イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2021年9月の私的トップ10ソングス、選びました

昨年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2021年9月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングスや2021年上半期、および2020年上・下半期の邦楽ベストソングスについてはこちらに。ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinです。

 

 

10位 ニーヨ「What If」

もはやベテランの域に達したニーヨ。ソングライティングに定評のある彼ですが、この曲におけるサビ前までの熱の上がり方(それでいてヒートアップしすぎないところが◎)、そしてサビ後一転してクールになる進行に巧さを感じずにはいられません。

 

9位 トゥイート「Never Gonna Break My Heart Again」

鳥のさえずりのような歌声からその名がついたトゥイート。R&B歌手としてデビューした彼女が20年近くを経てゴスペル作品を説得力を伴って歌える存在に。熱は決して高いわけではないものの歌声の甘さ、そしてその声が重なった瞬間の心地よさにより、気が付くとその虜になっている自分がいます。

 

8位 TENDRE feat. SIRUP「ENDLESS」

TENDREさんとSIRUPさんが組むならば悪いはずがないのですが、用意された曲が熱を抑えながらも希望を語り、聴き手を鼓舞するゴスペル的作品だったことにニヤリ。ゴスペルクワイアに一時所属していた身として、歌詞もそうですがグルーヴからとりわけ強くゴスペルを感じて嬉しくなります。

 

7位 エス・ティ・ワイ「東京セプテンバー」

「接吻マイハート」(5月 9位)、「涼感ノスタルジア」(7月 5位)に続く今年3度目の私的トップ10入り。毎月リリースされる作品はいずれも高質のものばかりゆえ、アルバムへの期待は高まるばかりです。

 

6位 カレン・ハーディング「You & I (All I Need)」

(上記はSpotifyに掲載されたバージョンより長尺となっています。)

クワイアを思わせるコーラス、速めのBGM等典型的と言えるハウスの展開、そして力強い歌声…最早定形ではあるのですが、やはり逆らうことはできない一曲。クレジットにはカットファーザーの名があることにも注目。

 

5位 モーゼス・サムニー feat. サム・ゲンデル「Can't Believe It」

好事家に愛されるタイプの歌手が、その歌手にとって思い入れの深いであろう作品をカバーすると一筋縄ではいかないことは自明。T-ペインによる曲をカバーしたモーゼス・サムニーの、オリジナル以上とも言える浮遊感には身を委ねずにはいられません。オリジナルはこちら。

 

4位 原田知世「朝日のあたる道」

(上記は曲の一部のみとなっています。)

今年度リリースの全作品の中で間違いなくベストイントロ賞を授与できるくらいに、ワクワク感をもたらしてくれる曲。Original Loveのトリビュートアルバムには椎名林檎さんやPUNPEEさん等素晴らしい歌手が大挙参加していますが、スウェディッシュポップ等を自分の世界観に吸収してきた原田知世さんによるこのカバーをアルバム冒頭に据えたのは大正解だと思うのです。

 

3位 ケイシー・マスグレイヴス「Good Wife」

音楽を放つ際、時に自身の私的な出来事を晒す歌手が存在します。苦痛を伴いつつもそれは自己へのセラピーになるのみならず、同じ境遇に置かれた聴き手の共感を呼び、前を向く力を与えることにもつながるのです。ケイシー・マスグレイヴスは熱を抑えつつもドラマティックな曲の展開を用意することで、より多くの方を惹き込んでいるように感じます。無論自分も惹かれた者のひとりです。

 

2位 スミン & スロム「곤란한 노래 (The Gonlan Song)」

良質なR&Bの音を纏ったこの曲は韓国出身の二組によるコラボレーション作から。共にSIRUPさんとの共演歴があることに納得します。シンプルでスムースな音の中でどれだけ官能的なエッセンスを注入するか…今作ではそれが成功していると強く感じます。

 

1位 向井太一 feat. YAMORI「Fever」

性愛の曲を男性同士のデュエットという形で紡ぐというタイプの曲が日本で登場することに大きな喜びを覚えます。ともすれば敬遠する人がいるかもしれませんが、サビ終わりの言葉が最後に置き換わるところも含め、曲としてまず見事。そしてこのような曲が出てくること自体が社会の進歩の証明と言えるのではないでしょうか。

 

 

以下、次点として10曲。

椎名林檎「LET'S GO!」

・超特急「같이 가자 (カチカジャ)」

DISH//「ありのまんまが愛しい君へ」

Perfume「アンドロイド&」

・YOSHIKA「Quiet Talk

アリシア・キーズ feat. スウェイ・リー「LALA (Unlocked)」

・アリ・レノックス「Pressure」

・サム・ハント「23」

・トム・ミッシュ feat. マルコス・ヴァーリ「Parabéns」

ザイオン・ティ & 星野源Nomad

スターダストプロモーション所属の二組の作品に惹かれて選出。特に超特急についてはLINE MUSIC再生回数キャンペーンの影響でストリーミングが急落することをこのブログで取り上げがちですが、アーティストカラーが強く反映されているのはいいですね。こういう曲がきちんと既存メディアで取り上げられるようになってほしいものです(それを目的にキャンペーンを採用し、目立たせんとしているとも思うのですが)。

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。