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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】YOASOBI「アイドル」15連覇&ポイント前週超えの要因を探る

最新7月26日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:7月17~23日)ではYOASOBI「アイドル」が初登場から15週連続で首位を獲得。前週Official髭男dism「Subtitle」を上回り単独最長首位記録を樹立したこの曲が、記録をさらに伸ばしています。

 

YOASOBI「アイドル」は最新チャートにおいてポイントを伸ばしています。

2位には2週連続で、ジョングク feat. ラトー「Seven」が登場。初の1週間フル加算に伴いポイント前週比138.7%を記録しています。実は速報値(ビルボードジャパンでは”先ヨミ”記事として紹介)の段階では「Seven」がダウンロード2位、ストリーミング1位となり、共にYOASOBI「アイドル」(順に4位、2位)を上回っているのですが、最終的には「アイドル」が逆転した形です。

 

 

「アイドル」が総合首位をキープした要因について、いくつか考えられます。

まずはジョングク feat. ラトー「Seven」が初動型に近い動きをしていたということ。とりわけ前週YOASOBI「アイドル」から首位の座を奪取した動画再生指標のダウンはその象徴的な動向といえます。ミュージックビデオは音源リリースと同じ日本時間の7月14日13時に公開され、前週は解禁からわずか2日半弱で動画再生指標を制していました。ゆえにその勢いを当週保つことができなかったと捉えることが可能です。

(その動画再生指標についてはYOASOBI「アイドル」が前週より比較的大きく伸ばしていることが、前週および最新週のCHART insightから解るのですが、ビルボードジャパンの記事ではその点に関する言及はみられませんでした。)

また最新チャートにおいては平日が4日のみ。祝日は主にストリーミング指標が上昇することから、既存のロングヒット曲が有利に作用したと捉えることができるかもしれません。ただしその祝日(海の日)は今回の集計期間初日に該当するため、速報値の動向や週間再生回数の推移を踏まえればYOASOBI「アイドル」にはそこまで影響しなかったともいえそうです。

 

「アイドル」に大きく作用したと考える要因として、新記録樹立の報道等も影響したのではというのが自分の見方です。米ビルボードによるGlobal Excl. U.S.(グローバルチャートのうちGlobal 200から米の分を除いたもの)で初めて首位を獲得したことが報道されたことで、登場9週目および10週目(後者はラジオ指標により強く影響したとビルボードジャパン側が挙げています)のチャート動向に反映されたと分析し、以前紹介しています。

そして「アイドル」が首位獲得週数で新記録を樹立したことが報じられたのは今回の集計期間中である7月19日以降。新記録樹立週においては、史上最速にてストリーミング3億回を達成したことも判明しています。

となると新記録という報道が話題を生み、再度曲への注目につながったと考えます。たとえば日本のSpotifyデイリーチャートにおいては7月18日から「Seven」が首位に立っていましたが、21日金曜には「アイドル」がその位置に返り咲きました。前者が初動型であった可能性のみならず、後者への再注目も影響したと捉えていいかもしれません。

新記録等の樹立が報じられた後、音楽ジャーナリストやチャート分析者等が「アイドル」の強さについて紹介する記事やコラム等を発信。このブログでも要因を紹介しています。

中には「アイドル」のミュージックビデオを添付するものもあり、ともすればそれらが「アイドル」における動画再生指標首位返り咲きの一因となった可能性もあります。そしてこれら記事等から、今一度もしくははじめて「アイドル」に触れるべく行動した方もいらっしゃることでしょう。歌手側の施策共々、記事等もまた作品への気付きの一要素に成り得るものだということを強く感じています。

 

 

YOASOBI側は最新チャートを踏まえ、このように反応しています。無論、最終的に一人ひとりが接触や所有行動に至ったこと(「アイドル」についてはさらに、ブログで述べた”活用”も大きな要因と考えます)により新記録を樹立したのは間違いないでしょう。一方で、様々な報道や分析等が誰かへの(今一度、もしくははじめての)気付きにつながったということは、先述したGlobal Excl. U.S.報道等の事例からも断言できるのです。

 

 

「アイドル」は次週、米津玄師「地球儀」との首位争いを演じるものと思われます。その際「地球儀」はCD、「アイドル」はレコードセールスが初加算されます。フィジカルを味方に両作品がチャート上でどのように推移するか、その結果に注目です。