イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

グローバルチャートに韓国MelOnのデータが反映されたことについて

日本ではYOASOBI「アイドル」がふたつのチャートのうち一方を制したことで話題となったグローバルチャート。米ビルボードが2020年9月に新設した、世界200以上の国や地域を対象とした複合指標から成る音楽チャートです。

グローバルチャートは世界の主要デジタルプラットフォームを対象としているものの、どのサービスが対象かもしくは含まれていないかについてははっきりアナウンスされていません。

そんな中、韓国MelOn(メロン)のデータが新たに追加されたことがアナウンスされました。最新6月17日付グローバルチャートでは、K-POP作品が上昇しています。

 

 

グローバルチャートにおけるMelOnのデータ加算開始については、このように報道されています。

Kakaoエンターテインメント(代表:イ・ジンス、キム・ソンス)のミュージックプラットフォームであるMelOnは、ビルボードのデータ管理業者ルミネート(Luminate Data Holdings)と契約を結び、本日(7日)から音楽鑑賞データを提供すると明かした。

MelOnのデータが反映されるビルボードチャートは、韓国内でのチャートである「South Korea Songs」、アメリカを含む200ヶ国以上を集計するグローバルチャート「Billboard Global 200」、アメリカを除くグローバルチャート「billboard Global Excl. US」などの3つだ。いずれもデジタルベースのチャートで、MelOnは音楽ストリーミングとダウンロードデータを提供する。

6月7日水曜からデータを提供するということは、最新6月17日付グローバルチャート(集計期間:6月2-8日)においてMelOnデータの反映は2日分にとどまり、次週6月24日付にて初の1週間フル加算となると考えられます。そうであれば、6月24日付におけるK-POP作品、および韓国で支持される韓国以外の作品もグローバルチャートでさらに伸びるでしょう。

 

 

グローバルチャートを追いかけてきた身としては、グローバルチャートが用いるデータは複数の国や地域にて展開するデジタルプラットフォームが大半ではと感じていました。一方で韓国においてはサブスクサービスにおいてSpotifyApple Musicが大きなシェアに至っておらず、YouTube Musicと双璧を成すといえるであろうMelOnの導入は理にかなっていると捉えていいでしょう。

 

 

このグローバルチャートについて、ビルボードジャパンではこのように紹介されています。

キャプチャした文言がグローバルチャートの新設以降変化しているかは不明ですが、ここからは日本においてローカルサービスは加算対象外と読み取ることが可能です。日本においてはグローバルで展開するサービスのシェアが大きいことも影響していると思われます。

 

グローバルチャートについては、世界各地のローカルサービスが加算対象となるかが今後の注目点と言えるでしょう。日本ではLINE MUSICが、国内シェアも踏まえれば加算対象になっておかしくないと思うのですが、同サービスは再生キャンペーンが多く再生回数に偏りが生じることが、(昨年再生回数を反映しにくくしたとはいえども)グローバルチャート管理者側にとってのネックとなっているのではというのが自分の見方です。