イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』の凄まじい勢いを数字の面から確認する

藤井風さんのニューアルバム、『LOVE ALL SERVE ALL』が次週のビルボードジャパンアルバムチャートで首位を間違いないものとしています。

今週月曜開催のオンラインリスニングパーティも盛況だった藤井風さんは、フィジカルセールス、ダウンロードの水曜までの速報値がいずれも首位となっています。

フィジカルセールスは118692枚、ダウンロードは6642ユニットを記録し、2位の作品に対し前者は5倍、後者は7倍のセールスを記録する独走状態。そしてこの勢いはストリーミングでも。

日本におけるSpotifyデイリーチャートでは最新3月24日付においても158位までに『LOVE ALL SERVE ALL』収録の11曲全てが登場しています。

 

このSpotifyの動向を思い出したのが、宇多田ヒカル『BADモード』でした。

デジタル先行発売となった『BADモード』に収録されたボーナストラック以外の10曲が、解禁日に158位までに初登場もしくは再登場。翌日も176位までに10曲が登場しています。

この『BADモード』の初週セールスはダウンロードが10603ユニット(1月26日公開分。記事はこちら)、フィジカルが93870枚(3月2日公開分。記事はこちら)。ダウンロードの速報値が4665であったことを踏まえれば(記事はこちら)、藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』の勢いの大きさがよく解るのです。

 

前作『HELP EVER HURT NEVER』(2020年)の評判、アナログ化や初回限定盤付属のカバー盤(『HELP EVER HURT COVER』)の別途リリース、スタジアムでのフリーライブおよび配信、MISIAさんへの曲提供、『NHK紅白歌合戦』のサプライズ出演およびMISIAさんとの共演等、好事家のみならず広く日本全体にその名を広めていった藤井風さん。今作『LOVE ALL SERVE ALL』直前に切られたリード曲もまた見事だと感じます。

ひらがな表記の「まつり」から北島三郎さんの同名曲を想起した方も少なくないでしょう。そういうタイトル付けも巧いですし、青森に住む者としてはねぶたの掛け声である"ラッセーラ"が入っていることも嬉しくなります。そしてこの曲が日曜21時に解禁されたことも大きなポイントではないでしょうか。

日曜夜の解禁ゆえ、解禁日の所有および接触分については次週3月30日公開分(4月4日付)のビルボードジャパンソングスチャートに反映されませんが、藤井風さんはそれを承知で、むしろこの「まつり」が月曜の職場や学校等で話題になること、『LOVE ALL SERVE ALL』の注目度が上昇することを狙った上で日曜夜に解禁したのではと推測しています。そしてチャートアクションからは、まさにその効果が出ていると感じるのです。

 

 

藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』は次週のビルボードジャパンアルバムチャートの制覇を確実としました。ここから「まつり」「きらり」以外の曲もソングスチャート100位以内に登場したならば尚の事、アルバムおよび藤井風さん自身の勢いを感じずにはいられません。