米ビルボード、最新4月22日付のアダルトR&Bソングスチャート。リーラ・ジェイムス「Don't Want You Back」から首位の座を奪ったのはチャーリー・ウィルソン feat. T.I.「I'm Blessed」でした。
今年2月にリリースしたチャーリーのアルバム、『In It To Win It』の巻頭を飾るナンバーチャーリーに一切の気負いを感じないのは余裕というか貫禄というか、実に見事。アルバムの詳細およびApple Musicのリンク先は下記bmrに掲載されていますのでそちらを是非。
ギャップ・バンドの一因として活躍し、1990年代移行はソロとして活躍するチャーリー・ウィルソン。アダルトR&Bチャートの常連で、今回の「I'm Blessed」が通算9作目となる同チャートでの首位獲得となりました。「I'm Blessed」では落ち着いた歌声を披露していますが、彼の魅力は痛快なアップやミディアム~スロウにおける情感溢れる歌声にも。
同じくアダルトR&Bソングスチャートを制した「There Goes My Baby」(2009)がその好例かと。シンガー/プロデューサーで"美メロ"の伝道師であるベイビーフェイス等が書いた楽曲を、力強さを交えて歌い上げるのはチャーリーならでは。
そのチャーリー、力強い歌唱の際に時折発する"Oooh Wee"というフレーズもまた印象的ですが、最近日本でその"Oooh Wee"のフレーズを用いた人たちが、ゴスペラーズなのです。
先月リリースされたアルバム、『Soul Renaissance』は80年代末のニュージャックスウィングから2000年代初頭までの幅広いR&Bサウンドを網羅した作品なのですが、アルバム4曲目「All night & every night」の冒頭で件のフレーズが発せられます。この曲は例えるならば、"ジョデシィがベイビーフェイス「Soon As I Get Home」を歌ったら"。出だしのメロディは童顔氏特有の美メロですが、
それを終始ジョデシィばりの熱量で歌い上げるのです。
90年代R&B好きにはたまらない曲に仕上がっているんですよね。そこに"Oooh Wee"と挟み込まれるのですからもう最高としか言いようがありません。尤もゴスペラーズにとってそのフレーズは決して狙ったものではなく、おそらく彼らのバックボーンに熱唱系の歌い手の存在があったのでしょう。この「All night & every night」を聴いて浮かんだのは、トニ・ブラクストン「You're Makin' Me High」を下敷きにした(と思しき)「熱帯夜」。そういえばトニの曲も童顔氏が書いていますね。
はっきり言って、この「All night & every night」一曲だけでもアルバムを手に取る価値は十分にあります。特に黒沢薫さんと村上てつやさんのチャーリー・ウィルソンばりの熱唱は、聴いてるこちらがとろけるほど。是非耳で、全身で彼らの歌声を受け止めてみてください。