(※追記(2023年3月21日5時48分):掲載した表の一部に誤りがあったため、訂正したものを掲載しました。心よりお詫び申し上げます。)
今週水曜に米津玄師さんが「KICK BACK」をフィジカルリリースすることにより、11月21~27日を集計期間とする11月30日公開分(12月5日付)ビルボードジャパンソングスチャートで同曲が今年度最高ポイントに至る可能性があります。この週は2022年度最終週となります。
最高ポイント獲得の可能性については上記ブログエントリーで紹介し、仮に狙うならばレンタル開始日を3日後にすることが必要と提案しました。今年度でルックアップおよびTwitter指標が加算対象から外れるのがその理由。ルックアップはCDをパソコン等インターネット接続機器にインポートした際にインターネットデータベースのGracenoteにアクセスする数を指し、レンタル数やユニークユーザー数を推測可能とするものです。
米津玄師さんはシングルCD表題曲にて、ダウンロードやストリーミング解禁→ミュージックビデオ解禁→CDリリース→レンタル解禁という段階的なスケジュールを用意し、チャート面で数度のピークを作ってきました。運営側は、レンタル市場が縮小してきているとしてもルックアップに伴う加点は無視できないものと考えていたかもしれません。その結果、「KICK BACK」ではこれまでにないことが起きています。
次週フィジカルリリースの #米津玄師「#KICKBACK」、レンタル開始日が11月26日と判明。https://t.co/vUYz6Hl7Ue
— Kei (@Kei_radio) November 19, 2022
ビルボードジャパンは「KICK BACK」のフィジカル初加算週がルックアップ指標加算最終週に。レンタルの早期解禁は土日のルックアップ加算を可能とし、今年度週間最多ポイントが狙えます。 pic.twitter.com/8VFFE1mYyM
これが如何に異例かは、シングルCDのレンタル開始日を見れば一目瞭然です。
米津玄師 シングルCD発売日 / レンタル開始日一覧
ユニバーサルシグマ期
・「サンタマリア」 発売日:2013年5月29日→レンタル開始日:2013年5月29日
・「MAD HEAD LOVE」 発売日:2013年10月23日→レンタル開始日:2013年10月23日
・「Flowerwall」 発売日:2015年1月14日→レンタル開始日:2015年1月14日
・「アンビリーバーズ」 発売日:2015年9月2日→レンタル開始日:2015年9月2日
・「LOSER」 発売日:2016年9月28日→レンタル開始日:2016年10月15日
・「orion」 発売日:2017年2月15日→レンタル開始日:2017年3月4日
・「ピースサイン」 発売日:2017年6月21日→レンタル開始日:2017年7月8日
・「Lemon」 発売日:2018年3月14日→レンタル開始日:2018年3月31日
・「Flamingo」 発売日:2018年10月31日→レンタル開始日:2018年11月17日
・「馬と鹿」 発売日:2019年9月11日→レンタル開始日:2019年9月28日
・「Pale Blue」 発売日:2021年6月16日→レンタル開始日:2021年7月3日
・「M八七」 発売日:2022年5月18日→レンタル開始日:2022年6月4日
・「KICK BACK」 発売日:2022年11月23日→レンタル開始日:2022年11月26日
※レンタル開始日はリンク先のTSUTAYAホームページ内に記載。
※2021年1月頃より、それまで発売と同日にレンタル開始となったCDは発売週の土曜解禁へ変更されています。
米津玄師さんはソニーミュージック系列へ移籍して以降、シングルCDのレンタル開始日がアルバム同様17日後に設定され続けていたため、今回の「KICK BACK」が如何に異例かがよく解るのです。
(なおソニーミュージック系では坂道グループ等のシングルにおいてもアルバム同様の解禁日設定を施す傾向にあり、レコード会社の意向が強いのではと感じています。)
今回のレンタル解禁日設定が米津玄師さん側の意向か、ソニーミュージック側の考え方の変化かは分かりかねます。仮に米津さんの今後のシングルCD解禁日が17日後に戻るならば、「KICK BACK」の設定はビルボードジャパンソングスチャートでの今年度週間最高ポイントを狙ったものと捉えていいでしょう。個人的には、ルックアップ指標の廃止に伴いすべてのシングルCDレンタル解禁日が発売週の土曜になることを希望します。
今年度のビルボードジャパンソングスチャート1~3位曲リストをみると、今年度週間最高ポイントは米津玄師さん自身による「M八七」の20,881ポイント(5月25日公開分(5月30日付))。「KICK BACK」はフィジカルセールスが「M八七」と同等ならばフィジカルセールスだけで7千ポイント程度を獲得することになり、そこにレンタル分も含めたルックアップを上乗せすることで、今年度の週間最高ポイントを狙います。フィジカルリリース週はデジタルも浮上する傾向にあるため、どこまでポイントを伸ばすか注目です。