカーソン側に曲を通して訴える目的があったのではないかと。この曲のリリース後にデジタル化がようやくアナウンスされており、この曲の意義は十分あったものと思われます(「Wild Side」リリース前に既にサブスク解禁が決定事項だったかもしれませんが)。

 

 

以下、次点として10曲。

・Newspeak「Weightless」

・Hanah Spring feat. 石若駿「CHILDHOOD PARADISE」

・春野「Angels」

アブストラクト・マインドステイト「A Wise Tale」

・ブランディ・カーライル「Right On Time」

・DJスネイク「You Are My High」

・エミリー・ウェイスバンド feat. カレン・フェアチャイルド「Butterfly」

・ホンネ feat. ソフィア・ヴァルデス「Now I'm Alone」

・リオン・ブリッジズ「Steam」

・サム・ライダー「July」

Shin Sakiuraさんが参加した春野「Angels」は、以前自分が関与したラジオ番組でmzsrzの実果さんがお気に入りとして紹介していた曲でもあります。「Angels」のような曲の温度感がこの夏を支配していたならば…先週まで灼熱だったことを思い出し、来年の夏にはこの曲を聴いてクールダウンしようと心に決めています。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。