最新4月6日付ビルボードジャパンソングスチャートで2位に入り、8週連続でトップ2以内にランクインしているOfficial髭男dism「I LOVE...」。
ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS)の人気に伴い大ヒットした主題歌であるこの曲。最終回放送日を集計期間に含む前週のチャートで大きく伸びたことは3月26日付ブログエントリーにて記載しました(下記ツイート内リンク先参照)。そして同時に、ドラマ終了のタイミングでダウンに転じることは予想出来たことです。実際に「I LOVE...」のポイント前週比は75.4%となっていますが、その前週比を踏まえてでしょうか、ビルボードジャパンではこのような記載が。
トップ10に4曲を送り込んでいるOfficial髭男dismは、通算5回目の総合2位をマークした「I LOVE...」が、カラオケ以外の指標のポイントが微減に転じている。同じく総合3位の「Pretender」もラジオとTwitter指標以外が微減と、ここへきてヒゲダンの快進撃に陰りが見え始めている。
・【ビルボード】初週104万枚を売り上げた乃木坂46「しあわせの保護色」が総合首位獲得 | Daily News | Billboard JAPAN(4月1日付)より
たしかに、トップ10入りした「Pretender」、「宿命」(9位)そして「イエスタデイ」(10位)はいずれもポイント前週比90%台となっているため、これをもって”快進撃に陰り”と捉えることは可能かもしれません。しかし「I LOVE...」の各指標の動向をみると、そうとは言い切れないと思っています。それ以前に、チャート紹介記事にドラマ終了の影響があったと記載されていないことが引っ掛かるのですが。
『Official髭男dismは、通算5回目の総合2位をマークした「I LOVE...」が、カラオケ以外の指標のポイントが微減に転じている (中略) ここへきてヒゲダンの快進撃に陰りが見え始めている』
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年4月1日
うーん…ちょっと視野が広くない書き方ですね。ドラマ終了の反動と書かないと誤解を招きかねないですよね https://t.co/oI8AnndshF
そしてこの点も気になった次第。
.@Billboard_JAPAN 、今回のニュースでは「#ILOVE...」の動画再生回数未記載。この数値がいくらか気になります。所有と接触指標での前週比を調べることで、今後の下降の緩やかさもしくは急勾配を推測出来るのですが…
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年4月1日
その動画再生回数について、昨日の記事でおおまかな数字が明らかになりました。
本作はドラマ『恋はつづくよどこまでも』の主題歌。3月17日の最終回に向けて、週間ダウンロード数や週間動画再生数が増加傾向にあったが、当週はドラマの放送が終わった週ということもあり、ダウンロード数は約40%減少、動画再生数は20%減少するという結果に。
この記事をもって、数値が明らかになっているシングルCDセールス、ダウンロード、サブスク再生回数を基とするストリーミング、および動画再生の動向が掴めました。
数値が明らかになっている各指標と総合ポイントとで前週比を並べ替えると【ダウンロード<シングルCDセールス<総合ポイント<動画再生<ストリーミング】となります。はっきりとした【所有<接触】の形になっており、接触指標群も前週割れではありますが総合ポイントの前週比を上回っています。接触指標群に長けている曲はロングヒットとなる傾向が高いのは以前から述べていることであり、実際に最新チャートにおける「I LOVE...」のチャート推移(CHART insight)をみると、ストリーミングが5割、動画再生が2割強というロングヒットの法則に近づいてきていることが解ります。タイアップ作品への熱が落ち着き所有への移行は減ったものの接触指標群は安定を続ける…今週のチャート推移を踏まえれば、「I LOVE...」は昨年からヒットし続ける「Pretender」の動きをなぞるだろうと考えるのが自然だと思うのです。
「I LOVE...」が次週急落する可能性はゼロではありませんが、例えばSpotifyにおいては3月31日付の再生回数が直前の土曜もくしは日曜の数値を上回っています。これはおそらく『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS 月曜22時)のパフォーマンスが影響したとみられますし、さらにこの動きは「Pretender」「宿命」および「イエスタデイ」においても同様なのです。テレビ番組効果と言われればそれまでですが、「I LOVE...」がロングヒットのフェーズに入っていることも踏まえれば、ビルボードジャパンのチャート分析記事における”陰り”という表現は違うだろうというのが自分なりの結論。せめて”ドラマ終了が影響した可能性”が記事に記載されていたならばと考えますし、またマイナスイメージを抱かせかねない言葉は用いないことが前提だと痛感します。