イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2020年11月の私的トップ10ソングス+α、選びました

1月からはじめている【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は11月号です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。過去の私的トップ10ソングス、および2020年上半期の邦楽ベストソングスについてはこちらに。

ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinとなっています。

 

 

10位 加藤ミリヤ「本能」

先月リリースされたカバー集からの先行曲。椎名林檎さんの中でも最も認知度が高いであろうこの曲を正面突破。バックを務めたALIとの相性も抜群です。10月にリリースされたオリジナル曲「WING」でのシンプルなR&Bトラックも素敵で、現在の充実っぷりが伺えます。

 

 

9位 BREIMEN「ナイトクルージング」

ハウス的なアプローチから一転、サビになると大胆なほど1980年代感に突入し、シンセドロップならぬサックスドロップが挿入されるのが面白くも癖になる曲。本人たち曰く、『サビから入るシンセ・ブラスやサビ後のサックスは、いかに「ダサくするか」をポイントにした』とのことですが(Spincoasterの記事より)、その点が見事なフックとなっています。 

 

 

8位 Ryohu「GMC」

KANDYTOWNのメンバーによるファーストソロアルバム収録曲。シティポップ的アプローチながら同種の曲と一線を画すのはプロデュースを冨田恵一さんが務めているゆえ。ベースライン等細部のこだわりが凄まじいトラックに、畳み掛けながら最後で急速に緩やかになるRyohuさんのラップが合致。冨田ラボ名義で制作した作品にRyohuさんを招いて以降の両者の相性の良さを感じます。その作品を以下に。

 

 

7位 マイリー・サイラス feat. デュア・リパ「Prisoner」

80年代、ディスコティークのアプローチが2020年の流行となりましたが、マイリー・サイラスが先月リリースしたアルバムはそれらに加えて80年代女性ロック歌手を強く意識したかの如きボーカルを施し、レトロ感極まれる内容に。そこに招かれたのは『Future Nostalgia』でこのブームを牽引したデュア・リパ本人。最強にして最高。

 

 

6位 リール・ピープル feat. エリック・ロバーソン「Save A Lil Love」

R&B好きな自分ですが、以前から好きな作品の多くがUSよりUK産。リズムのUSに対しメロディのUKと言われ、スムースダンサーなサウンドに長けているという印象が。この曲はまさにその系譜の一曲であり、インディR&B界で活躍を続けるエリック・ロバーソンの安定感も◎。

 

 

5位 ジャズミン・サリヴァン「Pick Up Your Feelings」

オリジナルアルバムは『Reality Show』以来およそ6年リリースされていないものの、現在もメジャーレーベルに在籍するのは彼女の才能に絶大な信頼が置かれているゆえと推測。今作の持つパワーにも惹かれます。三連というトラックもまた良し。

 

 

4位 婦人倶楽部「君にやわらぎ」

今年はじめに台湾へ行ったこともあり、9月に婦人倶楽部がリリースした「そいえば台湾」に否応なしに惹かれた自分ですが、今作「君にやわらぎ」は歌詞の面白さもさることながら、より強まったピチカート・ファイヴ感にニヤリ。これだけポップなのに歌詞の一言一言がいい意味でギャップ有りすぎで、プロデュースを務める佐藤望さんのnoteを読みながら聴くと佐渡のことがよく解ります。

 

 

3位 ニガミ17才「オフィシャルスポンサー」

先月リリースのミニアルバム収録曲。当初自分がいいなと思っていたのが「こいつらあいてる」だったのですが。

しかしながら全国のラジオ局でオンエアされまくっている「オフィシャルスポンサー」をチョイスしたのは、そこに通底するサカナクションらしさがただひたすらに楽しいため。

 

 

2位 藤井風「青春病」

リリースは10月であり、且つ自分は同時リリースされた「へでもねーよ」を当初推していました。というのもこの「青春病」があまりにポップすぎて面食らったゆえ。とはいえ聴き込むうちにどんどんハマっていったのはその展開の凄さに圧倒されたため。

しかしながらその展開を技巧的と思わず純粋に楽しめるのは才能のなせる業。ここまでポップな曲を作れるならば、映像作品のタイアップが来てもおかしくないと思いますし是非やってほしいと思っています。

 

 

1位 トーン・スティス「Devotion」

 

プロデューサーとしての顔も持つトーン・スティスの今作にノックアウト。力強いファルセットや哭きのギターはプリンスの系譜とも言えそう。ファルセットの凄みは個人的に、ルーク・ジェイムス「I Want You」(2011 YouTube)以来の衝撃でした。

 

 

以下、次点として10曲。

・eill「Into your dream」

・knowone「Roentgen (Retake)」

・ニガミ17才「こいつらあいてる」

・コナット「Moonlight Dance」

ジャム&ルイス feat. ベイビーフェイス「He Don't Know Nothin' Bout It」

・ジョン・P・キー「Let Me Breathe」

・マイダス・ハッチ feat. マッド、ジャエル & ジェンギ「Hey Stranger」

ラヒーム・デヴォーン「Special Occasion」

・SGルイス feat. ラッキー・デイ「Feed The Fire」

・トーレン・ウェルズ、ジェカリン・カー、ドナルド・ローレンス&Co.「Famous For (I Believe) [Sunday A.M. Version]」

 ソウルやディスコティーク、ゴスペル等R&B好きが表れた内容となりましたが、1990年代に一世を風靡したプロデューサーであるジャム&ルイスとベイビーフェイスがタッグを組むという日がくるとは。ジャム&ルイスのリーダー作の存在は知っていたのですが、この組み合わせにはやられましたし、曲はまごうことなき童顔印。アルバムが俄然楽しみになってきました。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。