米ビルボードシングルチャートを定点観測。
日本時間の火曜早朝に発表された5月14日付最新チャート、デザイナー「Panda」が2週目の1位を獲得、そしてビヨンセとプリンスがトップ10内にランクインを果たしました。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。
「Panda」の次週の1位は微妙といえそうです。というのも今週2位につけたドレイク feat. ウィズキッド&カイラ「One Dance」が1位を奪取する可能性が高いゆえ。同曲を収録したドレイクのアルバム『Views』が来週のアルバムチャートで初登場1位は堅く(セールスだけでも80万という予想)、その流れでシングル曲にも勢いがつくと予想されます。ドレイクはリアーナの客演として「What's My Name?」と「Work」の2曲で1位を記録していますが、ドレイク主演となると最高位は2位止まり(「Best I Ever Had」、そしてミュージックビデオでのダンスがいい意味で格好悪いと評判?になった「Hotline Bling」。なお後者は『Views』収録)。いよいよ彼にとって初の主演作1位となるか、来週に注目です。
トップ10内に初登場を果たしたのがビヨンセ「Formation」。同曲が収録されたアルバム『Lemonade』が今週アルバムチャートを制し、その勢いで「Drunk In Love」(夫ジェイ・Zとの共演)以来のトップ10入りを果たしました。
「Formation」単体での配信セールスは、アルバム発売週ゆえ数字が伸び174,000を記録しセールス部門で3位に。決して悪い数字ではないのですが3位止まりとなったのは、トップ2をプリンスが独占したため。昨日アルバムチャートの速報を紹介しましたが、プリンスはシングルチャートでも凄い結果を残しました。
昨日の記事は下記に。
「Purple Rain」(プリンス&ザ・レボリューション名義)が4位、「When Doves Cry」が8位にそれぞれ再浮上。「Purple Rain」が282,000、「When…」が198,000の配信セールスを記録し、「Purple…」はアデル「Hello」以来のビッグセールスとなりました。この売上が牽引し、プリンスにとって「The Most Beautiful Girl in the World」で3位を獲得した1994年以来となる、22年ぶりのトップ10ヒットとなりました(さらに2曲同時ランクインは32年ぶり!)。
プリンスのチャート席巻の報道は別記事でも。
シングルチャート100位以内、いやトップ40内に8曲も送り込んできたのです。
左から順に、
今週の順位・前週・曲名・最高位(1位獲得週)と記録した年
No. 4 (17), "Purple Rain" (No. 2, 1984)
No. 8 (20), "When Doves Cry" (No. 1, five weeks, 1984)
No. 20 (29), "Little Red Corvette" (No. 6, 1983)
No. 23 (28), "Kiss" (No. 1, two weeks, 1986)
No. 25 (39), "Let's Go Crazy" (No. 1, two weeks, 1984)
No. 27 (41), "1999" (No. 12, 1983)
No. 33 (-), "Raspberry Beret" (No. 2, 1985)
No. 39 (-), "I Would Die 4 U" (No. 8, 1985)
・上記記事より
さらにロック部門(Hot Rock Songs)のチャートでは3位を除く1~5位をプリンス(&ザ・レボリューション)が独占、R&B/ヒップホップ部門ではトップ40内に8曲を送り込んでいます(詳細は上記記事をご参照ください)。
ロックとR&B、それぞれのチャートで4曲が被っていることから、プリンスの曲はジャンルを越えて愛されたということが伺えます。ビヨンセやブルーノ・マーズ、ディアンジェロさらには元々カントリー歌手だったテイラー・スウィフトなど、現在の歌手は特定の音楽ジャンルに縛られることなくクロスオーバーで活躍していますが、その礎を築いたのは間違いなくプリンスであり、現在の歌手はある意味で皆、”プリンス・チルドレン”なのかもしれませんね。
※追記
記事をアップした直後に、”ビヨンセの『Lemonade』収録の12曲すべてがHot 100にランクイン”という米ビルボードの記事が登場しました。
ということは、5月14日付Hot 100にランクインした曲の5分の1がプリンスとビヨンセということに。ビヨンセと同様の現象が来週のドレイクでも起こる可能性が高く、ますます来週のチャートから目が離せません。