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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

最新7月22日付ビルボードジャパンソングスチャートで、”ストリーミングの人気曲は総合チャートでも人気”が証明される

7月8~14日を集計期間とする、7月22日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、ソングスチャートはKis-My-Ft2「HANDS UP」が制しました。

また、前週首位を獲得したBTS「Lights」は2位に後退しながらも、高いシングルCDセールス指標も相まってポイントは37087→16454と高い状態が続いています。

 

今回注目するのはソングスチャート3位のOfficial髭男dism「Pretender」。以前から幾度となく注目していたこの曲ですが、遂にストリーミングで史上初となる週間500万回再生を突破しました。

Official髭男dismはストリーミング指標トップ10内に同時に3曲を送り込み(「Pretender」(1位)、「ノーダウト」(5位)、「宿命」(6位))、史上5組目となる記録を達成。またOfficial髭男dismの楽曲は今週総合で7位に初登場を果たした「宿命」を機に、『今週トップ100にチャートインした楽曲は、前週より平均16%増の再生回数を記録』(上記ストリーミングの記事より)。「Pretender」が発表からしばらく経った今になって史上初の500万回再生を突破出来たのは「宿命」の影響と言えますし、新曲の登場によってストリーミングが票割れを起こすわけではないことも証明出来たように思います。

また、「宿命」は先週火曜までに配信が始まったことで高位置に初登場出来たと言っていいでしょう。先週の弊ブログで、ダウンロード解禁日が集計期間の終盤になり勿体無いチャートアクションとなった曲が多いと書きましたが(日本の最新ソングスチャートにおける勿体無い動きから、配信先行ならば月曜解禁を提案する(7月14日付)参照)、Official髭男dismの施策の巧さを倣ってほしいと思います。

ストリーミングの影響により、Official髭男dismは先述した「ノーダウト」(2018)が総合18位、ストリーミング17位の「115万キロのフィルム」(2018)が総合84位に登場。共に最高位を更新したのみならず後者は初の100位以内登場となり、Official髭男dismが大ブレイクを果たす兆候にあることもさることながら、ストリーミングの強さが総合チャートの原動力になっていることが見て取れます。

 

ではストリーミングが強い他の曲はどうでしょうか。最新7月22日付ソングスチャートにおける、総合チャートとチャートを構成する8指標との兼ね合いをみてみます。

上記はチャートを分析する際に非常に使い勝手の高いビルボードジャパン提供のサービス。月額料金300円を支払えば総合および各指標の上位100位までを確認出来ますが、ここでは会員以外でもチェック可能な上位20曲分でチェックしてみます。

ソングスチャート(Hot 100)において表示週を最新7月8~14日に設定し更新後、総合チャート(黒)もしくは各指標をクリック(タップ)すると、総合もしくは各指標での上位20曲が上から順に登場します。その機能を使い、まずは総合チャートの上位20曲に各指標のトップ10がいくつ入っているかをみてみましょう。たとえばシングルCDセールス指標ならば濃い黄色が同指標1位、薄い黄色が同2~10位を指します。

・総合チャート上位20位以内における各指標トップ10の在籍曲数

シングルCDセールス 4曲

ダウンロード 8曲

ストリーミング 10曲

ラジオエアプレイ 3曲

ルックアップ 7曲

Twitter 3曲

動画再生 6曲

カラオケ 5曲

ストリーミングがパーフェクトを達成しています。他方最低を記録したのはラジオとTwitterTwitterはここ最近アイドル等の強さが目立ち(ビルボードジャパンソングスチャート構成指標のひとつ、Twitter指標への見方が変わりつつあります(6月26日付)参照)、ラジオエアプレイは新曲や洋楽多めという傾向があります。

そしてもうひとつ、各指標の上位20曲が、総合チャート100位以内にいくつ入っているかについても探ってみます。

・総合チャート100位以内に対する各指標上位20曲の在籍曲数

シングルCDセールス 16曲

ダウンロード 18曲

ストリーミング 20曲

ラジオエアプレイ 11曲

ルックアップ 17曲

Twitter 12曲

動画再生 17曲

カラオケ 15曲

ここでもストリーミングがパーフェクトを達成しています。ストリーミング同様接触を示す指標であるルックアップ(購入したCDをパソコンに取り込む意味合いも強いですが、CDレンタルで伸びる傾向が強い)や、動画再生も20曲中17曲が100位以内に登場し、所有を示すシングルCDセールスを上回っているのが興味深いところです。

 

 

Official髭男dismの動向、そしてストリーミング上位20曲の総合チャートでの成績の良さを踏まえるに、ストリーミングはやはりチャートにおける大事な要素であることがよく解ります。ストリーミング未解禁のままだったり解禁しても旧譜のみというのは至極勿体無いという、以前から弊ブログで書いてきた主張は間違っていないと言っていいでしょう。

今週発売、イギリス発最新ヒット曲コンピレーション『Now 103』トラックリストを紹介

前作からおよそ3月ぶり、イギリスの最新ヒット曲をまとめた『Now』シリーズ最新作が今週金曜にリリースされます。

前作『Now 102』については4月に紹介しています。

以下に今作、『Now 103』のトラックリストを掲載します。

7/19発売『Now That's What I Call Music! 102』(UK版) トラックリスト

(順位は全英(UK)、全米(US)とも総合チャートのもの。7/17朝の時点でのWikipediaを参照。曲名のリンク先はYouTube)

(disc-1)

01. リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road (Remix)」(UK1位・US1位)

02. エド・シーラン feat. チャンス・ザ・ラッパー & PnBロック「Cross Me [Clean]」(UK4位・US34位)

03. ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」(UK2位・US2位)

04. アヴィーチー feat. アロー・ブラック「SOS」(UK6位・US68位)

05. ケイティ・ペリー「Never Really Over」(UK12位・US15位)

06. アリアナ・グランデ「Break Up With Your Girlfriend, I'm Bored [Clean]」(UK1位・US2位)

07. メデューサ feat. グッドボーイズ「Piece Of Your Heart」(UK2位)

08. ストームジー「Vossi Bop」(UK1位)

09. ショーン・メンデス「If I Can't Have You」(UK9位・US2位)

10. マーク・ロンソン feat. カミラ・カベロ「Find U Again」(UK31位)

11. マーベル「Mad Love」(UK8位)

12. シガーラ & ベッキーヒル「Wish You Well」(UK9位)

13. ピンク feat. キャッシュ・キャッシュ「Can We Pretend」(UK88位)

14. ジェス・グリン & ジャックス・ジョーンズ「One Touch」(UK19位)

15. ザラ・ラーソン「Don't Worry Bout Me」(UK34位)

16. キャメルファット & ジェイク・バグ「Be Someone」(UK59位)

17. ジャックス・ジョーンズ & マーティン・ソルヴェイグ present エウロパ & マディソン・ビアー「All Day And Night」(UK10位)

18. マーティン・ギャリックス feat. マックルモア & パトリック・スタンプ of フォール・アウト・ボーイ「Summer Days [Clean]」(UK26位・US100位)

19. リトル・ミックス「Bounce Back」(UK10位)

20. ジョナス・ブルー feat. テレサ・レックス「What I Like About You」(UK16位)

21. ザ・チェインスモーカーズ & ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー「Who Do You Love [Clean]」(UK34位・US52位)

22. マイリー・サイラス「Mother's Daughter [Clean]」(UK29位・US54位)

23. ジョナス・ブラザーズ「Cool」(UK39位・US27位)

24. ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー「Easier」(UK27位・US48位)

25. スティール・バングルズ feat. AJ・トレイシー & モースタック「Fashion Week [Clean]」(UK7位)

 

(disc-2)

01. ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」(UK1位・US2位)

02. ルイス・キャパルディ「Hold Me While You Wait」(UK4位)

03. アリアナ・グランデ & ヴィクトリア・モネイ「Monopoly [Clean]」(UK23位・US69位)

04. アヴィーチー「Heaven」(UK20位・US83位)

05. デヴィッド・ゲッタ feat. レイ「Stay (Don't Go Away)」(UK41位)

06. バスティル「Joy」(UK46位)

07. エルトン・ジョンタロン・エガートン「(I'm Gonna) Love Me Again (from『ロケットマン』)」

08. カイリー・ミノーグ「New York City」

09. エリー・ゴールディング「Sixteen」(UK2位)

10. ワンリパブリック「Rescue Me」(UK52位)

11. ドミニク・ファイク「3 Nights」(UK19位)

12. ライトハウス・ファミリー「My Salvation」

13. エミリー・サンデー「Sparrow」

14. サム・フェンダー「Hypersonic Missiles」(UK65位)

15. リアム・ギャラガー「Shockwave」(UK22位)

16. ジェイムス・アーサー「Falling Like The Stars」(UK25位)

17. ウェストライフ「Better Man」(UK26位)

18. タロン・エガートン「Rocket Man (from『ロケットマン』)」

19. ヒメーシュ・パテル「Yesterday (from『イエスタデイ』)」

(以下は"35th ANNIVERSARY NOW 3 THROWBACK!"として、35年前にリリースされ7月19日に再発される『Now 3』の収録曲をこちらにも収録)

20. グランドマスター・フラッシュ & メリー・メル「White Lines (Don't Do It)」

21. OMD「Locomotion」

22. ウェザー・ガールズ「It's Raining Men」

23. ニック・カーショウ「I Won't Let the Sun Go Down on Me」

※一部、日本語表記不明な歌手についても出来る限り日本語にて表記しています。またランクイン不明曲もありますが、日本語表記に誤りがあったり、ランクインしていないものが実際はしていたならば申し訳ありません。

※曲名に[Clean]とあるものは”クリーンバージョン”となるため、仮に収録曲で気に入ったものがそちらだった場合は元の楽曲を購入することをお勧めします(特にヒップホップ)。

前作以降、イギリスで首位を獲得しながらも収録が見送られたのはエド・シーラン & ジャスティン・ビーバー「I Don't Care」。8週もの首位を記録しながらそちらは提供せず、エド・シーランはチャンス・ザ・ラッパー & PnBロックとの「Cross Me」が収録される事態に。エド・シーランは前作『÷ (Divide)』からも「Shape Of You」および「Perfect」の『Now』シリーズへの収録を見送っており、その姿勢は残念に思います。他方、『Now 102』で収録が見送られ懸念を示していたアリアナ・グランデの首位獲得「Break Up With Your Girlfriend, I'm Bored」、およびビリー・アイリッシュ「Bad Guy」は今回収録されています。

また、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を手掛けたデクスター・フレッチャー監督による最新作で、エルトン・ジョンの半生を描いた『ロケットマン』からは2曲が収録。日本では8月23日公開となっており、予習の意味で『Now 103』を手に取るのもいいかもしれません。

 

ヒット曲をコンパイルした作品が比較的手軽に、CDで手に入るのは好いことだと思います。気になった方はチェックしてみてください。

リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が最長首位獲得記録で単独3位に浮上…7月20日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。現地時間の7月15日月曜に発表された、7月20日付最新ソングスチャート。リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が15週目の首位を獲得し、最長首位獲得記録で単独3位に浮上しました。またポスト・マローン feat. ヤング・サグ「Goodbyes」が3位に初登場を果たしています。

ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017)およびマライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996)が持つ16週1位の記録にあと1週と迫った「Old Town Road」。ですが、ここに来てチャートを構成する3指標全て前週比二桁ダウン。ストリーミングは前週比21%ダウンの7050万(同指標首位)、ダウンロードは同24%ダウンの43000(同1位)。ラジオエアプレイは同14%ダウンの6520万(同8位)となり、その勢いははっきり落ちています。

一方で、今週2位をキープしたビリー・アイリッシュ「Bad Guy」は集計期間の終盤になってジャスティン・ビーバーとの共演バージョンが公開されました(木曜午後の公開のため、デジタル2指標は半日弱、ラジオエアプレイは3日強が加算対象に)。

それもあってか、ストリーミングは前週比2%ダウンの4010万(同指標4位)と下がったものの、ラジオエアプレイは同5%アップの7960万(同5位)、ダウンロードは同4%アップの20000(同7位)と上昇しています。

次週、「Bad Guy」はジャスティン・ビーバー参加版が集計期間フルで加算、他方「Old Town Road」もヤング・サグおよびメイソン・ラムジーをフィーチャーした新たなバージョンを先週金曜に公開しこちらも集計期間フルで加算されます。2曲のリミックスについては先週ブログに記載しています。

今週「Old Town Road」は総合ポイントで前週比20%ダウン、一方「Bad Guy」は1%アップ。ポイント差は「Bad Guy」を1とすれば「Old Town Road」は1.5と、前週の1.9から縮まっています。それでもまだ開きがあり、ジャスティン・ビーバーの加勢がどこまで影響するか、気になります。

 

ポスト・マローン feat. ヤング・サグ「Goodbyes」は初登場3位となり、「Old Town Road」から首位の座を奪うことは出来ませんでした。

(※注意:上記ミュージックビデオには暴力表現が含まれます。)

「Goodbyes」はストリーミングが4080万、ダウンロードが41000と両指標2位発進となり、ラジオエアプレイは2290万を獲得し49位に登場。初登場時はどうしてもラジオエアプレイが弱く、仮に今回デジタル2指標が倍の数字を稼いだとしても首位に届かなかった形です。他方、スウェイ・リーとの「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」は1ランク落とし9位となりましたが、史上8曲目となる通算30週目のトップ10入りを果たしました。トップ10入り最長記録はマルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」(2018-2019)およびエド・シーラン「Shape Of You」(2017)の33週となります。 

 

ラジオエアプレイを制したのは総合で1ランク後退し4位となったカリード「Talk」で、前週比5%アップの1億3320万を獲得、同指標で5週目の首位に。そのラジオエアプレイでは前週初のトップ10入りとなったリゾ「Truth Hurts」が前週比18%アップの5230万を獲得し同指標14→10位に。総合では1ランクダウンし7位となりましたが勢いはあります。

 

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」

2位 (2位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

3位 (初登場) ポスト・マローン feat. ヤング・サグ「Goodbyes」

4位 (3位) カリード「Talk

5位 (5位) ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」

6位 (4位) エド・シーラン & ジャスティン・ビーバー「I Don't Care」

7位 (6位) リゾ「Truth Hurts

8位 (7位) ジョナス・ブラザーズ「Sucker」

9位 (8位) ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」

10位 (10位) ダベイビー「Suge」

次週は先述した上位2強のリミックス追加によるトップ争いに加え、先週リリースされたエド・シーランのアルバム『No.6 Collaborations Project』がアルバムチャートで初登場となることから、ジャスティン・ビーバーとの「I Don't Care」も再浮上となる可能性が。ある種、ジャスティン・ビーバーがどこまでかき回すかのチャートとなりそうです。

(追記あり) アーカイブ配信が今日まで延長、最高の中村佳穂ライブを是非

※追記 (7月16日7時57分):アーカイブ配信は昨日で終了しましたが、今後是非ライブを観ていただきたいという思いを込め、このエントリーは残します。)

 

 

自分も数度抽選予約に参加しながら外れまくった、中村佳穂さんのワンマンライブ【LIQUIDROOM 15th ANNIVERSARY 中村佳穂】が一昨日開催。あまりの人気ぶりからでしょう、YouTube Liveで配信が決定し24時間限定でアーカイブ配信されたのですが、その反響ももの凄かったからでしょう、3連休最終日まで配信時間が延長されています。あまりに素晴らしかったので、まだ観ていない方は今日是非観てほしい!と強く思います。

全編見どころとしか言いようがないのですが、たとえば7月3日に配信され、昨日付の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)で100→8位とジャンプアップした「LINDY」も、レコーディングに参加した馬喰町バンド、さらに八丈太鼓のメンバーが参加してとんでもないグルーヴが。最高のお祭りです。

そこから本編に戻る瞬間がまた熱く。

音が一斉に鳴り出す瞬間の解放感たるや、なのです。

 

音楽ジャーナリストの柴那典さんのツイート(勝手ながら引用させていただきました。問題があれば削除いたします)にもあるように、”祈り”もまた中村佳穂さんのライブにおける大事な感覚というか。「LINDY」や、以前も書きましたが「そのいのち」からは祈りや希望を感じます。そして自分が以前歌ってきたゴスペルにも通じると思うのです。

ゴスペルとの共通項は他にも。

柴さんも言及している”44回”、アーカイブ配信を観ればその理由が解りますし、Twitterで【中村佳穂 44】と検索すれば凄いを通り越して狂気等の(褒め)言葉が踊っています(だからでしょうか、Twitterで【中村佳穂】と入れると関連ワードに【怖い】が出てくる…これには流石に驚きましたが、それだけ”凄いものを観た!”と心を揺さぶられまくったことの表れかと。個人的には以前このキメを観たことがあったからか素直に感動しました)。

この”44回”について、合わせられるバンドのMっ気気質が凄いという声がみられたのですが、それで思い出したのが自分のゴスペルクワイアでの経験。以前HIRO'S MASS CHOIRに所属していた際、年1回のゴスペルライブで木村”HIRO”洋幸さんが会場の高揚感を纏い、リハやレッスン時を超える転調に次ぐ転調を行うということがありました。その時の”いつまで続くの!?”という感覚を、”44回”から思い出した次第。転調に次ぐ転調、ゴスペルではないもののビヨンセ「Love On Top」が解りやすいですね。

クワイアは、どこまで転調するのだろうという不安があるものの、それよりはるかに高揚感と楽しさが勝るゆえ、鬼畜かもしれない(いや実際高すぎて声が出なくなるのですが)転調も苦じゃない…というのが自分の捉え方なのですが、もしかしたら”44回”における中村佳穂バンドの思いもそれと同じじゃないかと思うのです。

 

このキメも、祈りも次のワンマンライブでさらにグレードアップしていることでしょう。そしてワンマンではありませんが、次のライブでは会場の解放感と合わさって、特別なものになるはずです。

いつかまた中村佳穂さんのライブに直に触れて、最高の時間を共有したいと思います。

日本の最新ソングスチャートにおける勿体無い動きから、配信先行ならば月曜解禁を提案する

昨日のブログエントリーでは、アメリカにおける”リミックス”事情とそれがチャートアクションに与える影響について書きました。

これに追記するならば、アメリカのチャートに関するスケジュールも大きいなと。

世界的に音源のリリースが金曜となったことで、米ビルボードソングスチャートでデジタル2指標を1週間丸々カウントさせ初登場もしくはリミックス投入後にて高い位置に登場させる動きは定番となっています。

 

他方日本の場合、リミックス等以前に未だリリースはCD主体で水曜発売が基本であり、また直前告知等もあまり見られない印象があります。ただシングルCDとしてリリースされることが減り、所有の手段はダウンロード一択という楽曲が増えています。

7月1~7日を集計期間とする最新7月15日付のビルボードジャパンソングスチャートには、シングルCDに先駆けて先行配信、もしくはCD化未定の楽曲が多く初登場を果たしました。ダウンロード2位の手塚翔太「会いたいよ」(総合19位)を筆頭に、6位の[ALEXANDROS]「月色ホライズン」(総合16位)、9位のPerfume「ナナナナナイロ」(総合23位)、14位のDA PUMP「P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~」(総合50位)、15位のゆず「GreenGreen」(総合86位)等、注目作品が多くランクインしています。が、これらの楽曲はいずれも勿体無い動きをしていると断言していいでしょう。

7月15日付のダウンロードソングスチャートをみると、「会いたいよ」が18438、「月色ホライズン」が14986、「ナナナナナイロ」が11424ダウンロードを獲得。しかし、『アクエリアスのCMソングに起用されている[ALEXANDROS]の「月色ホライズン」は、7月5日の配信スタートから14,986DLを獲得』『同じく先週末7月6日から配信が始まったPerfumeの「ナナナナナイロ」は、11,424DLを記録』(いずれも上記リンク先より)とあり、最新チャートの集計期間の終了前日もしくは2日前の解禁となっています(他にもDA PUMPは7月5日、ゆずは集計期間最終日となる7日に配信開始)。それゆえ、たとえば「月色ホライズン」が7月1日に解禁していたのならばほぼ間違いなくダウンロードは7日までに2万を超え、菅田将暉まちがいさがし」を上回り同指標首位に就いたはずです。

また、ダウンロード2位に入った”手塚翔太”とはドラマ『あなたの番です』(日本テレビ 日曜22時30分)における田中圭さんの役名であり、ドラマ放送日となる7月7日日曜に解禁されたためその集計期間はわずか1日しかありませんでした。

歌っているのが田中圭さんだということは、7月6日土曜放送の『THE MUSIC DAY』(日本テレビ)内、21時前後にで明かされたのですが、ならばその直後に配信をはじめてもよかったのではないかと思いますし、個人的にはドラマ放送終了のおよそ30分後、7月8日0時に配信を開始すれば、今週水曜発表の7月22日付ビルボードジャパンソングスチャートにおいて集計期間丸1週間分のダウンロードセールスが加算され、トップ10入りも間違いなかったはずです。当週「会いたいよ」はチャート構成比に占めるダウンロード指標が8割強(他はTwitter指標のみ)で、総合ポイントを踏まえればダウンロード指標で稼いだポイントは1700前後に。仮に今週月曜に解禁し4万ダウンロードを獲得したとすれば、ダウンロード指標だけで3700近いポイントを稼ぐことが出来、1指標のみでトップ10入り出来たはずです。

 

日本はアメリカ等と異なり、ストリーミングはおろかダウンロードへもフレンドリーではない歌手が未だ少なくないため、アメリカのような基本金曜デジタル解禁という方針が日本では踏襲されていません。逆に言えば、歌手がそれぞれタイミングを設定し、”仕掛ける”ことが可能なのです。CM解禁や映画公開等にスケジュールを合わせないとならないためか解禁に制約はあるでしょうが、「会いたいよ」等の例を考えれば解禁日を集計期間早めに持っていくほうがチャート上有利になることは間違いありません。チャートを気にしないという歌手もいるかもしれませんが順位が高いことで損をすることはまずないと思いますし、高位置に登場すればするほど注目は集まるでしょう。この解禁日設定もマーケティングの一環ゆえ、きちんと考えていただきたいと思います。

米チャートのカンフル剤となる”リミックス”の面白さ…ビリー・アイリッシュ with ジャスティン・ビーバー「Bad Guy」は首位の座を射止めるか

ビリー・アイリッシュが、大ファンとするジャスティン・ビーバーを迎えた「Bad Guy」のリミックスを、現地時間の今週木曜夜に急遽リリースしました。

この動き、再来週の米ビルボードソングスチャートにどう影響するか、非常に楽しみです。

 

最新7月13日付チャートにおいて、ビリー・アイリッシュ(ソロバージョンの)「Bad Guy」は2位につけていますが、14週連続で首位を走るリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」とはおよそ2倍近い差がつけられています。

ここにジャスティン・ビーバーが助太刀で参加するのですから、非常に面白いことになりそうです。

ジャスティンといえば、自身の楽曲以外にも多数の客演曲が大ヒット。昨日アルバム『No.6 Collaborations Project』をリリースしたエド・シーランの、アルバムからの最初のリード曲となる「I Don’t Care」にジャスティンが参加し最高2位、現在もトップ10内をキープしています。

とりわけ強烈な印象を放ったのは、ラテンブームをムーブメントに押し上げたと言っていい、ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー「Despacito」に客演参加したこと。オリジナルはこちら。

そしてジャスティン・ビーバー参加版はこちら。

ジャスティン・ビーバー参加後首位に立った「Despacito」は、ジャスティン参加版が初めて加算された2017年5月6日付米ビルボードソングスチャート でダウンロードが前週比510%もの大幅アップ、ストリーミングも倍以上となり総合で48→9位と上昇。その後4→3位を経て、5月27日付で首位に(日付のリンク先は弊ブログの米ビルボードソングスチャート速報)。5月27日付において「Despacito」ダウンロードの7割強がジャスティン参加版ということもあり、火付け役がジャスティンだったことは間違いありません。「Despacito」はここから16週ものナンバーワンという最長記録を達成しています(同じく16週首位にはマライア・キャリー & ボーイズ・II・メン「One Sweet Day」(1995-1996)も)。

 

尺を長く(もしくは短く)することはあっても基本のオケはほぼ変えず、新たな客演を招いたバージョンを“リミックス”と称して発売することは、今回の「Bad Guy」(厳密にはリミックスと謳ってはいませんが)や「Despacito」にとどまりません。近年全米1位を獲得した例だけでも、ブルーノ・マーズ feat. グッチ・メイン「That’s What I Like」(それこそ「Despacito」がジャスティンの尽力によりチャートを駆け上がっていく2017年5月13日付で首位に)、エド・シーラン feat. ビヨンセ(もしくはアンドレア・ボチェッリ)「Perfect」、マルーン・5 feat. カーディ・B「Girls Like You」などが該当します。たとえば「That’s What I Like」はその前週にアルバムが初登場した勢いでソングスチャートも制したケンドリック・ラマー「Humble.」が次週ダウンするだろうことを見越して(デジタルの瞬発力が高い作品はラジオエアプレイが伴っていないことが多く、次週デジタルの下降分をラジオエアプレイが補えない限り失速するのは定番のチャートアクション)、見計らったかのようなタイミングでリミックスを用意し、見事にチャートを制したのです。

ブルーノ・マーズは他にも、アルバム『24K Magic』から「Finesse」をシングルカットする際にカーディ・Bを招いています。またBTSは昨年「Idol」にニッキー・ミナージュを新たに招いたバージョンを用意。このように、新たに客演を招いた形でのリミックスがアメリカにとっては定番と化しているのです。

 

リミックスの投入はチャートアクションの活性化につながることは先述した「Despacito」や「That’s What I Like」から解るでしょう。またリミックスを機にオリジナルバージョンの存在を知り、元のバージョンが収録されたアルバムに触れる方も増えるかもしれません。ビリー・アイリッシュは「Bad Guy」がラジオを中心に今も伸びていますが、ジャスティン・ビーバーの尽力はさらなる高みへ登るために有効だと考えます。

「Bad Guy」のリミックスがデジタル2指標(ストリーミングおよびダウンロード)で集計期間1週丸々カウントされるのは、日本時間の再来週火曜に発表される7月27日付ソングスチャート。ダウンロードは「Despacito」の例を踏まえれば50000を超えるかもしれず、ラジオエアプレイは次週の段階で既に逆転するものとみられるため、あとはストリーミング次第と言えそう。となると、仮にリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が次週ポスト・マローン feat. ヤング・サグの新曲「Goodbyes」の追随を許さず15週目の首位を記録出来ても、その翌週にビリー・レイ・サイラス with ジャスティン・ビーバー「Bad Guy」に敗れ最長タイ記録が潰える可能性も出てきました。だからでしょうか、「Old Town Road」側も新たな対策を施し、ポスト・マローンの新曲に参加したばかりのヤング・サグを迎えたさらなるリミックスを昨日発表しています。というか元々「Old Town Road」はリル・ナズ・Xのみによる曲であり、ビリー・レイ・サイラスが加勢した”リミックス”が後に登場したことで14週連続首位(うちビリー加勢版は2週目以降カウント対象に)の原動力になったのですが。

ヤング・サグと共に参加したメイソン・ラムジーは12歳のカントリー歌手で、昨年ウォルマートで歌っている動画がきっかけとなりコーチェラ・フェスティバルにも出演した、話題の歌手なのです。

なにげにここもジャスティン・ビーバーつながりだったりするのですね。「Old Town Road」が引き離すことが出来るか、「Bad Guy」が追い越せるのか…再来週発表のチャートに注目です。

 

 

最後に、レコード会社およびビルボードジャパンに対する個人的な願いを2つ記載します。

ひとつは、リミックスが作られる曲は主にアルバムからのリード曲ではなくシングルカット曲が多いことから、CDでリミックスを手に入れることは非常に困難なため、リミックスEP的な作品を用意していただけたならばと。現状では、リミックスをアルバムのボーナストラックとして収録する後出しのデラックスエディションとして出ることが少なくなく、元来アルバムを持っている身には収録曲がダブってしまいます。在庫問題があるため難しいと言うのであれば、オリジナル盤を持っている方向けにネットで注文販売し、CDと簡易なブックレットだけ送付するのでケースに差し込んでくださいと促すのはいかがでしょう。

そしてもうひとつは日本のビルボードジャパンソングスチャートにおけるリミックスの取扱を米ビルボードと統一してほしいということ。日本においては先述したBTS「Idol」についてもオリジナルバージョンとリミックスが別扱いになっている他、最新7月15日付ビルボードジャパンソングスチャートを制した「Lights」とダブルAサイドを成す「Boy With Luv」についても、その日本語バージョンにはオリジナル版に参加していたホールジーが不在のために客演の有無で別扱いとなっています。

日本におけるリミックスの取扱は米と異なります。以前問い合わせ、ブログに掲載しました。

個人的には、リミックスも合算してほしいという思いがあります。聴き手の側はオリジナルバージョンもリミックスも、(オケがほぼ変わらない場合は特に)ひとつの楽曲の多様なバリエーションとして親しんでいるのではないでしょうか。捉え方は人それぞれかもしれませんが、リミックスをオリジナルと一緒にすれば歌手側やレコード会社側がチャートアクションに「Bad Guy」や「That’s What I Like」ような“仕掛け”を施すことも出来、新たなマーケティングの形が生まれるのではないかと考えます。同じビルボードの看板を掲げながら日米で差があることも違和感があるゆえ、ビルボードジャパンにはチャートポリシーを見直すか、一度議論していただきたいと切に願います。

「今夜このまま」と「HAPPY BIRTHDAY」のチャートアクションの差を考えれば、ストリーミングとミュージックビデオフル尺解禁は必須だと思う

7月7日放送の『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時。コミュニティFMゆえタイムフリー機能はありませんが、生放送はサイマル放送で全国何処からでも聴取可能)では、大学生のDJしょうごくんによる今年上半期の話題曲特集をお送りしました。そこで取り上げられた曲がback number「HAPPY BIRTHDAY」(『初めて恋をした日に読む話』(2019 TBS)主題歌)、そして菅田将暉 feat. あいみょん「キスだけで」。「キスだけで」は6月最終週リリースですが、あいみょんさんのチャートでの、また曲を書くスピードという意味での勢いを示す上での選曲に。そのあいみょんさんはビルボードジャパンの今年上半期ソングスチャートでトップ10内に3曲を送り込んでいますが、上半期7位を記録した「HAPPY BIRTHDAY」同様ドラマ主題歌となった「今夜このまま」(『獣になれない私たち』(2018 日本テレビ)は4位となり大ヒット。アルバムからの最後の先行シングルとしての立ち位置も両者同じなのですが、似て非なる動きをしているので比べてみます。なお、今年上半期のビルボードジャパン各種チャートは下記に。

 

・back number「HAPPY BIRTHDAY」

 (2月19日ダウンロード配信開始、2月27日シングルCD発売、

  3月27日発売のアルバム『MAGIC』に収録)

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あいみょん「今夜このまま」

 (10月24日ダウンロード配信開始およびストリーミング解禁、11月14日シングルCD発売、

  2月13日発売のアルバム『瞬間的シックスセンス』に収録)

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ちなみにビルボードジャパン上半期アルバムチャートでは『MAGIC』が5位、『瞬間的シックスセンス』が6位と並んでいます。最新7月15日付のアルバムチャートにおける順位も近く、チャート構成比も似ています。

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ソングスチャートを構成する8つの指標において、「HAPPY BIRTHDAY」と「今夜このまま」で大きな差がみられるのはやはりストリーミング(青の折れ線グラフ)と動画再生(赤)という、接触を示す2指標。ストリーミングは「今夜このまま」が4月29日付までトップ5内をキープした一方、「HAPPY BIRTHDAY」はストリーミング未解禁のためランクインしていません。ただしストリーミングには歌詞検索も含まれており、100位未満ながら5週に渡ってランクインしたのは、たとえばカラオケで覚えるために歌詞検索した人の多さゆえとみられます。

ただ、カラオケ需要(今週「HAPPY BIRTHDAY」はカラオケ指標で10位に入り、14週連続でトップ10入り)があるならば参照として動画再生も伸びるはずですが、「HAPPY BIRTHDAY」の動画再生指標トップ10入りは計3週のみ、今週は300位圏外となってしまいました(他方「今夜このまま」は6月17日付まで20位以内をキープ)。これはミュージックビデオがショートバージョンであることが影響していると断言していいでしょう。ショートバージョンが再生回数を伸ばさない例は幾度か記載していますが、[ALEXANDROS]「ワタリドリ」およびMrs. GREEN APPLE「青と夏」の例を下記に挙げておきます。

パソコン等にCDを取り込んだ際のインターネットデータベースへのアクセス数を示すルックアップ(オレンジの折れ線グラフ)は双方強く、特に「今夜このまま」のルックアップが同指標の初登場の3週後に急上昇していることが特徴的ですが、これはCDレンタル解禁をアルバム同様17日後に設定したことによるものでしょう。そのルックアップにおいては『back numberはルックアップ指標が“強いアーティスト”の代表格』とビルボードジャパンが分析しており(『』内は【ビルボード】嵐の20周年ベストが総合アルバム2連覇 2位にすとぷり&『君の名は。』サントラ急上昇 | Daily News | Billboard JAPAN(7月10日付)より)、『MAGIC』が発売から15週連続でトップ3にいることを踏まえればback numberはたしかに強いのですが、これはおそらくストリーミングの代替としてCDレンタルが接触手段の役割を担っているためと言えそうです。しかしながらアルバムにおいては『MAGIC』と、6週前にリリースされた『瞬間的シックスセンス』とで順位が近くまたチャート構成比も似ていること、「今夜このまま」がストリーミングおよび動画再生の2指標でチャート構成比の8割以上を占め今週27位に入っている一方で2指標が今週未加算の「HAPPY BIRTHDAY」が今週72位いう結果を踏まえれば、back numberが下記ブログエントリーで触れたようなベストアルバム以前のみストリーミング解禁という施策を採らずに新作も解禁し、ミュージックビデオもフル尺で解禁していたならばチャートアクションも大きく変わってきたものと思われます。「HAPPY BIRTHDAY」の72位という数字は、アルバムのヒットに対してかなり低いと言っていいでしょう。

 

 

サブスクリプション同時解禁の件について、音楽ジャーナリストの柴那典さんが今週、BUMP OF CHICKENのニューアルバム『aurora arc』について述べた内容に引用の形でツイートしたところ、柴さん本人からリツイートをいただきました。

『旧作を新作リリース直前にサブスクリプション解禁しても、新作は未解禁という例』はback numberにとどまりませんが、その例を採る理由は歌手側やレコード会社側におそらく、新譜も解禁すればCDそしてダウンロードでのアルバム”セールス”は減るという懸念があるからだと想像します。しかし、アルバム発売日にストリーミングを同時解禁したサカナクション『834.194』については。

初週のセールスできちんと結果を残しています。ミュージックビデオ等の効果もあれど、『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜20時)披露効果をきちんとセールス等に結びつけた成果と言えるでしょう。ソングスチャートでも「忘れられないの」が3週連続でトップ10入りを果たしています。

そして次週はBUMP OF CHICKEN『aurora arc』がビルボードジャパンアルバムチャートで初登場首位になることが見込まれています。前作『Butterflies』(2016)の初週CDセールスは20万枚(【深ヨミ】バンプ『Butterflies』、地域別売上げ順位 | Daily News | Billboard JAPAN(2016年2月21日付)参照。”Top Albums Sales”はCDセールスを指します)。そしてストリーミングが同時解禁された今作のCDセールスは、フラゲ日と発売日の2日間だけで既に16万枚を突破しています。

サカナクションBUMP OF CHICKENも、収録曲のタイアップ数や曲およびアルバム全体の質で前作と今作に差はあることでしょう。また、特に質の面において、どちらを好むかは聴き手次第です。しかし、サカナクションが前作と同等、BUMP OF CHICKENが前作超えのセールスを記録したならば、ストリーミングがセールスを駆逐しないことが証明されたと言っていいでしょう。となれば、ストリーミングを解禁すればセールスが減るという仮定は成立しなくなります。またサカナクションBUMP OF CHICKENも、ミュージックビデオをフル尺で解禁していますが、それがアルバムセールスを減らす要因にはなっていないと言えます。

 

最終的には全ての歌手がストリーミングに前向きになっていただきたい、恐れるものはないはずだということを、大袈裟かもですが強く唱えたいと思います。