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オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が圧倒的強さ…1月23日付米ビルボードおよびグローバルソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート、現地時間の1月18日月曜が祝日のため翌19日火曜に発表された最新1月23日付ソングスチャート(Hot 100)。オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が初登場で首位を獲得しました。この偉業達成に、米ビルボードは「Drivers License」だけで一記事分を割いています。

オリヴィア・ロドリゴはディズニープラスの作品『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』のニーニ・サラザール・ロバーツ役で主演を務める17歳。彼女についてはストリーミングが記録的なヒットになっていると判ったタイミングで、一度ブログエントリーを記しています。

「Drivers License」は最終的に、ストリーミング7610万、ダウンロード38000、ラジオエアプレイ810万を獲得。ストリーミングおよびダウンロードの2指標が首位となり、米ビルボードソングスチャート62年の歴史において1116曲目となる首位に輝きました。初登場での首位獲得曲は48曲目、今年初となります。

ドラマのサウンドトラックから「All I Want」が昨年1月に最高90位を獲得しているオリヴィア・ロドリゴですが、正式なソロデビュー曲としては女性歌手で史上最高となる記録を叩き出しています。また正式なソロデビュー曲に関係なく、ストリーミングにおいてはカーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」の9300万(2020年8月22日付)に次ぐ史上2番目に高い初週再生回数を記録しています。

オリヴィア・ロドリゴは2003年2月20日生まれ。2000年代生まれの米ビルボードソングスチャート制覇歌手はジョーシュ・シックスエイトファイヴ(2002年11月5日生まれ。ジェイソン・デルーロとの「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」がBTS参加のリミックスに伴い2020年10月17日付で首位を獲得)、ビリー・アイリッシュ(2001年12月18日生まれ。「Bad Guy」が2019年8月に首位を獲得)、24Kゴールデン(2000年11月13日生まれ。イアン・ディオールとの「Mood」が昨年末から首位を獲得)に次ぐ4組目となります。

 

今週はオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」以外にも2曲が新たにトップ10入りを果たしました。

モーガン・ウォレン「Wasted On You」は9位に初登場。ストリーミングは1790万を獲得し同指標3位、ダウンロードは10000を記録し同指標7位となりました。モーガンは今週の米ビルボードアルバムチャートで『Dangerous : The Double Album』を首位に送り込み、カントリー作品としては最高となるストリーミングユニット数をマーク。その勢いがソングスチャートにも波及した形です。同じくストリーミングに強かった「7 Summers」を昨年8月に初登場で6位に送り込んで以来、2曲目のトップ10入りをマークしました。

前週から13ランク上昇し10位に到達したのがシザ「Good Days」。今年のグラミー賞で主要部門にノミネートされたジェイコブ・コリアーがソングライトやコーラスに参加したこの曲は、ストリーミングが前週比31%アップの2010万(同指標2位)、ダウンロードが同47%アップの3000(同指標38位)、ラジオエアプレイが同217%アップの210万(同指標50位未満)となっています。

昨年のクリスマス当日にリリースされた「Good Days」で、シザは3曲目となるトップ10入り。マルーン5に客演参加した「What Lovers Do」が2017年11月に9位を、ケンドリック・ラマーとの「All The Stars」が2018年3月に7位をマークしており、ソロ曲でのトップ10入りは今回が初となります。

 

未だラジオエアプレイで強いザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が4位となり、トップ10入り45週目、トップ5入り36週目と最高記録を更新中ですが、そのラジオエアプレイでは首位が24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」から入れ替わりました。

新たなラジオエアプレイ首位はクリス・ブラウン feat. ヤング・サグ「Go Crazy」(今週総合5位)で、前週から1%上昇し8020万を記録。登場32週目でのラジオエアプレイ指標制覇は、同指標30年の歴史において史上2番目となる遅さであり、最も時間をかけて首位に到達したのはギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」(2020)の35週となっています。

クリス・ブラウンにとっては2008年9月に「Forever」が首位となって以来12年4ヶ月ぶり、4曲目のラジオエアプレイ制覇となり、クリスティーナ・アギレラの10年2ヶ月3週間(リル・キム、マイヤ & ピンクとの「Lady Marmalade」(2001)~マルーン5にフィーチャーされた「Moves Like Jagger」(2011))の持つブランク記録を更新したのみならず、初のラジオエアプレイ制覇から最新の制覇までのブランク記録(「Run It!」~「Go Crazy」は15年2ヶ月1週間)においてもマライア・キャリー(「Love Takes Time」(1990)~「Don't Forget About Us」(2006)の15年2ヶ月)を上回りました。なおヤング・サグについては、カミラ・カベロに客演参加した「Havana」(2017-2018)に次ぐ2曲目のラジオエアプレイ制覇となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」

2位 (1位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

3位 (2位) アリアナ・グランデ「Positions」

4位 (3位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

5位 (5位) クリス・ブラウン feat. ヤング・サグ「Go Crazy」

6位 (7位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」

7位 (4位) ジャスティン・ビーバー feat. チャンス・ザ・ラッパー「Holy」

8位 (9位) AJR「Bang!」

9位 (初登場) モーガン・ウォレン「Wasted On You」

10位 (23位) シザ「Good Days

次週はアリアナ・グランデ「34+35」が、ドージャ・キャットおよびメーガン・ザ・スタリオンが参加したリミックスが合算されることでトップ10入りを果たすと予想されますが、オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」を覆すには至らないと思われます。「Drivers License」がストリーミングをどれだけキープし、一方でラジオエアプレイを伸ばしていくかが、連覇そしてロングヒットの鍵となります。

 

 

グローバルチャート速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。1月23日付ではオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」がGlobal 200およびGlobal Excl. U.S.(Global 200からアメリカの分を除く)を共に制しました。

オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」はGlobal 200でストリーミングが1億3000万(厳密には130060000)、ダウンロードが49000となり両指標を制覇。ストリーミングにおいては昨年9月にグローバルチャートが始まって以来、BTS「Life Goes On」の1億5250万(2020年12月5日付)に次ぐ史上2番目に高い記録となりました。またマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が今年1月2日付で記録した130042000回をわずかに上回り、女性歌手で史上最多となる再生回数となっています。

「Drivers License」はGlobal Excl. U.S.も制覇。ストリーミングは5450万、ダウンロードは12000を記録しました。初登場で2つのグローバルチャートを共に制したのはアリアナ・グランデ「Positions」(2020年11月7日付)、BTS「Life Goes On」(2020年12月5日付)に次ぐ3曲目の快挙達成です。

Global 200では新たなトップ10入りとして、シザ「Good Days」が前週から9ランクアップし8位に到達。ストリーミングは前週比43%アップの3230万、ダウンロードは同38%アップの4000を獲得しています。その他特筆すべき点としては、Global 200においてザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が2位に上昇し最高位を更新。またGlobal Excl. U.S.ではEP『THE BOOK』リリースに伴い前週初のトップ10入りを果たしたYOASOBI「夜に駆ける」が今週さらに2つランクを上げ7位に入っています。