イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ヒットの予感】Mステ紹介のブレイク候補曲&メディアの”青田買い”シフト

5月9日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)の企画の切り口が興味深かったのでメモ。

先取りチャートとして取り上げられたのは、ビルボードジャパンのTop User Generated Songsチャート(→こちら)およびHeatseekers Songsチャート。

最新週ではなく前週(4月28日公開(5月3日付))のチャートだったのが引っかかりましたが、事前取材したことを踏まえればやむを得ないのかもしれません。

 

 

今回『ミュージックステーション』で取り上げられた曲のうち、個人的に注目した5曲を下記に。4月28日公開(5月3日付)ビルボードジャパン各チャートにおける順位も掲載しています。

 

・Chinozo「グッバイ宣言」(Top User Generated Songsチャート 2位)

 

・Kanaria「KING」(Top User Generated Songsチャート 1位)

 

・Mom「あかるいみらい」(Heatseekers Songsチャート 5位)

 

・にしな「ヘビースモーク」(Heatseekers Songsチャート 3位)

 

・あたらよ「10月無口な君を忘れる」(Heatseekers Songsチャート 2位)

 

これらの曲は『ミュージックステーション』登場後、どう動いたでしょうか。4月末日以降の日本におけるSpotifyデイリーチャートを追ってみます。

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上記は先述した5曲に加え、5月8日付におけるデイリートップ5およびHeatseekers Songsチャートを制した川崎鷹也「魔法の絨毯」を加えた11曲を抽出しています。

Spotifyデイリーチャートは平日<土曜≦日曜と再生回数が増え、また平日のうち金曜が下がる傾向にあります。その中で、『ミュージックステーション』で取り上げられた5曲は放送翌日の再生回数前日比が他曲以上に上昇していると言え、また5月8日付におけるにしな「ヘビースモーク」の再生回数は11曲中唯一前週超えを果たしています。

もしかしたら、そこまで大きく伸びてはいないと捉えることも可能かもしれません。テレビでの紹介(出演したならば特に)は接触指標のストリーミングよりも所有指標のダウンロードにより大きな影響を及ぼすのがその理由ですが、接触指標群はじわりと順位を上げ、少しずつ強力なコンテンツに成長するものと考えられます。またSpotifyはLINE MUSICに比べれば動きが保守的でありブレイク曲の上位進出は比較的遅い傾向にありますが、その中にあって『ミュージックステーション』で取り上げられた曲はやはり伸びていると言えるでしょう。

 

 

それにしても、今年のテレビ番組における新鋭歌手の積極的な起用には驚かされます。

今週の『ミュージックステーション』には変態紳士クラブが初登場。出演がアナウンスされた日には人気コンテンツのTHE FIRST TAKEにて「YOKAZE」が公開されています。

さらには『ミュージックステーション』出演の翌日には『シブヤノオト』(NHK総合)にも登場。どちらの番組でも「YOKAZE」を披露します。

(それにしても、出演決定のたびに専用画像を作るのは良いですね。)

『シブヤノオト』の今週放送回にはマハラージャンも初登場。

男性アイドルと並ぶ変態紳士クラブ&マハラージャンという取り合わせが絶妙ですね。

 

昨年春の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)の登場以降、そしてビルボードジャパンソングスチャートが社会的ヒットの鑑として認知度を高めるに合わせて、メディアが次のブレイク予測曲をいち早く見つけ出す方向にシフトしていると感じています。