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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

本日『ミュージックステーション』初出演のSaucy Dog、「シンデレラボーイ」はさらなるヒットに至るか

本日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)は2022年2回目の放送にして、新曲主体の披露回としては今年初となります。

出演がアナウンスされてから間もなく、今回出演する歌手のうち緑黄色社会についてブログで取り上げました。

さて今回は、『ミュージックステーション』に初登場を果たすSaucy Dogについて採り上げます。先月リリースされた「あぁ、もう。」もSpotify等で人気となっていますが、今回番組で披露されるのは「シンデレラボーイ」。昨年8月にリリースされたミニアルバム『レイジーサンデー』に収録されたこの曲がロングヒットとなっています。

"去年からチャートを席巻する5組が集結"というのが今回の『ミュージックステーション』における謳い文句であり、ゆえに番組側が新曲よりも現在チャートで人気の作品を据えたものと思われますが、Saucy Dogが今回「シンデレラボーイ」を披露するのは人気拡大の意味でも非常に有効かもしれません。

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ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、「シンデレラボーイ」は当初ラジオ(上記CHART insightでは黄緑で表示)が強かったものの同指標は基本的に急落する傾向ゆえ、総合においては昨年9月8日公開分(9月13日付)の97位が唯一の100位以内チャートインとなっていました。それが10月に入りストリーミング(青)および動画再生(赤)が揃って上昇、遅れてカラオケ(緑)も上昇し、総合では最高22位を記録しています。

特に動画再生の伸びを示すのが下記ツイート。8月18日にミニアルバムからの先行曲として配信開始となった「シンデレラボーイ」は、同月20日にミュージックビデオを公開。そしてそのちょうど1ヶ月後、100万回再生を記録しています。

続く200万回再生の達成は10月14日。そしてそこからわずか12日で300万回再生に。ツイートでは"早くも"との言葉がみられます。

加速度的に盛り上がる人気は、「シンデレラボーイ」ミュージックビデオが12月16日に1000万回再生を突破したことからもよく解ります。動画再生、そしてストリーミングといった接触指標群は緩やかに落ち着いてきた印象ですが、カラオケ指標はここにきてトップ20入りを果たしており、ロングヒットのフェーズに入ったと言えます。

(尤も、新型コロナウイルス感染拡大に伴うカラオケ利用者の減少によりチャートアクションが鈍化する可能性はありますが、これは他の曲にも共通していることです。)

既に音楽好きの方等に"見つかっていた"「シンデレラボーイ」は、あともうひと押しあればもう一段階高い次元に行けるものと考えられ、『ミュージックステーション』出演がそのきっかけとなるでしょう。この曲はダウンロード(紫)が一度も加算されていないという珍しい動きをしていますが、地上波テレビ局でのパフォーマンスはこの指標を最も強く刺激するゆえ、次週はダウンロードが初加算されるかもしれません。

 

 

今回の『ミュージックステーション』披露曲は強力な作品が多く、優里「かくれんぼ」は昨年度のビルボードジャパン年間ソングスチャートを制した「ドライフラワー」関連曲で、ストリーミング再生回数が今月2億回を突破。またマカロニえんぴつは優里さん共々今週アルバムチャートに初ランクインを果たしたことで、「なんでもないよ、」が最新ソングスチャートで5位に返り咲いています。

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優里さんおよびマカロニえんぴつは今月アルバムをリリースしたことも出演に至った要因といえますが、「なんでもないよ、」はロングヒットの兆しをみせています。接触指標群やカラオケが主体となったヒット曲がきちんとヒットしていることを踏まえれば、『ミュージックステーション』をはじめとする音楽番組はこのようなタイプの曲をきちんと紹介することに徹し、認知浸透の(さらなる)上昇に寄与するべきだと考えます。