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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「アイデア」は「Lemon」「U.S.A.」に続くか? ロングヒットの条件、"前週比80%以上"をクリアせよ

昨日発表された、最新9月17日付ビルボードジャパンソングスチャート。関ジャニ∞「ここに」が首位を獲得、未シングルCD化ながら2週連続で首位を獲得していた星野源「アイデア」は4位に後退しました。

前週わずか40ポイントの差で「アイデア」に敗れたDA PUMP「U.S.A.」は2位をキープし、「アイデア」を逆転。それも1000ポイント近い差が生じています。

たとえばDA PUMP「U.S.A.」について、シングルCDセールスが加算された6月18日付以降をみると。

(左から順に[日付][総合順位][総合ポイント][前週比]、※は前週51位以下で総合ポイントが不明ゆえ計算出来ず。)

2018/6/18 3 7554
2018/6/25 5 6551 86.7%
2018/7/2 3 6236 95.2%
2018/7/9 4 7243 116.1%
2018/7/16 2 8033 110.9%
2018/7/23 2 8090 100.7%
2018/7/30 2 8371 103.5%
2018/8/6 3 9923 118.5%
2018/8/13 4 11390 114.8%
2018/8/20 2 10039 88.1%
2018/8/27 4 9038 90.0%
2018/9/3 3 9621 106.5%
2018/9/10 2 8597 89.4%
2018/9/17 2 7596 88.4%

7月2日付まで、また最高ポイントを叩き出して以降はほとんど数字を落としているのですが、しかしながらポイントは前週比80%より下がることはほぼありません。緩やかな下落となっています。

また今年を代表する曲のひとつ、米津玄師「Lemon」についてはどうでしょうか。こちらはデジタルダウンロードが加算された2月26日週から追いかけてみます。

2018/2/26 2 25359
2018/3/5 2 13461 53.1%
2018/3/12 2 17755 131.9%
2018/3/19 3 14697 82.8%
2018/3/26 2 37407 254.5%
2018/4/2 1 20512 54.8%
2018/4/9 1 13721 66.9%
2018/4/16 2 10984 80.1%
2018/4/23 2 8767 79.8%
2018/4/30 2 8157 93.0%
2018/5/7 2 8184 100.3%
2018/5/14 4 7661 93.6%
2018/5/21 2 6780 88.5%
2018/5/28 4 6881 101.5%
2018/6/4 4 6579 95.6%
2018/6/11 5 6195 94.2%
2018/6/18 5 5858 94.6%
2018/6/25 4 6647 113.5%
2018/7/2 4 5316 80.0%
2018/7/9 3 7243 136.2%
2018/7/16 3 6152 84.9%
2018/7/23 3 5106 83.0%
2018/7/30 5 4698 92.0%
2018/8/6 7 4522 96.3%
2018/8/13 9 4802 106.2%
2018/8/20 4 4945 103.0%
2018/8/27 5 4798 97.0%
2018/9/3 8 4347 90.6%
2018/9/10 8 4463 102.7%
2018/9/17 7 4554 102.0%

3月12日付で動画再生が、3月26日付でシングルCDセールスが加算されるゆえ、その前の週は一気に落ち込みます。また4月9日付では前週比66.9%と落ち込みますが、主題歌となったドラマ『アンナチュラル』(TBS)が終了しその評判が放送後も広がっていったこと、また集計期間(3月26日~4月1日)中にシングルCDがレンタル解禁となりルックアップが首位に返り咲いたこともあり首位を獲得(この日のチャート分析についてはビルボードジャパンソングスチャートを連覇した「Lemon」にひとつだけ足りないもの(4月5日付)をご参照ください)。その後はレンタル(によるルックアップ加算)効果も相俟って、緩やかな下降とはなっていますが現在に至るまで一回を除いてすべて前週比80%超えを果たしていますし、その一回(4月23日付)も79.8%で推移しており好調をキープしています。

「U.S.A.」「Lemon」に共通しているのは、総合ポイントが下降しているとしてもその下降線が緩やかだということ、そしてそのラインは"前週比80%"…これがロングヒットの条件と言えるかもしれません。

 

ちなみに、星野源さんの過去3作におけるシングルCDセールス加算週から3週分の前週比推移をみてみます。シングルCDセールス加算週の2週後にレンタル解禁に伴うルックアップが加算されています。

・「恋」

2016/10/17 2 17220 516.0%
2016/10/24 1 17772 103.2%
2016/10/31 1 17285 97.3%

・「Family Song」

2017/8/28 1 30744 1158.4%
2017/9/4 3 7848 25.5%
2017/9/11 5 5792 73.8%

・「ドラえもん

2018/3/12 1 27923 908.1%
2018/3/19 4 10807 38.7%
2018/3/26 5 5926 54.8%

シングルCDがレンタル解禁されたこともあってか、シングルCDセールス加算週の2週後は前週比が回復傾向にあるといえます。しかしながら、そのルックアップおよびシングルCDセールスがカウントされない「アイデア」のほうが、(「アイデア」の場合はデジタルダウンロード加算週の)2週後の前週比で「Family Song」「ドラえもん」に勝っているのは興味深いですね。ちなみに「アイデア」の登場2週目(9月10日付)の前週比は33.2%となり急落していますが、これはシングルCDセールスの反動と同種のものと考えられるゆえ、そこからどう立ち直るかがロングヒットの要と言えそうです。