未だにウクライナへのロシアの軍事侵攻は止まず、そこに住む方のことを思うとロシアへの憤りに襲われます。この地で音楽が鳴り響きにくくなったことをデータで客観的に理解したゆえ、尚の事です。
データとは、ウクライナにおける2月24日前後のSpotifyデイリーチャートのこと。再生回数はロシア軍事侵攻前のおよそ6割に落ち込み、音楽どころではないというウクライナ国民の余裕の無さを感じずにはいられません。ロシアもダウンしていますが、ウクライナほどではありません。
そのウクライナ、そしてロシアにおいて、Spotifyデイリーチャートが上記ブログエントリー後に大きく変化していたのです。
昨日の #イマオト ブログエントリーで、ウクライナとロシアのSpotifyデイリーチャートを紹介しました。https://t.co/epcUValeoc
— Kei (@Kei_radio) 2022年3月5日
先程発表された最新3月4日付では両国共に #シャドウレーズ「#Showdown」に首位の座が移ったのですが、1位の再生回数は両国とも急伸。何があったのか、気になります。 pic.twitter.com/dDMARjKA5s
シャドウレーズ(Shadowraze)「Showdown」はその後緩やかに交代するも、好位置をキープしています。
両国とも200位の水準は軍事侵攻後も変わらないため全体的な回復とは言い難く、シャドウレーズ「Showdown」が突出しているというのが自分の見方です。
シャドウレーズ「Showdown」の歌詞は米Geniusにも掲載されています。
Showdownとは対決の意味であり、歌詞を訳すと不穏な言葉が多数登場します。DeepLで翻訳すると『ここは大変なんだ 国境が閉ざされていてね めちゃくちゃだ。リヴォフの近くに行くだけだが、リヴォフもめちゃくちゃで、誰にもわからない。』と出てくるのですが、リヴォフとは『ウクライナの都市リビウのロシア語名』を指す言葉とのことです(リヴォフとは何? Weblio辞書より)。
シャドウレーズがウクライナ、ロシアどちらの出身かは未だ不明ですが、少なくともこの曲が両国で聴かれているのは事実。さらにSpotifyデイリーチャートではラトビアで首位、エストニアでもトップ5に到達し、「Showdown」は3月5日付のグローバルにおけるSpotifyデイリーチャートで175位に入りました(shadowraze - showdown - Spotify Chart History参照)。再生回数急増の理由は不明ですが、気になる動きです。
とはいえこれはSpotify特有の現象かもしれません。ウクライナのApple Musicチャートにおいては、ブログ執筆段階でシャドウレーズ「Showdown」は30位にとどまっています。
ウクライナのApple Musicで首位に立っているのは、同国出身のカルーシュによる「Stefania (Kalush Orchestra)」(カルーシュ・オーケストラ「Stefania」と表記するところも)。同国のSpotifyデイリーチャートでは最高2位、3月4日以降は4位をキープしています。
この曲はユーロビジョン・ソング・コンテスト2022のウクライナ代表曲として選出されていますが、実は当初別の曲が代表に選ばれていたこと、その差し替えにはロシアが関わっていたことを知りました。音楽賞にもロシアの存在が影を落としたことになります。
(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除いたします。)
上記記事にその経緯、および6年前に優勝したウクライナ代表曲の歌詞が掲載されていますが、そのジャマラ「1944」および今回代表に選ばれたカルーシュ「Stefania (Kalush Orchestra)」においては、ミュージックビデオのサムネイルにてロシアへの訴えが記されています。
カルーシュ「Stefania (Kalush Orchestra)」のSpotifyの動向もまた、2月24日以降落ち込んでいることがKALUSH - Stefania (Kalush Orchestra) - Spotify Chart History(下記にも引用)から解ります。
ジャマラ「1944」を紹介されている記事では、『歌詞を見てみると、現在のロシアによるウクライナ侵攻と重なるところも』と紹介されています。悲しい歴史が繰り返されてしまうのは本当に残念です。
ロシアはいつまで独りよがりな過ちを続けるのかと思うと、悲しみと憤りが止まりません。ウクライナに平穏な日々が訪れること、ロシアの現政権そして彼らのような心無い精神の持ち主が政治の世界から消え去ることを願ってやみません。